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ウィンクルボス兄弟とは?ビットコインビリオネアの野望

2018.06.16
ウィンクルボス兄弟とは?ビットコインビリオネアの野望

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アメリカのビットコインビリオネア番付上位にランクインするエリート兄弟、ウィンクルボス兄弟をご存知でしょうか。

2010年に公開された映画「ソーシャル・ネットワーク」で、マーク・ザッカーバーグのハーバード大時代の同窓生であり、宿敵として描かれたボート部のエリート兄弟、といえばすぐに思い出す人が多いのではないでしょうか。

ウィンクルボス兄弟とはいったい何者なのか、何故有名になったのかについて調べてみました。

ウィンクルボス兄弟とは

ウィンクルボス兄弟~ビットコインビリオネアの野望~

世界トップクラスのビットコイン保有数を誇り、現在もなお進化し続ける仮想通貨業界で重要な役割を果たしているウィンクルボス兄弟の生い立ちや経歴について見ていきましょう。

1981年、ニューヨーク州、サウサンプトン生まれのキャメロンとタイラーは一卵性双生児です。

父親であるハワード・ウィンクルボスは、全米屈指のペンシルバニア大学ウォートン校の教授であり、資産70億のクライアントにアドバイスをするウィンクルボス・コンサルタンツの代表でもあります。

まさにアメリカの上流階級の家系で育ったウィンクルボス兄弟は、揃って2000年にハーバード大学に入学します。

ハーバード大時代ではボート部に所属し、2008年の北京オリンピックで6位というトップアスリートとしての能力も発揮しています。

この大学時代に出会ったのが、後に宿敵となるマーク・ザッカーバーグです。

ウィンクルボス兄弟とマークとの関係が、のちの“facebook”誕生のきっかけになるのです。

マーク・ザッカーバーグとの出会い、ビットコインビリオネアへ

ウィンクルボス兄弟は、ボート部時代、すでに現在の”facebook”の原型となる、学生間コミュニケーションサイト”Harvard Connection”(後にConnectUに改名)の構想を作りはじめていました。

大学内で卓越したプログラミング能力を持つマーク・ザッカーバーグの存在を知ったウィンクルボス兄弟は、ザッカーバーグにコミュニティサイトの作成を依頼します。

ザッカーバーグは、“Harvard Connection”のアイディアをヒントに自身でソーシャルネットワーキングサイト、“The facebook”を立ち上げます。

マークは徐々にサイトの範囲を拡大し世界中の人が利用する現在の“facebook”へと成長を遂げたのです。

2004年、ウィンクルボス兄弟は“facebook”にアイディアを盗まれたとしてマーク・ザッカーバーグに対して訴訟を起こました。

約6年間の係争の末、彼らは和解金として6500万ドル(約75億円)を手にすることに成功します。

この和解金を基に、彼らはビットコインへの投資を始めたのです。

彼らがビットコインに投資を始めた2013年当時、1BTCは約120ドル(約12,000円)ほどでしたが、2018年6月8日時点のレートで1BTC は約7,000ドル(約80万円)まで上昇しています。

ウィクルボス兄弟が2013年に投資した額は11,000ドル(約12億円)でしたので、現在は約10億ドル近くまで上昇していることになります。

ウィンクルボス兄弟のビットコイン保有数は世界トップクラス

2018年、ウィンクルボス兄弟はフォーブスが発表した「世界の仮想通貨長者番付」ランクインしました。
彼らの資産は実に11億ドルとも言われています。

クレディスイス銀行の統計によると、世界中のビットコインの97%は4%のアドレスによって保有されているそうです。
仮想通貨長者番付には、リップルの共同設立者であるクリス・ラーセン氏やバイナンスCEOの趙長鵬氏など錚々たる顔ぶれががランクインしています。

ランキングの詳細は以下の通りです

http://www.businessinsider.com/bitcoin-billionaires-forbes-richest-people-in-cryptocrrency-2018-2#12-dan-larimer-blockones-35-year-old-chief-technology-officer-who-helped-found-three-blockchain-platforms-is-worth-600-million-to-700-million-2

ウィンクルボス兄弟の仮想通貨業界での挑戦

ウィンクルボス兄弟はただじっとビットコインを保有していただけではありません。

ビットコイン市場を成長させるために自ら様々な挑戦をしていきます。

自身の取引所Geminiを開設

ウィンクルボス兄弟は2015年10月にアメリカを本拠地とする仮想通貨取引所「Gemini」を設立しました。

「Gemini」は、世界的に有名な取引所からは取引量では劣るものの、一般投資家から機関投資家まで幅広い層をターゲットにした臨機応変なサービスを展開し、米ドルとビットコインの取引シェアの大部分を占めています。

