リブラサポートのVisa、デジタル資産管理会社Anchorage(アンカレッジ)に戦略的出資
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世界のクレジットカードのリーディングカンパニーであるVisaは、Facebookリブラの参画でも有名ですが、機関投資家向けにデジタル資産管理をするAnchorage(アンカレッジ)にあらたな戦略的出資をすることを最近発表しました。
Visaが暗号通貨スタートアップに投資するのは、4年前のChainに対して以来2度目となり、自社のグローバル戦略に適合していると高く評価しているようです。
アンカレッジは、次世代型のセキュリティ技術で従来から利用されているオフラインの資産管理(コールドストレージ)に代わるものを提供する、という従来にないサービスで出資者たちを魅了したようです。
VisaとBlockchain Capitalらベンチャーキャピタル、43億円出資
Visaは、暗号通貨を中心としたベンチャーキャピタル会社のBlockchain Capitalと共同で、アンカレッジの資金調達ラウンド2回目となる(シリーズB)、約4000万ドル相当(およそ43億2000万円)を運営しました。
Visaの拠出額やアンカレッジの私的評価の正確な規模は明らかではないようです。
アンカレッジは2017年に、カリフォルニアのベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)主導の1回目の資金調達ラウンド(シリーズA)で1700万ドル(現在の換算で約18億3600万円)を調達し、これまでに集めた資金は5700万ドル(約61億5600万円)に達しています。
そしてまたこのアンカレッジもリブラ協会の一員という点も注目したいところです。
アンカレッジは、Facebookのリブラ協会の28社に加わってそのロゴを並べるまでは無名の企業でした。
今回のラウンドで共同主導したVisaは、
「Visaは、成長するデジタル資産のエコシステムに安全なインフラを提供するために取り組んでいるアンカレッジのような企業を支援することに関心があります。アンカレッジは、一連の新しい金融サービスをサポートする基盤を築いています。」
と述べ、新興のフィンテック企業と提携して投資するというVisaの掲げるグローバル戦略に一致していると主張しています。
次世代型セキュリティ設計のカストディ
アンカレッジの提供するデジタル資産管理(カストディ)は、暗号資産にとって次世代型の設計となっているのが魅力のようです。
オンラインのホットウォレット、オフラインで管理できるコールドウォレット、とホット&コールドの言葉で資産管理の方法が表現されています。
どちらもメリットとデメリットがありますが、従来のコールドストレージでは、将来的に要求を満たさなくなり、非流動的になる恐れがあるため、アンカレッジの提供する代替技術が必要だと感じている、と共同出資者のBlockchain Capitalも述べています。
それは、バイオメトリックベースのソフトウェアと複数の承認および人間によるレビューのシステムを併用しているため、投資家が所有する資産へのアクセスと管理を強化し、尚且つ、自由にそして積極的に暗号通貨ネットワークに参加できるようになるのです。
まさに、両方のメリットを併せ持つ次世代のストレージと言えます。
また、Visaはこれまでも暗号資産市場でもブロックチェーン企業ともパートナーシップを構築しており、新たな決済フォームに自らを溶け込ませようとしているようです。
クレジットカード業界の枠を超えてその活動範囲を拡大しようとするVisaの躍進は、今後も数々のニュースにその名を挙げてくると思われます。