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ICO の仕組みと参加(購入)方法

2017.06.29
ICOの仕組みと参加方法

<この記事(ページ)は 9分で読めます>

仮想通貨について少し調べた人なら必ず聞く「ICO」という言葉。

特に、仮想通貨で投資を行いたいと考えている人は、とっても気になるワードなのではないでしょうか。

ここでは、ICOとはそもそも何なのか、参加するにはどうしたらいいのか、どのような点に注意したらいいのかを解説していきます。

ICO(クラウドセール)ってどんなものなの?

ICOの仕組みと参加方法

ICOとは「Initial Coin Offering」の略で、取引所で取引される前のコイン(仮想通貨)の先行販売のことです。

すでに取引所に公開されている仮想通貨は数多くあり、市場の評価を受けています。ビットコインイーサリアムなど、時価総額の大きいコインは高い評価を受けていますが、評価されずにほとんど価値のない忘れ去られたようなコインもあります。

そうした取引所に上場される前のコイン、株でいえば未公開株のような上場前のコインがICOという形で売り出され、企業やプロジェクトチームが資金調達をしているわけです。
株と違ってICOは、インターネットを通じて誰でも参加することができ、少額から投資できることが特長です。

上場前の企業またはプロジェクトは、株式ではなく、独自の仮想通貨を発行して資金調達します。この独自コインのことをトークンといいます。

この資金調達の方法は、クラウドファンディングの仕組みと似ていて、すべてはインターネットの中で完結します。

サービスを開始するための資金を集めるために企業やプロジェクトは、サービスに使われる技術やビジネスモデルを「ホワイトペーパー」と呼ばれるレポートにまとめ、周知します。

投資する人たち(コインを買う人たち)はそのホワイトペーパーを読んで、将来伸びそうか、投資する価値のあるサービスなのかを判断して、将来有望とみればトークン(独自コイン)を買います。

ICOを行う企業やプロジェクトは、まだサービスを始めたりプロダクトを開発したりはしていません。ですから、その企業の真の姿やサービスの価値や品質は、まだわかりません。

それにもかかわらず、最近の仮想通貨人気で全体的に価格が高騰しており、ICOで購入したコインが取引所に上場され、取引ができるようになったとたんに3〜20倍にも値上がりする事象が数多く起きています。

質の良いサービスの将来性を買って「投資」を行うことがICOの本来の趣旨ですが、現実的には、その値上がりを狙って、サービスや企業に「投資」するのではなく短期的な値上がりを狙う「投機」をする人が増えているのが現状です。

実際、最近のICOではたった数日で10億円以上を調達するプロジェクトがたくさん誕生しています。しかし、その中で実際にサービスを開始した(ローンチした)ものは、実は1つもありません。

価格だけが上がり、肝心のプロダクトそのものは実体がないというのは、不健全なバブル状態といえます。

また、イーサリアムをプラットフォームにしたプロダクトのICOが仮想通貨市場を賑わせていますから、当然イーサリアム自体の値段も上昇しています。

過去3カ月のイーサリアムの価格推移
イーサリアムチャート

出典:http://coinmarketcap.com/

現在、多額の資金を調達している数多くのプロジェクトが、はたして本当にサービスを開始するのか、あるいは取引所に上場するのか、それは未知数です。
また、値上がりを続けているイーサリアムは今後どうなっていくのか、動向を見守る必要があります。
なぜなら、イーサリアムを使用したICOがもし失敗すれば、イーサリアム自体の評価にもネガティブな影響を及ぼしてくるからです。

ICOの後、取引所に上場されるまでの期間は?

銘柄によってまちまちです。

具体的にいつから取引所で扱いが始まるのかは、ICOの時点ではわかりません。そもそも、上場すること自体が決まっていない場合も多いのです。

しかし、注目度の高い銘柄はICO終了後、数週間で上場する傾向があります。

どうすればICOに参加できるの?

ICOに参加するまでは、

1.    ICOの情報を探す

2.    銘柄に関しての情報収集を行う

3.    ICOに参加してコインを買う

というのが大まかな流れです。

各手順をより詳しく説明していきます。

1.ICOの情報を探す

ICOの情報を集めるには、「ICO Countdown」(http://www.icocountdown.com/)というサイトが便利です。

■「ICO Countdown」(http://www.icocountdown.com/
ICOカウントダウン

このサイトでは、ICOを行うコインの一覧を見ることができます。

また、「ICO-List.com」(https://www.ico-list.com/)というサイトではICOのコイン一覧の他に、過去にICOを行ったコインがどれくらい資金を調達したのかというデータを見ることもできます。

■「ICO-List.com」(https://www.ico-list.com/

ICO List

しかし、「ICO Countdown」や「ICO-List.com」はICOの日程をまとめているだけなので、銘柄の内容や質について保証しているわけではありません。
また、「ICO Countdown」や「ICO-List.com」には載っていない銘柄もあります。

海外の掲示板である「Reddit」(https://www.reddit.com/)やTwitterで「ICO」というキーワードで検索したり、日本語で情報発信している仮想通貨の投資家のブログを読んだりして、評判の高そうなICOの情報にアンテナを張っておきましょう。

