毎日更新!ビットコインはもちろん、暗号資産のことがよくわかる情報サイト

ICOよりも上場後が狙い目? クラウドセール後の価格動向を探る!

2018.12.13
有名仮想通貨、ICO後の価格推移を比較

<この記事(ページ)は 6分で読めます>

仮想通貨取引所で取引が開始する前の仮想通貨の販売、つまりICO(Initial Coin Offering)では、上場直後に大きく値上がりする可能性のある仮想通貨を、上場前に購入することで割安に手に入れることができます。仮想通貨市場全体が成長時期にあるため、短期的な値上がりを見越して世界中の人がICOに参加しています。

ところが最近のトレンドとしては、ICOで購入したトークンを、取引所に上場された直後に大量に売り払って短期的利益を得ようとする傾向が目立ってきています。

そのため、上場直後に価格が急落することが頻繁に起こるようになってきました。せっかくICOに参加してトークンを割安に手に入れたと思ったのに、ICO価格を割ってしまうといったケースもみられます。

そこで、今年2018年に資金調達額の大きかった5つの仮想通貨のICO価格と、それらの上場後の最低価格・最高価格の変動を調べてみました。
さて、ここから何がわかってくるでしょうか。

Envion

トークン名:EVN

ICO時期:2017/12/15~2018/1/17

調達額:1億5000万ドル

上場開始日:2018/2/16

ICO価格:1EVN=0.70ドル

初値:0.96ドル(+37%)

上場後最高価格:1.09ドル(2/16)(+56%)

上場後最低価格:0.02ドル(11/28)(-97%)

 

EVNの価格推移。

 

【解説】

Envionは、現状の特定の場所にマイニングをする企業が集まるという問題を解決するために生まれた仮想通貨です。

上場直後に価格がICO価格の1.5倍まで上昇したが、その後は価格が下がり続け、2018年11月29日時点ではICO価格を大きく割って0.03ドル付近を推移しています。

 

Huobi token

トークン名:HT

ICO時期:2018/1/24~2018/2/28

調達額:3億ドル

上場開始日:2018/2/4

ICO価格:1HT=1.52ドル

初値:1.49ドル(-2%)

上場後最高価格:5.97ドル(6/6)(+292%)

上場後最低価格:1.04ドル(11/25)(-32%)

上場後最低価格より後の最高価格への伸び:+474%(最高価格: 6/6、5.97ドル)

 

 

【解説】

Huobiは世界でも取引量の多い取引所の一つです。Huobi tokenはICO時点でとても注目を浴びていて、1秒で完売したようです。

注目を浴びていたにもかかわらず、上場価格はICO価格を割りました。その後価格は上昇しましたが、再び低迷し、2018年11月29日時点で1.13ドルとICO価格を割っています。

 

SwissBorg

トークン名:CHSB

ICO時期:2018/1/10

調達額:5000万ドル

上場開始日:2017/2/4

ICO価格:1CHSB=0.1ドル

初値:0.09ドル(-10%)

上場後最高価格:0.104ドル(+4%)(2/4)

上場後最低価格:0.005ドル(-95%)(11/28)

 

CHSBの価格推移。

 

【解説】

SwissBorgは資産の運用や管理を行うプラットフォームです。

上場価格はICO価格を割ってしまいました。その後少し値を上げましたが、すぐに価格が下がってICO価格を再び割ってしまいました。

2018年11月29日時点では、ICO価格を大きく下回る0.006ドル付近で推移しています。

 

TaTaTu

トークン名:TTU

ICO時期:2018/1/11~2018/1/30

ICO調達額:5億7500万ドル

上場開始日:2018/7/3

ICO価格:1TTU=0.25ドル

初値:0.60ドル(+140%)

上場後最高価格:0.87ドル(+248%)

上場後最低価格:0.11ドル(-56%)(2018/10/4)

上場後最低価格より後の最高価格への伸び:+91%(最高価格:10/28、0.21ドル)

2018/11/29時点でのTTU価格

 

 

【解説】

TaTaTuはHuluのようなビデオオンデマンドサービスです。ジョニー・デップとパートナーシップを結んだことで大きな話題となりました。

ICO後、徐々に価格が低下し8月7日に0.246ドルでICO価格を割りました。その後、急騰し最高値(ICO価格の約3倍)を出しました。ICOで買い逃した人も、このタイミングで買っていれば利益を得ることができました。

その後再びICO価格を割り、2018年11月29日現在0.1ドル付近で低迷しています。

 

Zeepin

トークン名:ZPT

ICO時期:2018/1/18

ICO調達額:6260万ドル

上場開始日:2018/1/31

ICO価格:1ZPT=0.13ドル

初値:0.17ドル(+30%)

上場後最高価格:0.19ドル(+46%)(2/1)

上場後最低価格:0.0055ドル(-48%)(11/28)

 

ZPTの価格推移。

 

【解説】

Zeepinは、クリエイターを育てるというコンセプトの下で生まれた仮想通貨です。

上場後はほぼ常にICO価格を割っていて、2018年12月6日時点では0.006ドルと、ICO価格を大きく下回った状態で低迷しています。

 

まとめ

2018年は注目の銘柄が次々とICOを行ったため、すでに2017年のICO調達額を超え史上最高に達しました。

誰もが大きな利益を目論むため、多くの人がICOに参加しようとします。そのため注目のICOほどトランザクションが混み合い申し込みができなかったり、買い占めされてしまい買いたい量のトークンが買えなかったりと、思い通りにいかない場合もあります。

そもそも、海の物とも山の物ともつかぬのがICO銘柄です。すべての銘柄が上場によって値上がりするわけでは決してありません。今回取り上げた仮想通貨のように、ICO価格を割ってしまっている銘柄がいくつもあるのです。つまり、ICOに参加したのに含み損を抱えている人が少なからずいるということです。

ここからわかることは、ICOに参加することよりも、上場直後に下落したときの価格で買ったほうが確実性が高いということです。そこから急騰する保証はどこにもありませんが、Huobi tokenやTatatuのように、いったん安値圏に下落しても再び上昇する銘柄は確実に存在します。

苦労してICOで手に入れた銘柄がICO価格割れしてしまうリスクを取るよりも、ICO後の安値圏で有望銘柄を物色するほうが、安全で確実な方法といえるのではないでしょうか。

 

【こちらの記事もおすすめです】

ICO の仕組みと参加(購入)方法

失敗しない ICOの選び方

※仮想通貨(暗号通貨)の投資にかかる最終決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。

関連記事

この記事のタグ