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2020年代に起こるだろう11の項目。Coinbase CEOの予測

2020.01.08
2020年代に起こるだろう11の項目。Coinbase CEOの予測

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2020年の節目を迎えた正月にふさわしく、期待を込めた10年予測をCoinbaseの代表であるブライアン・アームストロング氏がブログで発表しました。

2020年代に起こるだろう11の項目。Coinbase CEOの予測

(出典 https://blog.coinbase.com/@barmstrong)

彼は今後10年で、もっと拡張的でプライバシー機能を併せ持つ、レイヤー2ソリューションのブロックチェーンが現れるだろうと期待しています。そして10年も経てば、ユーザー数は10億人に達するだろうとも付け加えています。

そのブロックチェーンは、経済システムの壊れかけた市場および、人々が欲しがるものを作っている暗号新興企業(クリプトスタートアップ)の市場といった二つの新興市場において採用されていくだろうという事です。

スケーラビリティは実用化への前提条件

スケーラビリティ(拡張性)について彼が意図しているものは、新しいアプリケーションが開発されていくスピードが速くなる点です。

例えていえば、昔の56Kモデムがブロードバンドに代わったことで、インターネット上に新しいアプリケーション(YouTubeやUberなど)が登場し、日常的に実用化されてきたように、トランザクションの処理能力(スループット)が数桁向上するようなブロックチェーンが登場することで、新しいクリプト関連アプリの開発はもっと迅速になるだろうと期待しています。

プライバシーコインが主流になるだろう

スケーラビリティのみならず、プライバシー機能も統合されることが考えられます。
透明な台帳ですべての決済が丸見えになってしまっては意味がありません。

たとえば、インターネットがHTTPで起動して以来、現在ではWebサイトでHTTPSがデフォルトで導入されているのと同じように、2020年代ではプライバシーコインやプライバシー機能を持つブロックチェーンが最終的に採用されて主流となるだろうと述べています。

チェーンの統合が進む

アームストロング氏の予測では、今後10年間で開発者のマインドシェア、ユーザーベースおよび時価総額においていくつかのチェーンが統合されていくということです。

現在、Dfinity、Cosmos、Polkadot、Ethereum2やAlgorandなど、次世代プロトコルに取り組む高品質チームが多数あり、そして既存チェーンのレイヤー2スケーリング・ソリューションに取り組んでいる素晴らしいチームがいくつもあります。

これらの中でスケーラビリティ、プライバシー、開発者ツール、およびその他の機能で最も進んでいるチェーンは最大の利益をあげる勝者となるでしょう。

トレーディングからユーティリティへ

2010年代は主に、仮想通貨(暗号資産)への投機や投資の時代でした。仮想通貨を取引することが、投機や投資活動の大部分と、それらの最良のビジネスモデルを推し進めていったのです。

このトレンドは2020年代も続くようです。しかし、2020年代に暗号業界に出現する最も新しい会社はこの10年で実用化(ユーティリティ・フェーズ)を推し進めていくものと彼は信じているようです。

非トレーディング・アクティビティであるユーティリティ・フェーズは実際、既に私たちが目にする機会もあります。たとえば、ステーキング、借入、貸借、証拠金、デビットカードやその他なんらかの利益や収入、また、商品やサービスの売り買いである商取引に使われる例です。

クリプトスタートアップの台頭

かつてドットコムの流行によってインターネットスタートアップの考えが始まって行ったように、アームストロング氏は、これらのクリプトスタートアップ(暗号資産新興企業)の台頭を予測しています。

これらのスタートアップは暗号資産を使って資金調達をし、早期導入者にはトークンを発行し、従来の新興企業では見られなかった速さでグローバルコミュニティとマーケットプレースを結び付ける、と彼は述べています。

遭遇する規制上の問題は無数にあっても、それ以上に人々のメリットが大きく、市場は道をみつけるだろうと述べています。

また、すべての人が暗号通貨に興味があるわけではなく、それぞれの目的や使うツールも異なるという観点から、スタートアップは、人々が欲しいものを作ることが課題だ、と言及しています。

新興市場

既存の金融システムがはるかに大きな問題となっている国、特にハイパーインフレを起こしているような国では、暗号通貨は本当に魅力的なものでしょう。

GiveCrypto.orgが、ベネズエラで5000人に暗号通貨を支払って、その内の90%が暗号通貨を受入れる地元の商店やローカルパートナーとで少なくともひとつのトランザクションが行われたという例があります。

このような新興市場では、ツールの使いやすさが、一定のしきい値を超え始めたことを示していると言及しています。

2020年代には、新興市場での暗号通貨の採用は、数億人のユーザーにまで拡大し、少なくともひとつの国では、そのほとんどの経済取引が暗号通貨で行われるほど転換していくだろうと、彼は述べています。

