半減期まで1年を切ったビットコイン、価格へのインパクトは?
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2020年5月21日は、マイニング報酬が現在の12.5BTCから6.25BTCに半減する日です。
マイナーにとってはビッグデイです。
マイニングしている人にしか影響ないと思いがちですが、投資家にとって価格に影響があるという事実を知っておく必要がありますね。
既にその影響は始まっている、と元GoogleのソフトウェアエンジニアであるBoyapati氏がTwitterで投げかけました。
「ビットコインのブロック報酬が半減期を迎える日があと1年を切りました。半減期はビットコインの再生ハイプサイクルにどのように相互作用するのでしょうか?それはビットコインのブル相場を引き起こす原因となるのか、私たちは過去の半減期から何を学び取れるでしょうか。」
ビットコインの再生ハイプサイクル
これはGarter氏が唱えたテクノロジー・ハイプサイクルというものですが、世の中に新しい革新的なテクノロジーが出てきて、世間に受け入れられるまでのサイクルをメソッド化したもので、ビジネスに生かせる手法です。
(参考:https://www.gartner.com/en/research/methodologies/gartner-hype-cycle)
マスコミや世間に騒がれ大きな宣伝により、「技術革新のトリガー」を引き起こす初期段階から始まって、成功事例を生み出し期待が大きく集まる「膨大な期待値のピーク」を迎えます。
その後、実験や実装が実現できないため関心が薄れて生き残りがわずかになる「幻滅の谷」に陥り、敗退者が出てくる頃です。
そこで自社の製品の改善を継続した場合のみ投資が集まり、努力が結晶化し始め、広く世間に理解されるようになる「啓発のスロープ」に入り多くの企業がパイロット段階に入ります。
そして、信頼を勝ち取り、主流(メインストリーム)に乗り、技術が広く適用され、ビジネスの生産性へと関連付けられていく「生産性の安定期」へと成長していきます。
Boyapati氏は、ビットコインの場合もこのメソッドに関連付けて見ているようです。そして以下の様に主張しています。
マイナーが売るとBTC価格に一定の下落圧力がかかる
マイナー達の多くは、運用コストを賄うのに自らマイニングしたビットコインを販売しており、本質的にはマージナルビジネス、つまり限界収益の商売をしている、と彼は言います。
ビットコインのプロトコルは約10分毎に新しいビットコインをリリースしています。マイナーがそれらを売ると、価格は「一定の下落圧力」がかかると指摘しています。
もっとも、デジタルアセット市場に入って来る「新しいお金」がなかったら、BTC価格は極端に下落します。
1BTC=10,000ドルの時には、約1400万ドルがビットコインに入って来て下落する売り圧力を相殺しているはずです。
仮想通貨市場が強気相場の間は、需要はマイナーの売り圧力をはるかに上回っていますが、最終的にはサイクルが終了してマイナーの売り圧力が投資家の恐れによる売りによって増幅されます。
売り圧力が一旦尽きると、市場サイクルは上限に達する、というのが彼の主張です。
そして、マイナーの売りに起因する下落圧力は、売りに抵抗するビットコイン投資家による上方圧力によって均衡を保つ、と述べています。
このグループのビットコイン保有者(またはHODLer)は、ビットコインを正当な価値保存(SoV)と捉えているのです。
そういった彼らの行動のお陰で、ビットコイン価格は安定期にたどり着く、と述べています。
HODLerの均衡需要がマイナーの売り圧力を超えている
また彼は、ガートナーハイプ(Gartner hype cycle) の価格の安定期(ビットコインのような新しいテクノロジー開発によって作られる興奮と投資家の熱意)は、一時的な均衡に過ぎない、と述べています。
というのは、供給と需要は、安定期の間に均等に釣り合っている一方で、ビットコイン半減期は売り圧力を半分にすることで均衡が崩れます。
ビットコイン半減期を迎えると、新しく生み出されるビットコインの日々の供給量は以前の半分の割合で効果的に削減される、と彼は考えています。
つまり、HODLer達の均衡需要がマイナーの売り圧力を超えている現在、ビットコイン価格は上向いていく傾向がある、ということです。
ビットコイン価格のアップトレンドは最終的にはそれ自身に活力を与えて、通常は次のブル相場へとつながる、とも述べています。
さらに、現時点では、新しい投資家がデジタル資産のエコシステムに参入しているとも述べています。
ビットコインのアップトレンドにとっていい話ばかりで嬉しくなりますね。
市場は1年前に半減期を考慮に入れている
もとアプリ開発者でもある彼は、金融市場は既知の将来の出来事に機械的に反応しない、と考えています。
ビットコイン半減期は予測可能なスケジュールで起こるものです。だから、市場は重要な未来のイベントを予測しており、過去の経験からいって、市場が前もって半減期を考慮しているのだ、と彼は述べています。
つまり、彼の主張では、ビットコイン市場は歴史的にみて、半減期の1年前と1年後には上昇を始めています。
しかし、マーケットは予測しているので、今回はそれが早く来るかもしれません。それもそのはずです。ビットコイン半減期はビットコインのマネタイズ(収益化)には重要なファンダメンタル要因だからです。
(参照サイト 2019年6月25日現在:https://www.bitcoinblockhalf.com/)
あと331日で半減されるビットコイン、既に価格の上昇が始まっているのは確かなようですね。