2. 銘柄に関しての情報収集

優良なICOに参加したいのなら、さまざまなソースを使って情報収集する必要があります。

どのコイン(銘柄)がどの程度注目されているのか、その銘柄が評判の良いプロジェクトなのか判断するには、ツイッターやブログ・掲示板などを参考に情報収集するしかありません。

具体的には、

・公式サイトのアナウンスやニュース(英語)

・各銘柄のホワイトペーパー(英語)

・各銘柄が情報発信をしているSNS(Reddit・Slack・Twitterなど)(英語)

・仮想通貨ブロガーのブログ(日本語)

 

CRIPCYでも注目の銘柄については、いち早く最新情報やICOの参加方法についてお伝えしていきます。

3. ICOに参加してコインを買う

いよいよコインを購入します。

【ICOでは何で支払う?】

多くのICOでは、イーサリアムで支払いを行います。

というのも、現在開発されているブロックチェーン系サービスの大半がイーサリアムの技術をプラットフォームにしているからです。

ただし、イーサリアム以外のプラットフォームを利用したサービスも存在します。そういったサービスのICOでは、イーサリアム以外にビットコインやその他の仮想通貨で支払いを行います。

どのコインで支払いができるのか、公式サイトなどで情報収集を行いましょう。

ICOでコインを購入するまでの基本的な流れ

  1. My Ether Wallet(参考:マイ・イーサ・ウォレット作成方法)、Metamask、Mistといったウォレットに手持ちのイーサリアムを入れます。
    どのウォレットが使えるのかは銘柄によって違うので、必ず公式サイトでインストラクションを読んで確認しましょう。なお、コインチェックやPoloniexなどの取引所や、ICOを行う銘柄がサポートしていないウォレット(CopayやJaxxなど)から送金した場合、正しくコインを買うことができません。必ず公式サイトでサポートをすることを明記しているウォレットから送金しましょう。
  2.  ICOをしているコインの公式サイトで「Join ICO」または「Contribute Now」などのアイコンをクリックします。
  3. イーサリアムを送付するアドレスが表示されます。
  4.  My Ether Walletなどから、上記のアドレスにイーサリアムを送ります。
  5. My Ether Walletなどに、即日〜数日後に購入したコイン(トークン)が付与されます。

インストラクションはすべて英語で書かれていますが、基本的な流れは上記の①〜⑤になりますので、グーグル翻訳機能などを使えばそれほど困ることはないでしょう。

ICOに参加する上での注意点・リスク

投資にリスクはつきものです。成長市場とはいえ仮想通貨も例外ではありません。注意点をまとめておきます。

1.資金集め自体が目的で、プロジェクトを開始する気が初めからない詐欺コインの可能性がある

以下のチェックリストに当てはまるコインは、購入に慎重になったほうがいいでしょう。

チェックリスト

□公式サイトでホワイトペーパーがない、もしくはあってもいい加減な内容である。

□開発チームがSNS(Slack・Reddit・Twitterなど)で活発に情報発信を行っていない。

□RedditやTwitterなどで「詐欺」(Scams)などの警告が出ている。

もしくは、ICOの評価サイト(http://icorating.com/)で「SCAM」「RISKY」「NEGATIVE」などの評価が付いている。

ICO rating

2.詐欺プロジェクトではないきちんとしたプロジェクトでも、開発がとん挫したり、ハッキングにあって脆弱性が明らかになったりして、プロジェクトが消滅する可能性がある

例えば、「THE DAO」というプロジェクト。イーサリアムブロックチェーン上に成り立つ自律分散型の投資ファンドでした。ICOでは120億円を調達し、過去最高額を集めたプロジェクトとして注目されました。

しかし、2016年6月17日にダオの脆弱性をついたハッカーによって、ダオの資金プールの約50%の資金(当時のレートで約60億円)が不正に送金され、資金プールから分離されました。

盗まれたイーサリアムを取り返すことはできず、ダオのプロジェクトは結局解散してしまいました。

また、このハッキング事件によってイーサリアムはハードフォークを行い、「イーサリアム」と「イーサリアム・クラシック」に分裂するという結果になりました。

プロジェクト自体の価値や評判はもちろん、チームのメンバーの評判や技術的にしっかりしているのかなども重要な判断材料となります。

一般人が専門的なことまで判断するのは難しいです。そのぶん、「Reddit」や「bitcoin talk」(https://bitcointalk.org/)などの掲示板をはじめ、仮想通貨トレーダーのブログなどをこまめにチェックして情報を集めることが大切です。

3.必ずICO条件を確認すること

ICOで送金をする前に、必ず利用条件(Terms and Conditions)を確認しましょう。

銘柄によっては、購入したコイン(トークン)の制約(購入後、一定期間はウォレットから移動したり、売買したりできないなど)がある場合があります。

まとめ

ICOは5000円〜10万円の少額から誰でも参加できるという気軽さが良い点です。

また、仮想通貨市場は大きく拡大していますから「買って持っておけば必ず値段は上がる」という話を聞くことも多いでしょう。

しかし、まだ開発されていないプロダクトに投資をするということは、プロダクトがローンチしなかったり、プロダクトの質が悪かったりというリスクを負っているということです。
それをよく理解して上で、自己責任で行いましょう。

 

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※仮想通貨(暗号通貨)の投資にかかる最終決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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