日本酒の偽造防止にブロックチェーン活用
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世界4大会計事務所のひとつであるアーン・アンド・ヤングの日本支社EY Japanが、日本酒や果物の偽造対策にブロックチェーン技術を活用した追跡システム「SAKEブロックチェーン」を構築する計画を発表しました。
製造から出荷、海外顧客への配送記録データを共有し、偽造品とは異なる手続きを踏むことで偽造防止の効果を強化すると期待されています。
ラベルのQRコードで商品の詳細情報を提供
消費者はボトルのラベルに印刷されたQRコードをスキャンすることで商品の詳細情報を確認することが可能です。
情報は英語、韓国語、中国語の3種類に対応しています。
このSAKEブロックチェーンは、香港やシンガポールなどのアジアに展開しているコンサルティング大手、アーン・アンド・ヤングの日本支EY Japanにより構築されました。
共有されるデータには、原材料や醸造された場所、ディストリビューションチェーン、温度管理などの情報が含まれます。
消費者は、醸造者の経歴やその酒に合う食材のおすすめメニューの情報を受け取ることもできると言います。
全てのボトルの製造段階から消費者へ届くまでの情報を追跡することが可能になるため、海外でのマーケティング戦略の向上にも貢献するとされています。
多くの日本酒メーカーは中小企業であるため、海外市場のマーケティングを行う十分な能力を持っておらず、いったん出荷してしまうと小売業者や消費者を識別することはできませんでした。
日本酒の輸出増加に伴い偽造品も増加
日本食ブームなどにより世界的に日本食が普及したことで、日本酒の輸出量は、年々増加傾向にあります。
財務省のデータによると、2019年の日本酒の輸出額は、5.3%増加し234億円にぼるとのことです。
ところが、日本酒の偽造品がアジアの広範囲で、本物の日本酒と同価格もしくはそれ以上の高値で販売されていると言います。
EY Japanの梶原氏は次のように述べています。
「日本酒が製造元からの履歴を公開することは、偽造品との差別化を図ることに大いに貢献するでしょう。」