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中国人民銀行、「デジタル人民元」を発行か?

2019.11.22

<この記事(ページ)は 4分で読めます>

中国の中央銀行である中国人民銀行(PBoC)が「デジタル人民元」を近く発行するのではないか、と報道されました。実際に発行されれば様々な影響が出る可能性があります。

この記事ではそもそもデジタル人民元とは何なのか、そしてデジタル人民元が発行された場合に生活にどのような影響が出るのか、通貨相場への影響はどうなるのかを解説していきます。

デジタル人民元とは?

デジタル人民元とは、中国当局が2014年から発行を検討している中国独自の仮想通貨です。

その特徴の1つに2層構造システムの採用があります。

8/28付のBINANCE RESEARCHによると、中国人民銀行の発行するデジタル人民元が法定通貨である人民元に1対1で連動し、他銀行や小売市場を含む2層構造のシステムとなる、と記されています。

1層目は通貨発行と引き換えのために中国人民銀行と商業銀行を繋ぎ、2層目は商業銀行をより広範囲になる小売市場へと繋ぎます。

技術としてはブロックチェーンを用いるのではないかと言われています。

また先月10/26には第13回全国人民代表大会において「中華人民共和国暗号法」(暗号法)を可決しました。

暗号法はブロックチェーンのシステム構築に欠かせない法律で、国家の安全と公共の利益を守りながら、イノベーションなど暗号産業の発展を目的とし、中国共産党の指揮の下、中央政府によって管理運営されるものです。

具体的にはパスワードへの暗号技術の適用や暗号技術を用いたビジネスの促進が目的となっています。

さらに暗号法では機密度の高さによって上から「核心暗号」、「一般暗号」、「商業用暗号」の3つにレベル分けされています。

核心暗号は国家が保護する最高レベルの機密性を持ち、一般暗号は核心暗号に次ぐレベルの機密性、商業用暗号は公民、法人、また他の組織のネットワークと情報セキュリティを保護するために用いられます。

この暗号法の施行日は2020年1月1日からと定められており、中国のデジタル人民元発行への熱意を感じます。

デジタル人民元が発行されるとどうなるの?

デジタル人民元は名称にもある通り、デジタルで存在する通貨です。つまり実体を持たずオンラインで発行、管理されます。

中国は世界的に見てもキャッシュレス化が進んでいる国ですので、デジタル人民元が発行されれば商品やサービスの支払い、銀行間決済、送金が人民元ではなくデジタル人民元で行なわれるでしょう。

またこのキャッシュレスですが、現在はアリババのAlipayやテンセントのWeChat Payがキャッシュレスシェアの大半を占めています。

デジタル人民元が発行されると、中国人民銀行の口座数が激増します。そして中国人民銀行の提供するサービスでデジタル人民元が流通します。

そのためシェア率や経営状況が大きく変動する可能性があります。

アリババやテンセントなどのキャッシュレスサービス提供企業に限らず、金融仲介を行なっている企業においても影響が及ぶと考えられます。

相場への影響

世界中で話題となっているデジタル人民元ですが、ビットコインの価格にも影響を与えているようです。

まずはこちらのチャートをご覧ください。

これは2019年10/25から11/5現在までの4時間足チャートです。

そしてビットコインが一時約112万円まで大きく暴騰した先月10/25から10/26にかけて、中国国内では習近平国家主席がブロックチェーン技術を国のコア技術にすることを推進し、暗号法が可決され、中国共産党がブロックチェーン技術を用いたアプリを公開しました。

また画像中央にもある通り、中国人民銀行がブロックチェーン製品を認証したことで暴騰に比較すれば僅かではありますが、一時的に値を戻しています。

以上のことから他にもテクニカルの要因もあると思いますが、今回の暴騰は中国による影響が大きいと考えることができます。

まとめ

今回は発行に現実味を帯びているデジタル人民元について見てみました。早ければ今月11/11に発行されるのではないかと予想されています。

実際に発行され流通すれば、国内だけでなく世界中で人民元が扱われることになります。

参考サイト:
”https://grici.or.jp/717”
”https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13241.php”
”https://info.binance.com/en/research/marketresearch/CBDC.html”

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