マスターカード、仮想通貨決済における匿名技術の特許申請中
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クレジットカード大手の米マスターカードが仮想通貨決済における匿名性を高める技術を開発していることが、同社が米国特許商標庁に提出した申請によって明らかになりました。
6日に公開された特許申請によると、マスターカードは決済における取引の起点や送金額を複雑化するブロックチェーン技術を用いるシステムを提案しています。
中間アドレスを利用して、複数の取引データを作成
マスターカードが提案しているシステムでは、公開鍵との取引を予め用意した中間アドレスで行い、そのデータが一旦保存された上で、新たに秘密鍵と電子署名を含んだ取引データが作成されます。
こうすることによって、利用者は限定されたアドレスとのみ取引を行なっているように見える一方、その限定されたアドレスからは不特定多数の取引が行われているため、一つ一つの取引の詳細が判明しにくくなるとのことです。
また、取引過程を分けて複数回行うことによって、送金金額も伏せることができる、とのことです。
ブロックチェーンは書き換え不可能な台帳のため、完全に匿名ではない
マスターカードが申請した特許によると、仮想通貨決済ではブロックチェーンのアドレスから利用者を特定するのは難しく、ある程度の匿名性があるため、その匿名性にひかれて利用する者もいるとのことです。
ただ、ブロックチェーンがそもそも「書き換え不可能な台帳」であるという性質上、完全なる匿名性は確保できず、公開されたデータに基づいて分析を行えば、個人のウォレット、または個人を特定することは可能であるとのことです。
そのため、匿名性を確保するにはブロックチェーン技術上の解決策が必要だったと、マスターカードは述べています。
米国土安全省が匿名性の高いコインに関心
マスターカードの特許申請について報じたコインデスクによると、今回の動きは、利用者のプライバシーを重視するモネロ(monero) やジーキャッシュ(zcash) などの仮想通貨の取り組みにそったものになるとのことです。
利用者にとって匿名性が重要であるため、取引の起点と終点、または金額などを伏せたサービスを提供しているモネロやジーキャッシュに人気が集まる一方で、政府当局などは匿名の取引の犯罪利用に目を光らせています。
コインデスクによると、米国土安全省はこの程、匿名性の高い「プライバシーコイン」の追跡や犯罪分析が行うことが可能かについての調査しているとのことです。
参考サイト:
“http://appft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsearch-adv.html&r=1&p=1&f=G&l=50&d=PG01&S1=20180349896.PGNR.&OS=dn/20180349896&RS=DN/20180349896”
“https://www.coindesk.com/mastercard-patent-filing-outlines-way-to-anonymize-crypto-transactions”