韓国の仮想通貨取引所97%が破綻の危機
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韓国メディアBusiness Koreaによると、韓国国内の仮想通貨取引所の97%が取引量の減少により破綻の危機に瀕しているいるとのことです。
2017年末時点では、世界の取引量の20%を占めていた韓国の取引所は、2018年以降国内環境が激変し、仮想通貨プロジェクトの海外流出が相次いでいるとのことです。
2017年に営業を開始したCoinnestは取引量減少を理由に今年4月に閉鎖しました。
また、今年1月に立ち上げたばかりのPrixbitも7月に閉鎖を発表し、批判を浴びているとのことです。
実名登録システムの導入により進むユーザー離れ
プロジェクトの国外流出の背景には、韓国の取引所に対する規制強化とユーザー離れの現状があるといいます。
2018年1月に、韓国政府による仮想通貨口座の実名登録システムが施行されました。
これは国内の仮想通貨の匿名取引を禁止し、仮想通貨取引所の顧客口座の引き受けの際に、銀行に口座の実名化を義務付けたものです。
対応に迫られた銀行はUpbit、Bithumb、Coinone、Kobitの大手4社のみに対応し、国内の多くの中小取引所への対応は未だなされていない状況とのことです。
これにより、これら大手4社を除く取引所で投資家の韓国ウォンでの入出金ができなくなっています。
一方で、対応が実施された大手4取引所でも、税金のトラッキングを恐れた投資家が実名登録への移行を拒否し対応が遅れています。
仮想通貨プロジェクトの国外流出
これらの影響が韓国の仮想通貨市場での悪循環を作り出し、ユーザーの撤退が増加、通貨の出来高の著しい低下に繋がり、これを懸念したプロジェクトが次々と海外へ流出しているとのことです。
本人確認(KYC)における規制強化を図った韓国政府の方針が、仮想通貨取引所の閉鎖や国外への流出を招いたかたちになっています。
報道によると、取引量において世界トップ100に入る韓国の仮想通貨取引所は5〜6社しかないとのことで、国内の97%の取引所が出来高不足を理由に経営破綻の危機にさらされているとのことです。
韓国政府が危機的状況にある韓国仮想通貨市場の資金流出をどのように食い止める方策を打ち出すのか、今後の対応には注目が集まります