IRS フォートナイトのゲーム通貨を最終的に仮想通貨と認めず
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米国の内国歳入庁(IRS)が人気ゲームのフォートナイトのゲームトークンを交換可能な仮想通貨の例から削除したとのことです。
今回分類は、納税者は仮想通貨で取引をしたかどうかを報告することを義務付けられることなるため重要な改定と言えます。
今回、例として削除されたトークンは、フォートナイトのVバックス(V-bucks)とブロックスのロバックス(Robux)とのことです。
改定されたガイダンスにはビットコインについての記載のみとのことです。
V-バックスとRobuxは仮想通貨の例にあてはまらない
フォートナイトとロブロックスの利用者は3億人以上に上ります。
これら2つのゲーム通貨が「仮想通貨」とみなされれば、数百万人の米国人ユーザーが納税の際に新たに申告をすることが必要になります。
IRSの納税申告書では、2019年に仮想通貨の受け取り、売却、交換、金銭面での関わりの有無を報告することが求められています。
IRSは、仮想通貨について交換可能な価値、価値の尺度、もしくは歌詞保存の手段として機能するデジタル化された価値として定義しています。
交換可能な仮想通貨については、「リアル通貨で同等の価値を持ちリアル通貨の代替として機能するもの」としています。
フォートナイトを運営するEpic Gamesの広報担当者は、これらの条件はいずれもゲーム通貨に当てはまらないとし、IRSに対して苦言を呈していました。
「V-bucksはユーザー間でデジタル取引をすることはできないし、米ドルやユーロなどその他の法定通貨や仮想通貨と交換することはできません。」
Robloxの代表者も同様のスタンスを示しましたが、特定の条件下では法定通貨との交換が可能であると指摘しています。
13歳以上で最低10万バックスを保有しているロブロックスのプレミアム会員は、Robuxを米ドルに変えることが可能とのことです。
また、トランザクションは自動的にIRSに提出されるとのことです。
米国の仮想通貨に関する課税改革
米国の税務当局は仮想通貨による脱税を減らすために最近、大きな改革を推進しています。
納税申請用のフォーム1040には現在次の質問が記載されています。
「あなたは、2019年中に仮想通貨を受け取ったり、もしくは取引または投資利益によって仮想通貨を獲得しましたか?」
ゲーム通貨を仮想通貨に分類すれば、多くのユーザーがこの質問に対して「Yes」と書かなくてはならなくなります。
しかし一般的には、ゲーム通貨を所有することによる利益はほとんどありません。
この申請書により25万ドルまでの罰金を課すことが可能なことを考えれば、この方法は仮想通貨ユーザーに対して彼らの利益を報告することを強制することになります。
仮想通貨課税基準の分類はいまだ不明瞭
仮想通貨の課税についてはいまだに不明瞭な部分が多く、世界各地の規制当局が様々なアプローチを試みています。
フランスでは仮想通貨から仮想通貨への取引は課税対象になっていません。
最近、仮想通貨の少額取引の税務申告を免除することで、仮想通貨をより簡単で利便性の高い決済方法にしようとする新たな法案が米国議会に提出されました。