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ビットフライヤーFXの仕組み~なぜ価格乖離規制(SFD)を行うのか?

2018.12.13

<この記事(ページ)は 9分で読めます>

国内取引所のbitFlyer(ビットフライヤー)を利用している人は多く、なかでもレバレッジ取引である「ビットコインFX」では活発な取引が日々行われています。

そのビットフライヤーでの取引において聞きなれない業界用語を耳にすることはありませんか。例えば、「価格乖離規制」。

メールの文面で目にしたり、取引の最中に「価格乖離規制」として利益から差し引かれ、損をしたような思いをした方も少なくないでしょう。今回はその「価格乖離規制」とはなにか、なぜ起こるのかということを説明します。

価格乖離規制(SFD)とは

価格乖離規制とは、ビットフライヤーにおいてFX価格と現物価格の乖離を抑える仕組みのことです。Swap For Difference(SFD)と呼ばれ、仮想通貨の相場に大きな影響を与えています。

ビットフライヤーでは価格乖離規制が実行されると、価格乖離を広げる注文をした人から手数料を徴収し、縮める注文をした人に付与するようになります。このようにすることで価格の乖離を縮めるのです。

※2018年2月から決済注文においては価格乖離を縮める注文をした人へのSFDの付与は無になりました。

価格乖離規制が実行されると、価格乖離が5%以上10%未満の場合は手数料が約定価格の0.25%となり、10%以上15%未満の場合は約定価格の0.5%15%以上20%未満の場合は約定価格の1.00%20%以上の場合約定価格の2.00%となります(2018年11月時点)。

価格乖離 SFD比率
5%以上10%未満 約定金額の0.25%
10%以上15%未満 約定価格の0.50%
15%以上20%未満 約定価格の1.00%
20%以上 約定価格の2.00%

例えば、現物取引でビットコインの価格が2,000,000 円のとき、Lightning FXの価格は2,300,000円15%以上の乖離が生じていたとします。このとき、Aさんが買い、Bさんが売りでLightning FXの取引市場で1BTC=2,300,000円の取引の約定(注文の成立)が発生した場合、価格乖離規制により以下の徴収と付与がなされます。

Aさん:建玉決済時に、23,000 円を SFD として徴収
Bさん:建玉決済時に、23,000 円を SFD として付与

そもそもなぜ価格の乖離が起こるのか

ビットフライヤーのLightning FXとは

ビットフライヤーではレバレッジ取引のことを「Lightning FX(ビットコインFX)」と呼んでいます。外国為替証拠金取引(FX)と同じ手法で取引することから、仮想通貨でも「FX」という名称をそのまま使っているようです。

ビットフライヤーでのビットコインのレバレッジ取引、つまりLightning FXは、証拠金を入れ、主に差金決済により、ビットコインを売買できるサービスです。証拠金と呼ばれるお金を取引所に預け、その金額に対してレバレッジ倍率をかけたお金を取引することができます。

Lightning FXの最大レバレッジ倍率は15倍ですから、最大で証拠金の15倍のお金を取引できるのです。自分の保有する資金のみで取引することを現物取引と呼びますが、現物取引と比較してより高いリスクでより大きな利益を得ることができます。取引所を運営するビットフライヤーの利益は主に手数料です。

なぜ現物価格とFX価格が乖離するのか

株式市場でもレバレッジ取引は行われていますが、現物価格と価格が乖離(かいり)することはありません。レバレッジをかけた取引であっても、通常の株式取引と同じ取引所で行っているためです。そのため、レバレッジをかけて取引数量を増加させることができても購入・売却金額は現物と同じです。

しかし、Lightning FXは、現物を扱う取引所とは完全に別の取引所になっています。現物取引所とLightning FX取引所の間でビットコインの行き来はありません。異なる取引所で取引を行っているため、それぞれの価格が独自に動く傾向にあり、FXと現物取引の価格が乖離することがあります。

2つの取引所間での乖離が大きくなると、「価格乖離規制(SFD)」が行われ、FX取引所と現物取引所のビットコインの価格差を是正しようとする力が働きます。

なぜFXの取引所のほうが価格が高い傾向にあるのか

価格乖離が起こることはわかりましたが、ではなぜLightning FXのほうが価格が高い傾向にあるのでしょうか。明確な理由はわかっていませんが、可能性として考えられる理由をご紹介します。

1. LightingFXの需要の高さ

ビットフライヤーは公式HPで、価格乖離規制を「価格が異なる Lightning 現物(BTC/JPY)と Lightning FX(BTC-FX/JPY)で需要に差がある場合に発生する」としています。

