マウントゴックス劇場、有罪判決でようやく終結?2年半の懲役と債権者のこれから
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3月15日に、東京地裁によりマウントゴックス元CEOマーク・カルプレス氏は懲役2年6か月の有罪判決を受けました。
その内容は、データ改ざんの罪では有罪、横領の罪では無罪としました。というのは、彼は時々交換所と個人の資産を混同していましたが、それはプラットフォームでハッカーにより損失したお金の事実を隠すことだったと述べています。
ビットコインの名を世間に知らしめることになった悪名高きマウントゴックス事件(2011年)は世界で最も有名な85万BTC(当時レートで480億円)が盗まれたハッキング事件です。
その後20万BTCは回収されましたが、2014年の交換所閉鎖で24,000人が債権者となったまま既に約8年が経過し、現在は民事再生手続を進めてきました。
その間に仮想通貨(暗号通貨)を取り巻く規制は日本がリーダーシップを取り、現在に至ります。
Mt.Gox所以の「東京クジラ」
しかし、元CEOのマーク・カルプレス氏や失われて戻ってこないBTCをめぐって様々な裏話がうずまいていました。
たとえば、仮想通貨の冬といわれた2018年には、ビットコイン先物の導入のタイミングで大きく下落したこともありますが、下落の要因となったひとつに、ビットポイントを巻き込んでマーケットに放出された大量のBTC「東京クジラ」が噂されています。
これには、マウントゴックスの資産整理をする責任者である管財人、弁護士の小林信明氏がかなり関わっていると見られていますが、本人は、然るべきアドバイザーによって適正に行われた売りであると話しているにとどまっているようです。
Mt.Goxの復活!?
今年2月にはまた、マウントゴックスの復活、といった種の話題がありました。
暗号通貨の起業家Brock Pierce氏がGox Risingという活動を始めたのです。
初めてBTCマイアミで公に姿を現したPierce氏は、GoxRising運動は債権者の損失と暗号通貨業界における世界の信頼を回復することを目的としていると述べました。
それには4つの主な目的;
・債権者に情報提供を続けるため
・債権者への迅速な支払いを支援するため
・債権者への分配を最大化するため
・交換所を復活させるため
があるとウェブサイトに記載されています。
これを見た当のカルプレス氏は即座に、交換所復活の実現性について否定し、管財人よりも早く資産を分配するということに関してもあり得ません、とGoxRisingの計画の信ぴょう性について難色を示したと、報道されています。
米国でも訴えられている元CEO
米国で元ビジネスパートナーだったCoinLabから訴えられた際には、円に換算して1.7兆円の請求で、当初の契約違反で請求された7500万ドルをさらに凌ぐ金額となり、負債が膨れ上がったことは債権者に支払いの遅延を想像させました。
これに対してカルプレス氏は、日本での民事再生法による更生手続きを踏まえ、米国訴訟へ申し立てをしていましたが最近却下され、米国訴訟の件はカルプレス氏個人にむけての提訴であり、日本での民事訴訟とは別の話となりました。
更生管財人による請求承認
有罪判決で民事再生法に一応の決着をつけた形となったいま、小林氏は3月19日に債権者の更生請求(リハビリ請求)の処理を完了し数日中に結果が通知されると発表していました。
そして結果は、更生管財人が、交換所関連の更生請求の承認をしたことが更生請求を提出したユーザーに伝えられたということです。
ようやく債権者への支払いにむけて動き出しましたが、その資金は驚くほど不足しています。今後、どのようにして不足する金額に対処するのか、まだまだストーリーは終わらない様相を呈しています。
4月を迎えてビットコインを始めコインが軒並み上昇しているのは、事件が一段落して暗号通貨の時代が新しくスタートしたかのように感じます。