【7/3今週まとめ】ビットコイン年初来パフォーマンス27%上昇、日銀 CBDC発行へ向け始動、IRS匿名通貨の捜査強化、MacOS狙った新たなランサムウェア
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6/30 ビットコイン6月の低迷にも関わらず2020年上半期パフォーマンスは27%上昇へ
ビットコインは、6月の価格下落にも関わらず年初来からの上半期のパフォーマンスでは27.8%の上昇を記録し、伝統的な資産クラスを上回る結果となりました。
金や米ドルインデックスは法定通貨に対してそれぞれ16%と5.4%のプラスを記録、一方でS&P500と原油価格はそれぞれ-5.5%と-34.22%の下落となりました。
出典:skew
ビットコインは5月11日に3回目の半減期を迎え、価格上昇の加速が予想されていましたが、5月中旬以降は9000ドルから1万ドルのレンジで小幅推移が続いています。
しかし過去のデータによると、ビットコインは過去6年間のうち4年間で第3四半期にパフォーマンスが急激に低下しているとのことで、その場合は第2四半期に高いパフォーマンスを記録しているため、今回も同様のパターンとなる可能性も懸念されています。
6/30 米IRS 匿名仮想通貨の捜査強化へ
米国内国歳入省(IRS)は、匿名性の高い仮想通貨について踏査体制を強化する方針を進めていることが明らかになりました。
IRSが匿名通貨の捜査を強化する背景には、プライバシーコインの一般的な使用の増加に伴ってハッキングや違法行為などに利用されるケースも増えたことが挙げられています。
IRSは今回の方針の決定理由の具体例として、今年4月にハッカーグループRevilが米国芸能界の弁護士事務所に匿名性の高いモネロでの身代金を要求した事件を挙げています。
IRSが捜査対象とする匿名性通貨は、モネロやジーキャッシュ 、ダッシュ、グリン、コモド、バージ、ホライズンなどです。
さらにオフチェーン取引や、サイドチェーン、シュノア署名などの追跡も課題となっているとのことです。
シュノア署名とは、受信者が同一の複数のトランザクションの署名をひとつにまとめることで、データサイズを削減できるといったメリットがあるとされています。
7/1 Macユーザーを狙った新たなランサムウェア発見
アップル社が開発するMAcOSユーザーをターゲットに、した新たなランサムウェアが発見されました。
人気アプリのインストーラーをTorrentファイル経由でダウンロードした際に攻撃されるとのことです。
この攻撃はEvilQuestとして知られておりビットコインアドレスを通じで身代金の支払いを要求してくるとのことです。
EvilQuestは、2020年6月から活発化しており、マルウェアラボのMalwarebytesがTorrentサイトやウェアフォーラムで配布された海賊版のMacOSソフトウェアから検出したとのことです。
EvilQuestは、同じビットコインアドレスを使って身代金を要求してくることがわかっており、攻撃を受けるとMacOSファインダーがフリーズするとのことです。
ファイルの暗号化が完了すると身代金要求のテキストファイルが生成されるとのことです。
このランサムウェアは海賊版ソフトウェアを介した際に標的となるため、海賊版の使用をしないことが最大の防御策となります。
7/2 SBIがブロックチェーン活用で日本米のサプライチェーンを効率化
SBIホールディングスは、ブロックチェーンビジネスを手掛けるCITAと、日本産の米の輸出企業である百笑市場とともに、ブロックチェーン技術を用いたサプライチェーンプラットフォームを通じて出荷プロセスの情報共有や業務効率化についての実証実験を開始すると発表しました。
農作物のサプライチェーンは、生産者、卸問屋、物流、加工、倉庫、貿易、国内・輸出先小売店などの各組織が、生産・輸送・在庫管理を別々に計画管理することが多いために急激な需要の変化が起きた際には大きな負荷がかかることや、紙ベースの非効率な運営のために様々な課題を抱えているとのことです。
今回の実証実験では、CITAが開発するTraceability as a Serviceを導入することで組織の大小を問わず独自のネットワークを形成して出荷プロセスの情報共有が可能になり、業務負担を大幅に軽減することができるとしています。
7/3 日銀 CBDCの実証実験開始へ
日銀は、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)発行の実現を見据えた準備を進める方針を明らかにしました。
日銀はCBDC発行に関わる技術面の論点をまとめたレポートを公表し、CBDCの実証実験を行うとしています。
現時点でCBDC発行の具体的な計画はないとの見方は変わっていませんが、各国がCBDCの開発を進める中でデジタル決済に遅れを取らないよう、民間の金融機関や決済企業を連携して技術面の課題解決に取り組むとのことです。
日銀は、CBDCが現金と同様に誰もがいつでもどこでも安全で確実に利用できる手段となるためには「ユニバーサル・アクセス」と「強靭性」の2つが重要になると指摘しています。
具体的には、子供や高齢者などの様々な人が利用可能な端末の必要性と非常事態でも利用可能な通信手段としてオフライン決済機能の必要性を重視しているとのことです。
また、安全性やプライバシーの保護、マネーロンダリングなどの犯罪対策も課題に挙げています。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、デジタル決済の需要が世界的に高まる中、CBDCについては中国が世界に先行して開発を進めてます。
米国連邦理事会(FRB)や欧州中央銀行も研究推進の意思を表明しており、日銀もこれらの先進国に遅れを取らないように取り組みを加速していくと見られます。