SEC 未登録証券のICO実施の容疑でKikを起訴
2019.06.05
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米国証券取引委員会(SEC)が、2017年にICOで独自通貨KinのICOを行なったカナダのチャットアプリKik社を、1億ドルの未登録証券を発行したとして起訴したことが発表されました。
先週、Kik社はSECを直接告訴する方針を明らかにしたばかりで、今度はSECからの起訴となったため、今後は仮想通貨業界に大きな影響を与える裁判が始まることが予想されます。
Kik社 資金繰りに窮してICO実施か
SECによると、2017年にKik社は同社製品のメッセージアプリ事業の不振から資金繰りが苦しくなっており、損失額は年間平均で3000万ドルにものぼっていたとのことです。
このためKik社はICOを実施してKinトークンを発行し「需要が高まるにつれてトークンの価値が上がる」などと主張し、富裕層の投資家に対してKinトークンを割引価格で販売し5500万ドルを稼いだとしています。
証券法の規制対象項目
SECはKik社が投資家に対して、将来の利益を約束したことが証券法の規制対象に当たると指摘しています。
また、Kik社がICOを行なった際に、投資家に対して十分な情報を提供しなかったことも問題視しています。
SECの担当者は、Kik社は情報に基づく投資判断をするという投資家の権利を損ねたと述べています。
Kin価格は下落
Kinトークンの直近の取引価格は、ICOで投資家が払った価格の半分以下になっているとのことです。
SECのKik社に対する起訴の発表を受けて、Kin価格は2時間以内で25%下落しています。