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日本における仮想通貨の法規制と税制度

2017.09.21
日本における仮想通貨の法体制と税制度

<この記事(ページ)は 6分で読めます>

仮想通貨をめぐる法律が整備されつつありますが、気になる税制度はどのようになっているのでしょうか。複雑なように思われますが、2017年4月に施行された「仮想通貨法」のおさらいをしつつ、日本における税制度を見ていきましょう。

「仮想通貨法」のおさらい

2017年4月1日に施行された、いわゆる「仮想通貨法」について、まずはその経緯と内容をおさらいしましょう。

そもそも「仮想通貨法」という名称の法律は存在しません。「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」が成立した後に、その中の「資金決済に関する法律」に「第三章の二 仮想通貨」が追加されたのですが、これをわかりやすいように「仮想通貨法」と呼んでいます。この記事でも便宜上、「仮想通貨法」と呼ぶことにします。この法令が追加された経緯として、G7サミット等における国際的な要請や国内の仮想通貨業者の破綻事案を踏まえて、マネーロンダリング対策や利用者保護の観点から、このような新制度導入に至ったと金融庁は説明しています。内容に目を移すと、次のようなことが要点として挙げられます。

①仮想通貨は「資産」と定義する

②仮想通貨の取引所は登録制にする

②に関しては、仮想通貨の取引所として登録された業者は法令上、利用者から預かった金銭や仮想通貨と、事業者が保有する金銭や仮想通貨を明確に区分して管理することや、年に1回以上その状況を外部監査されることが義務付けられています。

ちなみに、2017年8月31日時点で国が定めた仮想通貨交換事業者に登録された事業者はまだありません。では、現在利用している国内の仮想通貨取引所が金融庁に認められていないということでしょうか。実は、「仮想通貨交換業を行っている者は、施行日から起算して六月間は、新資金決済法第六十三条の二の規定にかかわらず、当該仮想通貨交換業を行うことができる」と資金決済に関する法律の一部改正に伴う経過措置として定められているので、現段階では仮想通貨交換業は法律にかかわらず取引ができる猶予期間なのです。

一方で、金融庁は仮想通貨への対応を着々と進めています。各取引所には2017年9月末までに登録をするよう促しており、2017年10月から、金融庁は仮想通貨取引所の監視に乗り出すと発表しました。司令塔となる「仮想通貨モニタリング長」を筆頭に、30人規模の専門チームを設置し、現在登録業者の審査を行っています。また、仮想通貨の会計ルールをめぐる議論も並行して進めており、ICOへの対応なども含めて仮想通貨市場の監視と育成を目指しているようです。

仮想通貨はどこからが課税対象なのか

国税庁は2017年8月28日、タックスアンサーにて「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」について明らかにしました。
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

2017年4月1日に施行された「仮想通貨法」では、仮想通貨は「資産」と定義されていることは先ほど確認しました。したがって仮想通貨は消費税の対象外です。しかしここで国税庁は、

「ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます」

と回答しました。つまり、ビットコインを使用したことによって利益を得た場合は所得税の課税対象となるということです。ここで述べられている雑所得とは、9つある所得税区分のいずれにも該当しない所得のことを指します。公的年金や印税などがその例です。株式の取引の際に譲渡益が発生した場合に課されるキャピタルゲイン税と似ています。

しかしここで注目したいことは、国税庁の回答の「ビットコインを使用することで生じた利益は…」にある「使用」という言葉です。ビットコインの「使用」の定義はなんでしょうか。考えられる行為は、

①ビットコインで日本円などの法定通貨を購入する

②ビットコインで他のアルトコインを購入する

③ビットコインで商品を購入する

これらがあると思います。

①・②に関しては、ビットコインを使用して利益が出るということが想像しやすいと思います。これらの場合には、利益に応じて確定申告を行う義務があります。

所得税の税率

では、③はどうでしょうか。「使用」という言葉ではビットコインを使用して商品を購入した場合にもあてはまるような言い方です。したがって、ビットコインで商品を購入した場合にも申告を行うことが無難といえますが、その際レシートや明細をすべて管理する必要があります。

また、国税庁は「ビットコイン」と特定の仮想通貨の名称に限って述べていますが、この法令はその他の仮想通貨(アルトコイン)も含まれると考えていいでしょう。

ICOは日本で規制されるのか

2017年9月4日、中国当局は中国国内のICOの全面禁止と、すでにICOを行った場合には出資金を返却するよう求めました。これにより、仮想通貨全体の価値は急落し一時大混乱となりました。

日本でも今後、仮想通貨同様ICOにも規制が入るのでしょうか。2017年6月8日、国会(財政金融委員会)での答弁議事録が考えるヒントになるかもしません。

日本におけるICOは今後、資金決済法と金融商品取引法が適用されるだろうということが議事録から推測できます。金融庁としては、中国のように全面禁止としないまでも、必要があれば適切に対応する方針のようです。

まとめ

急速に発展する仮想通貨市場に、政府は着々と法整備を行っています。税制に関するところは、まだその定義やどこまで範囲が及ぶのかについて不明瞭な部分が多いのが現状です。詐欺の横行やテロ資金供与対策を考えると、ある程度政府が介入することは必要なのかもしません。しかし、過度な規制は将来有望な企業や技術の芽を摘む可能性があることや、東京オリンピックで訪日外国人による仮想通貨の利用機会が減る恐れがあることも考慮しなければなりません。

税金に関することなので、今後もしっかりとチェックしていきたいものです。

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