諦めきれないビットコインETF化計画

アメリカでは近年、ビットコインのETF化の試みがなされています。

ウィンクルボス兄弟は、その中でいち早くビットコインETFの上場を試みた人物です。

ビットコインETF とは、簡単に言うと、ビットコインを使って資金を運用する投資信託を取引所に上場させようとする試みです。

国から認可を受けた証券取引所でビットコインETFを上場させることにより、未整備な取引環境のリスクを減らし、機関投資家からの莫大な資金流入を視野に入れた試みと言えます。

ウィンクルボス兄弟は,“Winklevoss Bitcoin Trust” というETFの上場を目指してSEC(米国証券取引委員会)に申請を続けており、市場も注目をしていましたが、2017年3月にSECは上場申請を否決しました。

これを受けてビットコインは当時15%ほど下落しました。

ところが、2017年4月、否決からわずか1か月後にSECは、否決を見直し再審をすると発表しました。

ビットコインETFの上場はビットコイン価格を押し上げるプラス要因になることは確実とされていますので、今後のウィンクルボス兄弟のビットコインETF計画の動向は引き続き注目を集めそうです。

ブロック取引で法人投資家に安心感広める

ウィンクルボス兄弟はビットコインの大幅な価格変動を抑えるために、自身の運営する仮想通貨取引所「Gemini」で、2018年4月 ブロック取引のサービスを導入しました。

ブロック取引とは、大口投資家が大量売買を直接市場で取引すると起きる、大幅な価格の乱高下を防ぐために、市場の外で相対取引を行い、10分後に取引履歴が公開される仕組みです。

価格変動が激しい仮想通貨に法人投資家にも安心して投資してもらえるような環境づくりを推進しました。

Zキャッシュ上場でメジャー取引所の仲間入り

2018年、ウィンクルボス兄弟の運営する取引所「Gemini」は、ジーキャッシュ(Zcash)の取り扱い開始を発表しました。

ジーキャッシュ(Zcash)とは、支払いの匿名性の保護に優れた仮想通貨です。

その特徴から「匿名通貨」とも言われています。

代表的なブロックチェーンを使った暗号通貨であるビットコインのように、取引履歴が世界中のユーザーに閲覧可能とされるのではなく、取引の送信者、受信者、その値のすべてを自動的に隠すことができます。

正確な閲覧キー(ビューキー)を持つ人だけが内容を見ることができる仕組みになっています。

このような匿名性を持つジーキャッシュは1000種類以上ある仮想通貨の中でも15位前後にランクインし、今後も注目される仮想通貨の1つです。

ETP特許取得で仮想通貨市場拡大に貢献

2018年、自身の経営するウィンクルボスIP社名義で、仮想通貨を含む上場取引型商品、ETP(Exchange Traded Products)の取り扱いに関する特許取得に成功しました。

ETPとは、ETF(Exchange Traded Funds/上場投資信託)、ETN(Exchange Traded Note/上場投資証券)、ETC(Exchange Traded Commodities/コモディティ上場投資信託)の総称です。

ETPの仮想通貨市場参入にはまだ時間がかかるものの、米国経済に大きな影響を与えることは必至です。

仮想通貨市場の自主規制団体設立をめざす

2018年、ウィンクルボス兄弟は、仮想通貨業界に対する自主規制団体の設立を提言しました。

正式な法整備が確立するまでの期間、自主的な業界規制をつくることで、市場の秩序と健全性を維持することが狙いだと思われます。

ウィンクルボス兄弟の相場予想

ウィンクルボス兄弟は、ビットコインを一度も換金することなく保有し続けているとも言われています。

彼らはメディアにも多く語っているように、ビットコイン相場は今後も上昇を続けると考えており、将来的にはビットコインの価値は現在の40倍に上昇するとも語っているそうです。

ウィンクルボス兄弟の影響力は増すばかり

これまで見てきたように、ウィンクルボス兄弟は仮想通貨に早い時期から多額の投資を行い多額の利益を上げることに成功しました。

投資家としての先見の明を持っていることは言うまでもありません。

しかし、自己利益の追求にとどまることなく、自身の取引所「Gemini」の設立を通してETP特許取得、自主規制団体の提言など、仮想通貨市場への資金の流入の促進と市場の拡大をねらいとする多くの試みを続けています。

最近では、2018年4月には、「Gemini」はナスダックとの提携を発表するなど、今後も彼らの試みは仮想通貨市場に大きな影響を与え、業界に変革を起こす重要人物として、その動向が注目されるでしょう。

参考サイト:
https://coinotaku.com/?p=13482#1
https://minnkane.com/news/7138
http://www.businessinsider.com/bitcoin-97-are-held-by-4-of-addresses-2018-1
https://www.vanityfair.com/news/2017/12/the-winklevoss-twins-have-mark-zuckerberg-in-their-sights
https://www.coindesk.com/the-winklevoss-brothers-have-won-a-crypto-etp-patent/
http://virtualmoney.jp/I0003139

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