Libraウォレットに競合 ZenGoウォレットとは?
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リブラの発表からわずか2週間で、イスラエルの新興企業ZenGoがLibra対応ウォレットのオープンソースコードを公開しました。
Facebookのリブラ開発が発表された際に、Facebook CEOのDavid Marcus氏が「今後、リブラ対応ウォレットはCalibraと競合するようになるだろう」と発言しましたが、まさにその通りになりましたね。
ZenGoウォレットは、Calibra意外の選択肢としては初めてのウォレットです。現在はまだLibraのテストネットでのみ使用可能で、ユーザーインターフェースはありません。
Calibraのウォレットは本当に「お金の自由」をもたらすのか?
CalibraはFacebookの子会社で、Libra向けのデジタルウォレットを最初のプロダクトとしています。
MessengerやWhatsAppおよび専用アプリで使用することができ、来年2020年のリリース予定です。
使用イメージは、Libraを送受信するだけでなく、商品代金の決済はもちろん、将来的にはバーコードスキャンでお買い物や公共交通機関を利用できるようになるようです。
日本でも持っている人が多い、お財布ケータイようなものと言ったところでしょうか?
ただこのウォレット、Libraの掲げる「銀行口座を持たない世界の人々にお金の自由を」というミッションに合っているのかと疑問も持たれています。
というのは、Calibraはいわゆる「カストディアル・ウォレット」であり、銀行口座を所有しない人がLibraを使う時、政府が発行するIDが必要とするからです。
つまり、銀行口座を所有しない人にはIDが発行されないのでは?と懸念されているのです。
ZenGoウォレットは非カストディアル
そこで今回リリースされたZenGoウォレットは、Calibraとは違って非カストディアルで、プライベートキーの要らないキーレスウォレットです。
ZenGoの得意とするTSS(Threshold Signatures Scheme)と言われる技術を使ってキーレスを実現しています。
ZenGoのCEO、Ouriel Ohayon氏は、これこそがリブラのユーザーにとってキー管理の負担を軽減するアイデアであると述べています。
リブラが広く普及するには、バックアップやキーの回復、さらには複数の署名の作成に対処することが必要となります。
しかしTSSベースのウォレットを提供すれば、ユーザーは、ノンカストディアル・ウォレットでありながら、カストディアルグレードのウォレットを持つことが出来るようになります。
リブラユーザーにとって、カストディアル、ノンカストディアルの両方を選択できるようにすることは必要ではないかと提案しています。
今後の開発にいち早く一石を投じたZenGoのリブラウォレットに期待できますね。
どんなインターフェースになるのかも楽しみです。