中国人民銀行 ブロックチェーン研究開発資金に新たに約5億円を拠出
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中国人民銀行が運営するブロックチェーンを利用した貿易金融プラットフォームの研究開発資金として、今後3年間で約5億円の資金が拠出されることが明らかになりました。
参加企業・銀行が相次ぎ、処理額も大幅増加
中国人民銀行は、広東省深セン市で、2018年9月にブロックチェーン基盤の金融取引プラットフォームを発表しました。
これによって企業がプラットフォーム上に入力した情報は、修正を加えられることなく関連する銀行が他の機関と情報を共有することが可能になりました。
このプラットフォームを立ち上げ後、多くの銀行と企業の参加が相次ぎました。
1月中旬までに同プラットフォームと連携する銀行・企業が900億元以上の取引の処理を完了したとのことです。
連携する銀行の数は40行以上、企業の数は1898社にも及びます。
処理金額は昨年7月の300億元の3倍まで増加しました。
内部関係者によると、今回拠出される資金はブロックチェーン基盤の金融取引プラットフォームの成長を促進するとともに、中国国内で最も高度なブロックチェーンプロジェクトになるだろうとのことです。
情報共有でビジネスの壁を取り除く
深センを拠点とするアナリストのWu Hao氏は次のように述べています。
「ブロックチェーン技術によって情報の孤立化を打ち砕くことが、目的とされています。しかし、もし統一された産業の基準や成熟したテクノロジーが欠落していれば、ビジネスにおいては情報の壁がいまだに立ちはだかることになったでしょう。」
同プラットフォームは、中小企業向けローンの承認の効率化に大いに貢献しました。
これまで10日以上かかっていた取引にかかる時間は20分になり、劇的に短縮されました。さらに、企業にかかるコストも6%以上削減されたとのことです。
新型肺炎コロナウィルスによって影響を受けた中小企業の資金調達ツールとしても、活用が広がることが期待されています。