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OmiseGO(オミセゴー)が上場3カ月で35倍に高騰した理由

2017.09.28

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OmiseGOというトークンを知っているでしょうか。OmiseGOはOmiseというスタートアップ企業のICOでトークンとして発行されたものです。なんと上場から3か月で35倍にまで高騰しました。なぜOmiseの価格はここまで急上昇したのでしょうか。OmiseGOの特徴や世の中の背景的変化も含めて詳しく説明します。

世の中の決済サービスの変化

現在、世界中のインターネットの普及に伴って電子決済サービスが発展しています。

電子決済サービスとは、商品またはサービスの代価としてお金を支払う際に、硬貨や紙幣などの現金で支払うのではなく、電子データをやり取りすることで支払いを行うことです。日本でもスマートフォンやそれに伴う通信販売の普及をきっかけに電子決済サービスが広がっています。

そんな電子決済サービスを普及させるためのプラットフォームが電子決済プラットフォームです。現在、ブロックチェーンのビジネス利用やP2Pビジネスの流行をきっかけとして、VenmoやAliPayなど新しい決済プラットフォームが広がっています。

Venmoはペイパルが行っており、アメリカの若者に使用されているコミュニケーションのついたP2Pの決済サービスで、Alipayはアリババが行っている中国人向けの決済サービスです。両者とも商品の購入、公共料金の支払い、送金など、幅広い用途で使用されています。

このように、インターネットの普及によって広がった決済サービスは、さまざまなプラットフォームによって急速に発展しています。

決済プラットフォームの問題点

現在、多くの決済プラットフォームは独自ネットワーク内のみで決済を行っていています。これはセキュリティ等の保守という観点では有用なことではあっても、他の決済通貨と変換するときに手数料がかかってしまいます。

例えば、違う国というだけで複数の決済機関を経由するためにその手数料が膨大に膨らみ、少額のお金を送金するということが困難になってしまいます。加えて現在の決済プラットフォームの多くは、銀行口座がなくては送金などの取引ができない仕組みになっています。そのため、ビジネスにおいては非常に手数料がかかってしまうことや、銀行口座を持たない貧困層は決済プラットフォームを使用することができないことなどの問題が存在します。

OmiseGO の機能と特徴

上記の問題を解決するのが「OmiseGO(オミセゴー)」というプロジェクトです。

OmiseGO は、長谷川潤氏がCEOを務める「Omise」という会社が立ち上げたプロジェクトです。OmiseGOは銀行やブロックチェーンなど多方面の複数決済ネットワークを横断して接続する、ブロックチェーンを基盤にもつ決済プラットフォームです。

複数の決済ネットワークに接続することで、決済の際に発生する手数料をなくす(減らす)ことができます。そのため、貧困層で銀行口座がなくてもOmiseGOをもっていれば低コストで国際送金や小売り、公共料金の支払い、資産運用などさまざまな金融取引ができるのです。

Omiseは2013年にタイ、日本、シンガポール、インドネシアでベンチャーキャピタルから出資を受けてスタートアップとして立ち上がり、その後アジアに展開していきました。2016年『Forbes』に注目のフィンテック企業として取り上げられるほどの注目企業であり、SBIホールディングスやタイの銀行から出資を受けています。

2017年、決済プラットフォームビジネスに着手し、OmiseGOを立ち上げました。彼らによると2018年1月、3月ごろにはサービスの一部がスタートし、2018年の後半にはサービスのすべてが使用できるようになるといいます。

OmiseGOはさまざまな点で他のICOプロジェクトとは異なるとされています。1つはOmiseGoを運営している企業である「Omise」がすでにアジアで名の知れた企業であるということです。ICOは資金の足りない有名ではない企業が行うことが多いのですがOmise GoはSBIなど大手から出資を受けるほどに有名なベンチャー企業です。

2つめは、Omise Goが資金調達の上限額を決めていたことです。ICOを行って資金を集める際、普通は非常に高い上限額を定めるか、無制限とします。しかしOmiseGOは2500万ドルを上限としたのです。

3つめに、一般発売ではなかったことです。初めは一般発売する予定であったようですが途中で買い占め等が起こらないように「KYC」という本人確認の手続きを終えた人にのみトークンを売り出すという手法を取りました。

4つめは、OmiseGOのトークン(OMG)を所有している場合、ネットワークの運営を手伝うことで収入を得られるような仕組みを構築していることです。このように通常のICOとは少々異なる確実で安全な方法を取ったことが、よりOmiseGOのプロジェクトの信頼度を高めていったのかもしれません。

ICOとその後の値動き

OmiseGOのICOはすでに終わっています。2017年6月27日にICOを行い、7月14日には上場を果たしました。調達額は2100万ドルでした。

OmiseGOは7月14日に上場してからすぐに急激に値下がりしました。考えられる理由としてはICOを投機として買う人が多いため上場されるとすぐに売ってしまう傾向にあるということです。とりわけOmiseGOは一時期Air Dropという「一定額のEthereumを保有していた場合、一定額付与される」という方法をとって発行額を増やしていたために余計にOmiseGOを売る動きがあったということが考えられます。

一時期急激に値下がりしたOmiseGOですが、上場から3カ月たった現在、その価格はICO時から35倍に膨れ上がっています。ICO価格では0.2738ドルだった価格が現在は10.06ドルとなっています。(→ICOよりも上場後が狙い目? クラウドセール後の価格動向を探る!

なぜ値上がりしているのか

OmiseGOはなぜ値上がりしているのでしょうか。OmiseGOが値上がりしている理由としては上記で述べた利用の他に、以下の4つが考えられます。(2017年9月現在)

1.タイの中央銀行と対談したこと

2.タイのマクドナルドとタイアップしたこと

3.出資者にSMBCやSBIホールディングス等の大企業が名前を連ねていること

4.アドバイザーにイーサリアムの開発者のVitalik氏がいること

このように開発者、支援者を踏まえても盤石なプロジェクトであるとみることができます。

まとめ

ICO時から大幅に値上がりし、トレーダーたちの注目が集まっているOmiseGOですが、その機能はさまざまな決済システムを横断するプラットフォームを構築しているために、手数料が非常に安く、銀行が必要ないためにアジア諸国の決済システムとして有用であるということでした。

また、プロジェクトを構築している仕組みやメンバーが非常に盤石なものであり、その将来性に期待が集まっています。

ICOはプロジェクトに対してお金を投資するシステムです。プロジェクトとしてトークンをどのように活用していくのか、そして将来プロジェクトがどのように社会に価値を生み出していくのかに注目していきたいですね。

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