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リブラ協会、21の正式メンバーと決意を新たに

2019.10.15
リブラ協会、21の正式メンバーと決意を新たに

<この記事(ページ)は 6分で読めます>

月曜日にジュネーブで最初の発足会議が行われたリブラ協会は、創立会員となる21のメンバーと正式に契約署名を交わし、リブラを発行する計画を公式に進めた格好です。

この日を前に、PayPal、eBayやMasterCard、Visaといったビッグネームが正式署名を辞退して次々に協会から脱退しています。米政府や規制当局からの厳しい批判の中、大きな痛手ではないかと危惧されていました。

当初は27社(Facebook子会社のCalibraを含めて28社)の潜在的メンバーが名を連ねていたものの、残りの21社はベンチャーキャピタル企業で構成されているようです。

彼らは多くの場合、新興テクノロジーに目を付けFacebook事業や非営利団体と連携しています。
比較的大きめの企業としては、Uber、Lyft, Spotifyや欧州の電気通信会社Vodafoneが会員となっており、さらに180もの名もない団体が関心を表明しており参加要件を満たしている、と今回の声明で発表しています。

リブラ協会の正式発足という決意は固まっても、リブラ発行の実現までに解決しなければならない問題は山積しています。

Facebookとリブラ協会は別団体、リブラ運営には関与しない・・・

リブラ開発の発表をして以来、FacebookのCEO Mark Zuckerbergの主張に対して、米下院議員の懸念や疑問は払拭されることがなさそうです。

リブラ運営を実際にしていくのはリブラ協会であってFacebookではない、とFacebook側は主張し、政治家は、Facebookとは別組織といっても、Facebookのユーザープライバシー保護の闘争は、リブラにも波及すると述べています。

Facebookは、リブラ協会を通じてリブラを法的に独立した別団体としてリブラ(通貨)自体は保有しないことで、その批判に応えようとしました。

しかし、その協会の5人の取締役には、Facebook役員でありLibra共同制作者であるDavid Marcus、そして、Facebookが公開される前の初期時代に投資していたベンチャー企業のひとつであるAndreessen HorowitzのKatie Haunが含まれていました。

こういったメンバーをみれば、全く関係のない別団体という説得力は薄いかもしれません。
ちなみに、残りの3人は、Kiva MicrofundsのMatthew Davie、PayUのPatrick Ellis、そしてXapo Holodings Ltd.のWences Casaresです。

Facebook CEOのMark Zuckerbergは、今月下旬に米下院金融サービス委員会でリブラについて議論することになっています。
また、この議長を務めるのは、リブラに熱心な批判を繰り返しているMaxine Waters議員と伝えられています。

Facebookとリブラ協会はこれまでも、米国の規制当局がもつ懸念を満たすまで、リブラの取引も預金の受け入れも開始しないと述べています。
同時に、規制当局および政界に広がる懸念を緩和するため、ワシントンのロビイストを雇ったロビー活動は継続しています。

【関連記事】
下記記事の見出し3番目「Facebookの猛烈なロビイスト活動」

Facebookのリブラじゃないリブラ、Open Libraプロジェクト

今月8日から11日にかけて大阪で開催されたDevcon 5 で、暗号スタートアップのWireline共同設立者であリコアチームメンバーであるLucas Geigerが、9日のステージで発表したプロジェクトが話題となっています。

リブラ協会、21の正式メンバーと決意を新たに

(出典 https://www.openlibra.io/)

Facebookとリブラ協会の置かれている境遇から問題をあぶりだし、規制の影響が少なく、地理的のみならず政治的、経済的にも分散化されている方法を模索したようです。

リブラと同じMove言語を共有し、プラットフォームの構築もリブラの良い点に基づいていますが、リブラの弱みに対処しているようです。
彼は、Facebookのアプローチにある問題点を述べています。

以下、https://www.openlibra.io/より引用。

40億人に行き渡る、Facebookとパートナーが創り出しているデジタル通貨と銀行エコシステム、その目的は、既存の金融インフラを置き換え、世界中の伝統的な銀行および中央銀行と競争することです。

設計通りにリブラプラットフォームは、
- 配布されるが、分散されない
- 対話するには権限(許可)が必要になる
- プライバシーは保証されない
- 金権政治によって運営されるだろう

リブラの多くの機能は有用であり恐らく最も弱い人たちに変化をもたらします。これは非常に期待される点です。
しかし、彼らの述べたプランでは心配な結果につながる可能性があります。

たとえば、リブラが、企業の閉鎖的なグループによって管理される点、創業者へ価値が流れている点、そして監視ファイナンスである点などを挙げて、そのような問題をカバーするOpenLibraを作っていると述べました。

また、先日のOECDカンファレンスでの各国政府の発言を念頭においているのか、自分たちの利益しか求めないのに、リブラのような多国籍に渡る力に対して活用できる立法権などほとんどない、と指摘しています。

【関連記事】

 
国家各州からの抵抗にもかかわらず、Facebookが目標を達成する可能性は高いと我々は信じていると付け加えています。

新興技術をめぐって、世界経済エコシステムに大きな問題提起を投げかけて荒波を超えていこうとしているLibraですが、その代替ともいわれるOpenLibraが提案されたことは、今回正式メンバーで発足した協会にとって、成功に関する大きなヒントになったとも考えられないでしょうか。

参考サイト:
“https://time.com/5700429/facebook-officially-launches-libra-its-digital-currency/”
“https://www.webpronews.com/openlibra-cryptocurrency-announced/”

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