ブロックチェーン技術は次なる世界金融危機を救う。元JPモルガン北米投資銀行部門副社長
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ブロックチェーン技術が金融危機を救う
ビットコインや仮想通貨には何もいいところは無いという人は多いですが、分散型台帳技術(DLT)は世界を変えるだろうと思っている人は多くいます。
元JPモルガン北米投資銀行部門副社長Pang Huadong氏もそのうちの一人です。
ブロックチェーンテクノロジーは、金融リスクを軽減する能力があるので、世界がまた金融危機に陥るのを救うかもしれない、と発言しました。
アジア・ブロックチェーン研究所の名誉学術顧問でもある彼は、ブロックチェーンには独自の課題はあるものの、金融リスクを軽減すること、透明性を高める事や信用コストを削減することによって従来の金融システムを強化する計り知れない潜在能力が依然としてあると、述べます。
「ブロックチェーンは本質的に、非介在型、あるいは、弱仲介型のテクノロジーなのです。
したがって、この技術によって最低コストで信頼の仕組みを構築することが出来るのです。」
彼は2008年の金融危機の際、JPモルガンの債券自己管理部門で働いていた時代、DLTのもつ実に多くの能力に目を開かされたそうです。
当時、資産にして400億ドル以上も保有していた会社が一日平均で3億ドルも損失を出していたのです。
この経験は、ブロックチェーン技術には、世界的な経済危機を防ぐカギとなる可能性があることを彼に理解させたのです。
MITマサチューセッツ工科大学の卒業生でもある彼は、急成長する技術は世界に多くの貢献をするものですが、ブロックチェーンの技術がその最大ポテンシャルを発揮するのは、時間の問題であることを結論づけています。
「現在の国内でのブロックチェーン技術はまだ開発の初期段階にあります。
比較的多くの変動をいくつも経験しましたが、開発の見込みには際限がありません。」
否定的な意見も…
ブロックチェーン技術はまさしく、伝統的な金融システムを健全に保つピル(錠剤)だと彼は楽観的な見方をしていますが、金融業界の重鎮の中にはそうでない考えもあります。
例えば、BIS国際決済銀行が出した報告書では、ブロックチェーンは従来のデータベースと同じレベルでは実行出来ない、DLTは中央処理機関が扱う小売決済の量を処理しようとするとインターネット全体がクラッシュする可能性があると結論付けました。
同様に、イスラエル銀行のCIOは、ブロックチェーンは単にハイプサイクルにある技術でありとても使えたものではない、と発言しています。
いったい、どちらの見解が時代の流れに即していくのでしょうか。大きな関心ごとですね。
参考サイト
“https://btcmanager.com/blockchain-technology-could-save-the-world-from-another-global-economic-crisis-says-former-jpmorgan-big-shot”