ビットコイン 600万円超え。これからどうなる- 価格高騰のワケ
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今年になってもぐんぐん伸び続けているビットコインですが、このブルトレンドに元気づけられている人も多いのではないでしょうか。
1月の400万円突破もニュースでしたが、今月(2月)は500万円超えも達成。執筆現在はなんと600万円台(58,000ドル)のレンジにいます。
次の超えるべき壁かと思われていた50,000ドル、それどころか、51,000ドルを軽く超えて60,000ドルに向かって伸び続けていました。
本日2月22日は、下がっているように見えますが、日本の取引所では上昇中です。
(出典 https://coinmarketcap.com/currencies/bitcoin/)
1週間もたたないうちに、ビットコインは次のステージに駆け上がりました。
現在のところ(2021.02.22)ビットコイン価格は57,200ドル(約600万円辺りで推移していますが、昨日のピークで58,258ドル(約610万円)に達しています。
今回はどこまで上がるのでしょうか、以前からいくつもの予想記事が飛び交っていますが、
シンプルに上昇の材料となった事柄と、今後どうなっていくのか期待を込めた予想を拾ってみたいと思います。
いつからこの上昇が始まったのか?
チャートを見る限り、12月に入ってから大きく動き出したように見えます。
米国大統領選の後もごたごたが続き、ようやくバイデン氏への政権移行が正式となる明るい兆しが見えてきた頃でもあり、同時にその新体制が暗号資産のマーケット発展に追い風となる、と期待が高まりました。
コロナ禍も1年がたとうとする2021年元旦は、年末からの200万円(2万ドル)超えで勢いづき300万円も到達しようとする勢いで伸びていました。
下記チャートで確認できる通り、1月3日のCoinMarketCapチャートでは33,690ドル(約340万円以上)、2月を目前に40,000ドル(約412万円以上)の壁にタッチしたかと思えば一旦プルバックして軽く飛び越えました。
その後は春先のタケノコのように一夜で背丈を変えて、2月17日までに、48,472ドル(約510万円以上)以上の価格をつけています。
日本の取引所でも500万円の大台はすでに実績ありの状態となり、バレンタインの深夜は一時520万円を射程距離に入れました。
(参考資料 https://coinmarketcap.com/currencies/bitcoin/)
今回の上昇トレンドのワケとは。その材料となったもの
前述でもありますが、年末年始で米国大統領選に片がついて新体制になった新たな時代への期待と、コロナワクチン接種が現実となっていることなど、未来に向けての明るい展望が大きな流れとなったことは誰もがうなづける材料です。
他には、
ここ数年続いている米国での訴訟ですが、米証券取引委員会(SEC)による米リップル社の提訴でXRPは価格が暴落していました。他の中央集権的アルトコインへの余波も懸念されています。
ただ、1月末にリップル社が反撃に出たことでまたXRP価格は元気を取り戻しているようですが。
対して、ビットコインは有価証券ではないというお墨付きを得た格好となった安心感からか、市場での資金流入が始まったとみられています。
昨年1年間の金(ゴールド)が25%のリターンだったのに対し、ビットコインは300%以上だったのですから、長引く超低金利経済で不況にあえぐ企業や機関が短期的に大きなリターンを得ることができるビットコインに魅力を感じないはずがないでしょう。
ましてやコロナ禍であればなおさらです。
信頼性のあるデジタルゴールド、安全資産としてのビットコインの存在が投資家によって再認識されたといっても過言ではありません。
超低金利の低迷経済から資産を安全なところに避難させたという見方をする投資家やアナリストも多いです。
ビットコイン誕生のジェネシスブロックには、中央集権のもとで管理された法定通貨への信頼性に疑問を抱いたサトシ・ナカモトの文言が刻まれています。
日付は2009年1月3日でした。
そして、高騰中の今年の1月3日もチャートはそれを記念しているかのようでした。
ビットコインにはそのコンセプトもさることながら誕生秘話も多くあり、他のコインにはない魅力があるのも根強いファンにとっては特徴かもしれません。
2月には、ビットコインにとって嬉しいバレンタインギフトがありました。
特に、イーロン・マスク氏率いるテスラ社が、15億ドル(およそ1600億円)におよぶビットコインの巨額購入をしたことで、BTC価格は38,000ドルから44,000ドルに引き上がりました。
これによりテスラ社の車を購入する際はビットコイン決済が選択できるようになるそうです。
またもうひとつのこれまた巨額投資、モルガン・スタンレーの1500億ドル投入が実現しそうだという期待があり、14日にさらなる報道で確実性が増したようです。
こうした企業によるビットコイン購入の背景には、昨年10月に仮想通貨デリバティブ取引所FTXが企業株をトークン化して取引可能にしたことがあり、個人投資家がメインだった市場のシナリオを大きく変えたともみられています。
機関投資家の参入が大きな割合を占めるようになったためビットコイン価格が大きく高騰しているようです。
ビットコイン価格予想。65Kドルそれとも100Kドル?