機関の参入が増加

既に、小規模な機関が暗号通貨の分野に参入し始めています。
過去18か月間(1年半)でCoinbase Custodyは急成長し、今年も継続しながら更に大きな機関が参加してくる、と彼は期待しています。

最終的にはほぼすべての金融機関が何らかの暗号通貨オペレーションを行い、ほとんどのファンドは相関関係のないリターンのために一部の資産を暗号通貨で保持します。

世界のお金の90%ほどが機関にロックアップされているため、これは暗号資産に対する多くの需要を高める可能性があります。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)

昨年、リブラが完全にワシントンDCで怒りを買ったのに対して、中国では人民元のデジタル化を開始し、ブロックチェーンを国の主要な技術投資にすることで、主導権を握りました。
現在それに米国が少し追いついているところで、米ドルをデジタル化する方法について活発な議論が行われているところです。

たとえばUSD Coinは、CoinbaseのパートナーでもあるCENTRE社が発行していますが、これは米国が頼る解決策である可能性もあります。
あるいはFRBがブロックチェーンを使って独自のデジタル化されたドルを実装しようとするかもしれません。

また彼は、LibraやCENTREのようなコンソーシアム、あるいはIMF自体、のどちらかによるバスケットデジタル通貨が出現すると予想しています。

市場構造が成熟する

これまでの10年で私たちが暗号通貨取引所だと思っている企業の多くは、証券会社であり取引所であり、カストディアンであり決済機関、といったものがひとつにまとまったものでした。

それが2020年代には、暗号通貨市場は、これらの機能を切り離して法的にも規制の観点からも分離され、そのストラクチャを既存の金融世界に近似するものに進化させるだろうと、アームストロング氏は予測しています。

これは既にある程度は起こっていることで、例えばCoinbase Custodyは、NY Trust Comapny として規制される、独自の取締役会を持つ独立した会社です。
また、Coinbase Proは同様に、証券会社と取引所に分離されます。

そして既存の金融サービス業界と同様に、多くの相互作用が生まれます。

このような個別のコンポーネントが適切に配置されている状況なら、おそらく、SECなど規制当局はもっとスムーズに個人投資家向けの暗号資産インデックスファンドを作成できるだろう、とも予測しています。

分散型(Decentralization)が拡大する

彼曰く、
既存の法定通貨(フィアット)から暗号通貨への交換に関しては概して既存の金融サービスモデルに従っています。

しかし、クリプトからクリプト、つまり、もとから分散化されている暗号通貨同士の交換という領域では、全く別の世界が進化していきます。

暗号通貨の世界では、非カストディアル・ウォレット、DEX、DefiやDappsといったプラットフォームが、使いやすさとセキュリティを常に改善し続けています。
それゆえに、ゲームやオンラインコミュニティ、ヴァーチャル世界など各々の経済圏で多くのアプリが登場するのです。

これらのアプリや非カストディアル・ウォレットの多くは、顧客の資産を保管することはないため、金融サービス企業ではなくソフトウェア企業のように規制されます。

このため劇的にイノベーションは加速し、そしてこの世界でもプライバシーが強化され、プライバシーコインや非カストディアル・ウォレットが、より広範囲に採用されるようになるでしょう。
また、分散型IDの増加、そういったIDに関連する評価も上がります。

分散型の暗号資産経済圏が成長するにつれて、多くの人々が暗号資産によって生計をたて、機会をみつけ、世界の経済的自由に著しい変化をもたらしていくのです。

世界のビリオネアの半数以上は暗号通貨保有者が占める

彼の友人であるオラフ・カールソン・ウィーとバラジ・スリニバサンは、ビットコインの価格が20万ドル(約2160万円)となった時、世界の億万長者の半数以上は暗号通貨による人々になると見積もっているそうです。

これは良いか悪いかは別として、これが意味することは、2020年代では、これまでより多くのテクノロジー支持の人々が多額の資産にアクセスしていくという事を意味していると言えます。

また、科学技術への投資額が増加し、多くの暗号通貨支持の人々(クリプトフォークス)は慈善活動に目を向けるようになるだろう、とも彼は予測しています。
既に、Pineapple fundやGiveCrypto.org、GivingPledgeなどの活動も注目されています。

以上が、彼の予測の11項目です。

これらのどの予測がこの10年で現実のものとなるかわかりませんが、既にその兆候となっているものがいくつもありますね。

現に、インターネットの台頭以来、デジタルデバイドと言われる情報格差がついています。
このテクノロジーに対して無関心でいては、時代に取り残されていくことは既に証明されているかのようです。

フィアットとクリプトの融合されたよりよい経済圏は実現するのでしょうか。新しい世の中に期待を膨らませていきたいですね。

参考サイト:
“https://bitcoinexchangeguide.com/coinbase-ceo-makes-11-big-cryptocurrency-predictions-for-the-2020s/”
“https://blog.coinbase.com/what-will-happen-to-cryptocurrency-in-the-2020s-d93746744a8f”

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