仮想通貨相場の次の底値はどこなのか?
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株式市場の急落は、年初から5000ドルの下げ幅を記録したビットコイン価格だけでなく、ハイテク株価格にも影響を及ぼしています。
まだ底を打っていない
Broomberg Intelligenceのテクニカル分析によると、ビットコイン価格は未だ底を打っていないとのことです。ビットコインは年初からすでに60%もその価値を下げており、大手金融メディアの中には、仮想通貨はさらに1500ドルまで下げるだろうと警告しているものもあります。
ビットコイン市場は先週水曜日の売り圧力で、これまでサポートレベルとされてきた6000ドル付近を下抜け、さらに新たなベア相場のサポートレベルを探っています。
専門家などの分析によると、次のサポートレベルは4500ドルから3500ドルと予想されています。
ビットコインキャッシュのハードフォークによるダメージ
仮想通貨ヘッジファンドIkigaiの創設者であるTravis Kling氏はビットコイン相場のさらなる下落を危惧しています。
元Point72の投資マネージャーは、ビットコインキャッシュの分裂が仮想通貨相場全体に長期にわたるダメージを与えるだろうと強調しています。
仮想通貨の有力者として知られるRoger Ver氏や、Craig Wright氏のプロジェクトはこれまで、ハードフォークを通じて、仮想通貨市場から大金を稼ぎ出していました。
Ver氏の派閥のビットコインABCを支持しているのが、世界最大手の仮想通貨マイニング企業のビットメインです。
彼らはビットコインのハッシュパワーをビットコインキャッシュに向けさせ、ビットコインキャッシュ ABCを勝利へ導こうとしていましたが、結果として投資家を減らしたうえに、ビットコイン従来のマイニングの安定性を短期的に損なうことになりました。
BloombergのアナリストのMike McGlone氏は、ビットコインキャッシュのハードフォークにより敏感になっている環境が、仮想通貨市場の下落を誘発したとしています。
そしてこの下落基調は、より深刻化する可能性があると指摘しています。
主要半導体メーカーやFAANGの株価急落によるダメージ
仮想通貨市場の急落はAMDとNvidiaの2つの主要半導体メーカーのパフォーマンスにも影響を与えています。
両社の仮想通貨マイニング設備の事業の収益は下がり、最近の売り上げは冴えないものとなっています。
AMD株価は月曜日には11%下落しNvidiaもまた17%の下落を記録しました。
米国株式市場では、主要テック大手が業績予想を下回り、グローバルな成長に歯止めをかけたことで大幅下落しています。
Facebook、Apple、Amazon、Netflix、Googleの総称して”FAANG”と呼ばれる企業の株価は、すでに史上最高値からおよそ20%下落しています。
米中関係の悪化によるダメージ
アメリカと中国の関係悪化の影響も明るみに出ています。
週末に行われたパシフィック・リムのサミットでの両国の衝突により、貿易戦争はさらに過熱しています。
ここ30年間で初めて、世界を率いる両国の経済戦略が国際貿易において共通の着地点を見出せずにいます。
ネガティブな状況は市場にも悪影響をおよぼし、Nasdaqhaは1日で2.7%下落し、S&P500は1.6%下落しました。
両国の大統領は今月後半にG20サミットで会談する予定です。
この会談は投資専門家らに注意深い関心を集めており、株価がサミットへの期待で上方修正し始めることも予想されます。
米中間の貿易戦争とビットコインキャッシュのハッシュ・ウォーは合わせてどちらも投資家に市場から現金もしくは仮想通貨を当面の間、引き上げさせる要因となりました。
一方で、米ドルもまたブル相場から一転して下落しています。
米ドルはグローバル経済の停滞とともに2週間ぶりに下落しています。
仮想通貨市場のテクニカル分析
ビットコイン市場は年初から下落ウェッジで上下を続けてきました。
インディケーターの視点から見ると、ビットコインは3500ドルから3682ドルを次のボトムレンジとして試していると見れらます。
その後、下降ウェッジラインのトレンドライン上まで急上昇で戻す可能性もあるとのことです。
もし急反発すれば価格は7435ドルまで戻すことも予想されるとのことです。
CCNのアナリストによると、このまま下降が続く場合の損値の予想価格は3500ドルとのことで、間違いなくベア相場に突入するだろうとのことです。
3500ドルを割り込むようであれば2017年9月の強力なサポートラインである3000ドル付近で反発のプレッシャーがかかると予想されます。
それ以上下降を続けた場合、1500ドルまで一気に下げることも予想され、Bloombergによると反発の可能性は1788ドル付近とのことです。
残された上昇相場への希望材料
ビットコインキャッシュが再び安定すれば、ビットコイン市場にも安定が戻ってくる可能性も考えられます。
来年に期待されているビットコインETFの承認や、来月に予定されているBakktの立ち上げなどを材料とし、BTC/USD価格が3500ドル付近で停滞していることで、ブル相場への突破口も残されているとも見られています。
今後の市場の動きは、しばらく注意が必要ですね。
参考サイト:
“https://www.ccn.com/wheres-the-bottom-bitcoin-price-could-sink-as-far-as-1500-analysts/”
“https://www.coindesk.com/7-facebook-amazon-apple-netflix-and-google-staffers-that-went-full-crypto”
“https://jp.tradingview.com/ideas/BTCUSD/”