「50,000ドルがピークだろう」という予想だった先週までは、そこに達したら急落するだろうからとその前に売りを進めているアナリストもいました。
50,000ドルに達したとしてもそう長い間は留まらないとみている投資家もいました。
なんとなくそこに到達するのを躊躇うようなチャートで、1週間前は48,000ドル辺りから大きく踏み出す様子は見られませんでしたが、17日に50,000ドルを突破しました。
それに対して、ビットコインは過少評価されている、
「まだブルトレンドの初期段階だろう」という予想もあります。
ビットコインの半減期の周期とマイニングが終わって安定期に入るまでの期間を考慮すると、まだまだ成長期の初めだというのです。
半減期前に高騰して急落してもその後の供給サイクルと価格の上昇に目を向けた、オランダ人投資家のPlanBは、2013年と2017年のビットコイン高騰期と比較して今年は300,000ドルまで上がると予想しています。
ビットコインが均衡を保つのはペイメント手段として定着する100,000ドルから300,000ドルで、年末には288,000ドルまで行くだろう、というコミュニティでの対談が話題を呼んでいます。
彼の予測のもとになっているチャートがStock-to-Flowというのですが、半減期のサイクルと価格の相関図がわかりやすいです。
Wow 55K votes! This poll indicates BTC price is extremely undervalued now: 40% x $288K + 45% x $100K + 8% x $55K = $165K 🚀 pic.twitter.com/erNV11Yv5W
— PlanB (@100trillionUSD) February 15, 2021
(出典 Twitter @PlanB)
この超上昇トレンドを受けて価格予想はまだまだ更新中といったところですが、強気のイーロン・マスク氏の熱い支持も受けているうえ、多くの有名投資家たちの中には65Kドルから77Kドルに修正し、長期的には220Kドルを予測しているMax Keiser(マックス・カイザー)のような人もいます。
I’m raising my short term #BTC price target from $65K to $77K based on growing supply-shock issues – as coins are removed from exchanges
My 2021 target of $220,000 remains pic.twitter.com/y1SKIYQW53
— Max Keiser (@maxkeiser) February 17, 2021
(出典 Twitter @maxkeiser)
そしてさらに、2月7日の45,000ドル突破からの上昇に寄与したクジラが利益確定しているようで、クジラの数が減っているとは言え、まだまだ100万ドル以上のビットコインを保有するクジラのアドレスは10万件以上あるという事実もあります。
これまでの相場のような予測はとうてい当たらない世界の通貨を目指すビットコインのこれからを予測するのも楽しみの一つです。
今後のビットコインはどこへ
価格がどこまで上がるかもさることながら、2020年代の10年予想として挙げられていたことはコロナウィルスのことを除いてはおおかた現実のものになりつつあるように見えます。いや、コロナがあったから進展したとも言えなくないのかもしれません。
大口機関投資家が増加するということも、ユーティリティフェーズへの動きが加速して市場構造が成熟するということも、既にその方向に動いているのが明らかのように思います。
ビットコインが目指している決済手段となる日は、この超低金利経済が続いている以上、そう遠くないかもしれません。
機関投資家に注意喚起
現状を投機バブルだとの見方もあり、浮かれてばかりもいられません。
機関投資家が諸手をあげて株式をトークン化している昨今のマーケットに警鐘を鳴らすアナリストが少なくないことにも注目すべきです。
最近の個人投資家はRedditのようなネット上の掲示板で簡単にノウハウを手に入れることが出来ます。
先日米国で起きたゲームストップ株事件は、これまで叶わない相手と思っていた巨大な機関投資家を個人投資家が打ち負かすことが出来てしまったという事例だと言われています。
機関投資家に注意喚起するアナリストがいるくらいです。
いずれにしても、ビットコインには一攫千金を目指してギャンブル的に投資するより、長期的に成長する資産であることを冷静に受け止めて小さく長く投資していくのがよいと主張するアナリストの忠告があることを記しておきます。