確かに、需要が高いと価格が上がるという市場の仕組みにあてはめて考えると妥当ではあります。

では価格が現物よりも高くなる傾向にあるLightning FXはなぜ現物より需要が高くなる傾向にあるのでしょうか。

2. ユーザーの性質

FXではユーザーはレバレッジをかけて実際の持ち金より高い金額を取引します。そのためより多くの利益を得ようと「強気」で買いに走る傾向があるようです。

また、FXの方が現物取引よりも短時間で数多くの取引を行う傾向にあるといえます。

このように、FXでは現物と比較して利用者が比較的「強気の買い」で何度も取引を行うために需要が増加し、価格が上昇したということが考えられます

なぜ価格乖離規制(SFD)が行われるか

価格乖離規制が行われる理由として2つの原因が考えられます。それは、

  • 現物価格とFX価格が連動しなくなり、ユーザーが離れる可能性があるため
  • 現引・現渡手数料を価格乖離差が上回り、取引所に損失が出てしまうため

ということです。

現物価格とFX価格が連動しなくなり、ユーザーが離れる可能性があるため

通常、現物価格とLightningFXの価格は連動するといわれています。そのため、トレーダーによっては現物価格、Lightning FXの価格を参考に今後のビットコインの価格変動を予測して購入する人も少なくありません。しかし、現物価格とLightning FXの価格が連動しなくなってしまった場合、ビットコインの価格変動を予測する材料が減ってしまい、結果的に顧客が離れてしまう可能性があります。

取引所に損失が出るため

価格乖離が非常に大きくなってしまう、具体的には20%を超えると取引所に損失が生まれる可能性があります。その理由はユーザーが20%以上の価格乖離の差額で得た利益を現物決済した場合、手数料20%を除いたその利益を取引所が負担しなくてはならなくなるためです。詳しく説明していきましょう。

Lightning FXで得た利益を決済する(取引所の売りポジションにあるビットコインを自分の手元に戻す)場合、2つの方法があります。反対売買による差金決済と現引・現渡です。

・反対売買による差金決済

反対売買による差金決済とは、FXの取引所に預けたお金とFXによって得た利益の差額を取引所に売ることで手元に利益(または損失)を得ることです。取引した現物を動かすことなく、取引の結果だけが残高に反映されます。

例えば、Lightning FXで1BTC=100万円のときに1BTCを買ったとします。次に1BTC=120万円のときに1BTCを売ったとします。この差額は20万円となり、結果としてその利益が口座に反映されます。

現物取引では実際に100万円支払ってビットコインを手にし、ビットコインを売って120万円を手にしていますが、Lightning FXでは取引中は実際にビットコインや円を手にすることはありません。取引が終了した後初めて差額となる円(この場合は20万円)を手にします。ここが実際に資金の取引を行う現物取引と異なるのです。ちなみに、ビットコインが手元に残らないため、ビットコインの送金も行うことはできません。ビットコインを保有し、送金したい場合は現物取引で購入することにしましょう。

・現引・現渡

差金決済とは異なる方法に現引・現渡があります。これは、決済を現物で行うというものです。現引とは、ビットコインの買い建玉分の料金をビットフライヤーに支払って、買い建玉を手仕舞い(決済して現金にし)、ビットコインを現物として保有し直すことです。現渡とは、ビットコインの売り建玉分と同じ数量のビットコイン現物をビットフライヤーに差し出すことでビットコインのショートポジションを手仕舞うことです。

つまり、手元にお金を残すことができなかった差金決済と比較して、現引・現渡は手元にビットコインを得ることができるのです。ただし、Lightning FXの現引・現渡には規制が存在し、

  • 手数料は加重平均約定価格×建玉数量×20%
  • 1週間に1度しかできない
  • 100BTCまでしか引き出せない

などといった規制があります。

この現引・現渡決済が有効だと、価格乖離が起こっている場合、ビットフライヤーにとって不利益になる可能性が出てきます。

例えば、価格乖離が30%で現物取引価格が1BTC=100万に対してFX取引価格が1BTC =130万だったとします。そこで現物取引所で1BTCを100万円で購入した後、FXにおいて1BTC=130万で売ります。この時、FXと現物の差額の利益は30万円です。この30万円を現引決済すると、ビットフライヤーの規則から、130万×20%で26万円の取引手数料が徴収されます。しかし、今回得た利益は30万円でしたので、取引手数料を徴収されたとしても4万円の現物利益が出ます。

この、価格乖離が20%を超えた分のユーザーの利益はビットフライヤーが補てんするものと考えられます。つまり、価格乖離が20%を超えるとビットフライヤーにとっては損失となるということが考えられるのです。

価格乖離規制(SFD)が行われた場合に市場はどうなるか

ビットフライヤーは通常価格乖離規制を行う際、事前にtwitterやメール等で利用者に通告を行います。通告を行った結果、FXでの価格が非常に下がり、価格乖離が縮小する傾向にあります。例えば1月15日にビットフライヤーは1月中にLightninghFXで価格乖離規制を行うことをtwitter上で通告しました。(実施はしていません)

すると、LightningFXの価格の値動きは大幅に下落。結果的に価格乖離規制は30%→17%まで下がりました

価格乖離規制の通知によって追加の手数料が発生することをユーザーが恐れたため、価格が下落したものと思われます。この場合、価格乖離規制が実際行われたわけではありませんが市場が敏感に反応したようです。この他の価格乖離規制の通知に対しても同様の反応がみられます。

ビットフライヤーの価格乖離規制(SFD)について、まとめ

価格乖離規制は現在、ビットフライヤー独自のものですが、今後他の取引所でも同様の問題や規制が発生することが考えられます。また、価格乖離規制の影響はFXのみならず、現物、仮想通貨市場全体に影響することが考えられます。普段から取引所の動向やFX、現物価格に注意を払っておきましょう。

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