イーサリアム(ETH)とは?特徴や仕組みなどイーサリアムの全てを徹底解剖
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仮想通貨の時価総額ランキングでビットコインに次ぐ2位につけており、ブロックチェーンプラットフォームとして不動の地位を築いているイーサリアム。
しかし、それだけの人気を誇るに足る高度な技術を備えているものの、実際どういう仕組みで出来ている仮想通貨なのかわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなイーサリアムの特徴や仕組み、将来性について一挙に解説します。
イーサリアム(ETH)とは
イーサリアムとは、2013年にヴィタリック・ブテリンというロシア人の青年によって開発された仮想通貨です。開発者のヴィタリックはなんと、当時19歳という若さでイーサリアムを開発しました。
ヴィタリックは現在もイーサリアムの開発チームの中心に関わっており、オミセゴー(OMG)などの他の仮想通貨プロジェクトのアドバイザーとしても活動しているため、名前だけでも覚えておくとよいでしょう。
また、イーサリアムというのはプラットフォームの名前で、そのトークンはEther(イーサ、ETH)です。
ビットコインが純粋に決済や送金を目的とした仮想通貨であるのに対し、イーサリアムは「スマートコントラクト」という技術を備えており、スマートコントラクトを利用した分散型アプリケーション(dApps)のプラットフォームとして作られた仮想通貨です。
イーサリアム(ETH)の特徴~イーサリアムとビットコインの違い
イーサリアムとビットコインそれぞれの特徴は以下の通りです。
イーサリアム | ビットコイン | |
機能 | プラットフォーム | 通貨 |
承認方式 | PoS(移行中) | PoW |
発行上限 | なし | 2100万枚 |
ブロック生成時間 | 15秒 | 10分 |
イーサリアムは、ビットコインと同じくプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を利用したブロックチェーンによって作られた仮想通貨です。ただし、異なる点も多くあります。
まず、ビットコインは発行上限が2100万枚と定められているのに対し、イーサリアムは発行上限が定められていません。
「発行上限が定められていない」のは、「発行枚数が無限」という意味ではないことに注意が必要です。現在のところ上限が決まっていないだけで、将来的には発行上限が定められることが予定されています。
また、ブロック生成時間は、ビットコインが約10分であるのに対し、イーサリアムは約15秒と、比較するとかなり早いことがわかります。
ブロック生成時間が短いことから送金が早く、送金にかかる手数料もビットコインと比べて安く済むため、マイクロペイメント(少額決済)に向いていると言われます。
イーサリアム(ETH)のスマートコントラクトの仕組み
スマートコントラクトとは
イーサリアムを語る上で絶対に説明しなくてはならないのが、スマートコントラクトです。
スマートコントラクトとは、簡単に言うと、「人の手を介さずに契約を自動かつ正確に実行する仕組み」のことです。言葉で言われてもなんのことだかわからないという方は、自動販売機を想像してみてください。
自動販売機による販売は、基本的に人の手を介しません(機械に商品を補充する人はいますが)。しかし、必要なお金を入れて商品を選択することで自動的に商品が出てきますよね。
これは、「お金を入れて商品を選択すること」と「商品が出てくること」が契約で決まっていると解釈することができるのです。
この契約に人の手は介されていませんので人件費など、人間が何か作業をすることでかかるコストを削減することができます。
これをブロックチェーンに応用し、様々な契約から人の手を排除することで効率化を図ろうというのが、スマートコントラクトおよびイーサリアムの狙いなのです。
このスマートコントラクトの利用シーンは多岐に及び、例えば不動産契約や、ギャンブル、レンタカーサービスなど、従来は必ず人の手を介していたものがすべて自動で行えるようになります。
加えて、ブロックチェーンの性質を利用することで、料金を支払ったのに契約が履行されないというような詐欺の可能性をなくすことができるのです。
イーサリアムのブロックチェーンはプルーフ・オブ・ワークを採用しているので世界中のマイナー(採掘者)によって監視されており、エクスプローラーによって透明性が保たれています。また、ブロックチェーンの性質として改ざん不可能性も当然持ち合わせています。
そのブロックチェーンの利点を利用して契約を自動化することで、コストを削減するだけでなく、詐欺に遭うリスクを小さくすることも可能になるのです。
スマートコントラクトを動かす燃料(Gas)とは
しかし、スマートコントラクトをブロックチェーン上で実行することも簡単なことではありません。
契約を自動化しているのにその手続きに間違いがあっては元も子もありませんから、正確さを保つためには膨大な計算が必要になりますし、イーサリアムに対して不正を働くために仕掛けられる攻撃を防ぐ必要もあります。
そうした問題を解決するために設けられている仕組みが、ガス(Gas)です。
イーサリアムでは、スマートコントラクトを実行するための燃料(ガス)として、少額のETHを取引時に消費するのです。すごく簡単にいえば、スマートコントラクトを利用するのに必要な手数料のようなものです。
ガス価格はイーサリアムプラットフォーム全体の利用状況などに応じて絶えず調整されているため、イーサリアムを送金したりdAppsを実際に利用したり際にはガス価格に注意が必要となります。
イーサリアムのガス(Gas)について詳しくはこちら
イーサリアム(ETH)の相場・価格・チャート
イーサリアムの相場や相場
イーサリアムは時価総額ランキングで長らくビットコインに次ぐ2位につけています。
2018年1月のリップル(XRP)の高騰の際に一時的にリップルに順位を抜かれ3位に転落しましたが、2018年3月4日現在は、リップルに倍以上の差をつけ再び2位につけています。
イーサリアムのチャート
過去およそ2年間のイーサリアムの価格の推移を表したチャートは以下の通りです。
