ベトナムにスマートシティ構想、次のブロックチェーンハブへと期待
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ホーチミン市(HMC)は、スマートシティ構築にあたり、潜在的リスクを最小限に抑える為、ブロックチェーンテクノロジーに関連する規制の枠組みと政策を作り上げていくことを計画しています。
ベトナムの政治を司っているHMCの人民委員会の副議長Tran Vinh Tuyen氏は、
「HCM市は科学や技術を応用するプロジェクト、特に、市の諸問題を解決したり、スマートな都市開発の為にAIを使用することを最優先にします。」
と、述べました。
ブロックチェーン・スタートアップは優遇される
Tuyen氏は、先週金曜日にサイゴン・ハイテクパークで開かれた年次会議の講演で、ホーチミン市は、国内におけるブロックチェーンアプリケーションのロードマップを構築する、と述べました。
また、科学技術省は「2025年までに革新的な国家新興エコシステムを支援する」と称する新しいプロジェクトを通してブロックチェーン・スタートアップに優先して支援を与えるとも発言しました。
同市の情報通信局の副局長であるVo Thi Trung氏は、ブロックチェーンは公共サービスや都市管理に利用できると述べました。
そして、スマートシティを構築するには、デジタル行政を構築するためのテクノロジー基盤ソリューションが必要だとも付け加えました。
サイゴン・ハイテクパークの取締役会会長を務めるLe Bich Loan氏は、2008年頃のアメリカで世界規模のリーマンブラザーズ金融危機が起こり、その後にブロックチェーン技術が登場したと話しを始め、
「ブロックチェーンの発明は金融取引システムをより効率のよいものにしました。金融機関、商業銀行や中央銀行のような仲介機関を介さずにオンラインで当事者間の支払いをすることができるため、透明性が高く、よりシンプルになりました。」と、述べました。
その後10年の開発を経て、ブロックチェーンは今やスマートシティの安全な通信プラットフォームを構築するために利用できるようになりました。
それによって、より良い公共サービス、および電子政府、都市交通、インフラのニーズなど、利用可能なリソースを最適な利用で提供します。
ハイテクパークの取締役会とHD KING Technology World Co.Ltd.は、HCM市のスマートシティ計画の開発をサポートする、ブロックチェーン技術及びAIの促進をするための覚書(MoU)に署名しました。
さらに、インキュベーターセンターが、韓国のCBAベンチャー企業とMoUに署名しました。これは、ブロックチェーンテクノロジーの技術移転と人材育成にフォーカスをあてるものです。
ブロックチェーン開発のニューリーダー
Asia Blockchain Reviewによると、ベトナムはブロックチェーン技術の分野で新たなリーダーとなったと報じています。
昨年のベトナム・ブロックチェーン・ウィーク・カンファレンスには2000人以上が来場し、ブロックチェーンコミュニティが国内で順調に成長していることを示しました。
ベトナムは、インターネットユーザー、ソーシャルメディアユーザーおよびスマホユーザーの数で世界トップ20に入っています。
そして、若者人口、高速インターネット開発、および電子決済の増加はベトナムにブロックチェーン技術を有利にする要因でもあります。
ただし、企業や消費者の新しいテクノロジー使用への抵抗を変えるなど課題が存在します。
また、ベトナムには、融資、フィンテックやデジタル資産管理などの新しい技術ベースのビジネスモデルを監督する国としての特定の枠組みがありません。
AI、ブロックチェーンおよびビッグデータでの製品開発とサービス開発をするための質の高いスタッフが国内に不足しています。
科学技術省は、「20205年までに革新的な国家新興エコシステムを支援する」というプログラムを通じて、ブロックチェーン・スタートアップへの優先権を与える方針です。
持続可能なブロックチェーン・エコシステムを構築するには、インキュベーター、アクセラレーターおよびコミュニティ・ビルディングを含むすべてのメジャープレーヤーが拘わる必要がある、と専門家は述べます。
ベトナムは東南アジアおよび世界で、次なるブロックチェーン・ハブの一つとして出現する可能性があり、巨大な暗号通貨取引と強力な労働力のお陰で、外国投資の誘致を助けるでしょう、と雑誌Forbesでは述べています。
ブロックチェーン技術は、誰でも閲覧できたり読めるトランザクションの共有記録です。
改ざんを防ぐためのロック方式が採用され、ブロックチェーンを安全なものにしている、と専門家は述べます。
スマートシティ構築、およびブロックチェーン・ハブ時期候補としてのホーチミンの今後の展開にも注目しましょう。