2013年誕生の歴史の長い通貨であり、スマートコントラクトという画期的な機能を備えた最初の仮想通貨であるため、1年前の時点で約20ドルの価値を持っていました。
その後訪れたICOブームでは、イーサリアムベースで開発されたトークンの購入にETHが必要になるものが多かったためにETHの買いが過熱し、400ドル近くまで高騰します。
2017年12月にUBS銀行がイーサリアムの技術を採用することを発表したほか、今まで仮想通貨を保有していなかった新規ユーザーの流入や、ビットコインの送金詰まりのために代わりにイーサリアムが送金に利用されるようになったことなどの要因が重なり、2018年には1400ドル近い最高値をつけました。
2018年5月頃は価格が下落しています。これはアメリカ連邦政府がETHを証券とみなし、規制をかけることを検討しているという報道や、EOSがイーサリアム(ETH)を大量に売却したためと考えられます。
2018年後半は価格が下落傾向にありました。主な要因としてはICOの衰退やdApps(分散型アプリ)の実用化がなかなか進まないことが考えられます。
イーサリアム(ETH)が購入できる取引所おすすめランキング
イーサリアムを購入してみたくなった方も多いのではないでしょうか。イーサリアムは非常に需要や普及率が高い仮想通貨なので基本的にどこの取引所でもイーサリアムを購入することが出来ます。イーサリアムを購入するのにおすすめの取引所を紹介します。
【1位 BITPoint】
BITPointは取引手数料・送金手数料が無料であり、着金も早く行われます。また、スプレッドもほかの取引所と比較し、最安水準ですのでお得に取引することが出来るでしょう。
【2位 GMOコイン】
販売所形式のため、板取引なしで決まった価格で決まった数量を買うことができる点がポイントです。また、bitFlyer(ビットフライヤー)のイーサリアム販売所等と比較すると比較的安い価格で購入することが出来ます。
【3位 Bitbank】
Bitbankは手数料が安く、セキュリティも万全の取引所です。取引高は世界の中でも特に高く、よりお得にイーサリアムを取引するチャンスがあるといえるでしょう。
イーサリアム(ETH)の今後~イーサリアムのハードフォークって何?
イーサリアムは2013年に誕生した仮想通貨ですが、まだまだ進化を続けている仮想通貨です。
イーサリアムは誕生から今までに改良のためのハードフォークを繰り返しており、全4段階のアップデートによって完成する予定となっています。各段階には、Frontier(フロンティア)→Homestead(ホームステッド)→Metropolis(メトロポリス)→Serenity(セレニティ)と名前が付けられており、現在はメトロポリスの段階にあたります。
また、メトロポリスもByzantium(ビザンチウム)とConstantinople(コンスタンティノープル)の2段階に分かれており、2017年10月17日にビザンチウムハードフォークまで完了しています。
今2月28日に予定されているコンスタンティノープルハードフォークではセキュリティや匿名性の強化、マイニングアルゴリズムをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行する準備が行われることになっています。
そして最後のセレニティでマイニングアルゴリズムがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に完全に移行する予定となっています。
しかしマイニングアルゴリズムがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行することで、マイニング機材に多額の投資を行っていたマイナーは収益を得ることができなくなるため、利害関係の対立からブロックチェーンの分裂が起こることを危惧する声もあり、今後の動向に注目が必要です。
イーサリアム(ETH)と分散型アプリケーション(dApps)
先述の通り、イーサリアムは分散型アプリケーション(dApps)のプラットフォームとして作られた仮想通貨です。そのため、イーサリアムのブロックチェーン上にイーサリアムをベースとした新たなトークンを作り、dAppsとして動かすことができるのです。
このように、イーサリアムをベースとして作られたトークンのことを総称して、ERC20トークンと呼びます。
ERC20という名前ですが、20種類あるわけではなく実際にはもっと多くのトークンが存在します。
このERC20トークンは、イーサリアムをベースとして作られているのでマイニングアルゴリズムはイーサリアムと同じプルーフ・オブ・ワーク(PoW)であり、スマートコントラクト機能を引き継いでいます。
さらに、ERC20トークンは専用ウォレットを作らずともMy Ether Wallet(マイイーサウォレット)などのイーサリアムの専用ウォレットをそのまま流用できるなど、非常にメリットが多いことからよく利用されているのです。
イーサリアムは、ベースとなるブロックチェーンとして利用することで様々なアプリケーションを簡単に作り、利用できる画期的なプラットフォームなのです。
イーサリアムプラットフォームを使ったdAppsは既に多く作られており、実際に利用することが可能です。
有名なのは、イーサリアムのブロックチェーン上で子猫を育てるゲームの「CryptoKitties」や、「イーサごっち」の異名を持つ、たまごっちに似たゲームの「Aethia」でしょうか。
これらのように、イーサリアム上で手軽に利用できるdAppsが広まれば、イーサリアムネットワークが活性化し、ETH自体の価格も高騰していく可能性があります。
dAppsプラットフォームこそがイーサリアムの目指すところですので、dAppsの発展は今後も見守っていきたいところです。
イーサリアムの特徴・仕組み・将来性について、まとめ
イーサリアムはビットコインと異なり、プラットフォームです。ガスという燃料をもとにシステムが動いており、そのシステム上でdApps(分散型アプリケーション)が開発されています。
世界的に非常に注目されており、将来が期待される仮想通貨なので興味のある方はぜひ購入してみてはいかがでしょうか。