ビットコイン先物とは?FXとどう違うの?特徴や価格への影響を徹底解説!
<この記事(ページ)は 8分で読めます>
「ビットコイン先物」をご存知でしょうか。2017年12月に、ビットコイン先物がCBOE(シカゴ・オプション取引所)とCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に相次いで上場されたほか、ニューヨーク証券取引所やナスダックで上場が検討されるなど今非常に注目を集める投機商品です。
ビットコイン先物とは何なのか、どのような仕組み・特徴なのか、価格への影響や取引所の比較まで詳しく解説します。
ビットコイン先物とは?
先物取引とは?
先物取引とは売買の価格や数量などを約束しておき、将来の約束の日が来た時点で、売買を行うことです。先物取引には取引の期日があり、期間内であればいつでも売買できますが、期限になれば、自動的に決済されます。
先物取引には証拠金が必要になり、レバレッジをかけることで証拠金に対し、数倍の取引を行うことができる仕組みとなっています。
ビットコイン先物とは?
ビットコインの先物取引とは、ビットコインの将来の価格を予測した上で、現時点決めた価格で、将来に決められた日のビットコインを売買することです。先物取引と同じように、ビットコインの先物取引には、一定額のビットコインを証拠金として取引することが必要になります。
ビットコイン先物の仕組み・特徴
ビットコイン先物の仕組み
ビットコインの先物取引では、自分の手元にある資金以上の金額を取引することができるという特徴があります。また、買いから入ることはもちろん、売りから入ることもできます。売りから入る場合、取引所からビットコインを借りて売ることになります。
例えば、現時点で1BTC=100万円で1BTCの売りを行います。売ったビットコインは取引所に返す必要があるので、1BTCの買い戻しを行います。買い戻しを行うときに1BTC=80万円まで下がっていたとしたら、自分が買うときは80万円しか支払わなくても良くなります。
よって、100万円-80万円=20万円の利益が手元に残ります。このように、相場が下がっても利益を上げることができるのです。
限月
ビットコイン先物取引には「限月」というシステムがあり、満期日が決められています。満期日までであればいつでも取引できますが、満期日までに差金決済を行わなかった場合、SQ(清算値)で自動的に差金決済されます。
例えば、取引所bitFlyerでは、以下3 種類の満期日の先物が取引可能です。
・1 週間先物(直近の金曜日に満期日を迎えるもの)
・2 週間先物(1 週間先物から 1 週間後に満期日を迎えるもの)
・3 ヶ月先物(直近の 3, 6, 9, 12 月の最終金曜日に満期日を迎えるもの)
レバレッジ
ビットコイン先物取引には、レバレッジをかけることができます。「レバレッジ」とは、「てこ」という意味で、少ない証拠金でそれの何倍もの金額の取引ができるということです。レバレッジの倍率は取引所によって異なっています。例えば、ビットコイン先物を扱っているbitFlyer Lightning Futuresでは証拠金の最大15倍までビットコインの取引ができます。
つまり、100万円のビットコインの証拠金で1500万円の取引ができるということです。
追証
追証とは追加保証金の略語です。ビットコインの売買により損失が発生する場合、必要な証拠金の額に満たなくなったため、資金が十分になるように証拠金の追加入金を求められることです。追証を支払えば引き続き取引を継続できますが、期限までに追証の支払いを済ませないと強制決済になり、自動的にビットコインが売られてしまいます。
ロスカット
損失を防ぐために証拠金維持率が特定の割合を下回った場合、強制決済が採用されます。これは「ロスカット」と呼ばれます。ビットコインは価格変動が激しいので、ロスカットによって自動的に取引を終わらせることで自分の手元の資金を守ることができます。
ビットコイン先物取引は挑戦するべき?ビットコインFXと比較して真剣に考えてみた
ビットコイン先物とFXとの違いは?
FX取引との違いは、取引所によりますが大きく2つ存在します。1つは取引相手、2つ目は取引期限です。
FXの取引相手はFX業者となりますが、先物取引は他の市場参加者となります。
また、取引期限も異なります。FX取引は期限が基本的には存在しません。しかし先物取引は特定の期限日までに特定の金額で特定の量のビットコインを売買することを約束するものなので期日(限月)が存在します(もちろん、期日前に決済を行う反対売買を行うこともできます)。
そのため、期日を考慮しながら売り買いしなくてはなりません。
一般的にビットコイン先物のメリットとしてレバレッジをかけることが出来ることやショートポジションをとることが出来ることが挙げられますが、それはビットコインFX取引でも可能なため、基本的に違いにはなりません(取引所にもよる)。
国内ビットコイン先物取引よりビットコインFXが良い?その理由とは
国内には多くのビットコイン先物取引所が存在します。例えばbitFlyer、Liquidです。国内でのビットコイン先物取引を検討される方も多いでしょう。
しかし、現在はビットコイン先物取引よりもビットコインFX取引をおすすめします。
その理由としてビットコイン先物取引の特性と現在のビットコインの価格変化が挙げられます。
ビットコインの価格は非常に推移が激しいです(ボラティリティが大きい)。そのため、数週間後の価格が予測しづらく、決済時の利益や損失を予測することが困難であるといえます。
反対売買はもちろん行うことが出来ますが、そうであればビットコインFX取引と大きな違いはありません。
ビットコインFXの方がリスクは大きいのではないかと考える方もいるかもしれませんがビットコインFXには(先物取引にもありますが)特殊注文やロスカットがあります。これらを活用することでリスクを防ぐことが出来ます。
ビットコインFXをする際におすすめの取引所一覧
ビットコインFXでおすすめの取引所は以下の通りです。
おすすめ取引所:GMOコイン
最大レバレッジ | 4倍 |
取引手数料 | 無料 |
ロスカット率 | 75% |
追証 | なし |
スワップ手数料 | 0.04%/日 |
国内ビットコイン先物取引より大手先物取引所の影響に注目すべき
国内の先物取引を利用して利益を得るよりは大手先物取引所が与えるビットコイン価格への影響を利用して利益を得ることがおすすめです。
ビットコインの価格に影響を与える有名先物取引所
有名先物取引所とはCBOE、CMEのことです。
2017年12月10日、ビットコイン先物取引は世界最大手のオプション取引所CBOE(シカゴオプション取引所)に上場しました。また、同年12月17日には、先物取引最大手のCME(シカゴマーカンタイル取引所)でもビットコイン先物が開始されました。
CBOEもCMEも世界的に非常に有名な取引所です。これをきっかけに世界中が一気にビットコイン、ビットコイン先物に注目しました。
米調査会社FandstratがCBOE、CMEがビットコイン価格に与える影響を報告
米調査会社FandstratやFederal Reserve Bank of San FranciscoはCBOE、CME各取引期日10日前に価格が下落するという傾向が見られるとしています。その理由としてCBOE、CMEでショートポジション(売り)で投資を行っている機関投資家が決済前にビットコイン現物を売り、価格を下げて利益を出そうとするためだとしています。
他にもCBOE、CMEのビットコイン先物の期日前後では機関投資家の行動によるビットコイン価格の上昇下降の傾向がみられます。
その変動の傾向については以下の記事で詳しく説明しています。
このように、ビットコイン先物取引を行うよりはビットコインFXでCMEやCBOEの影響などによるビットコインの価格を細かくチェックしながら、短期間で利益を上げていくことがおすすめです。
ビットコイン先物の今後
ビットコイン先物は他にも多くの取引所が参入しようとしています。
NYCE(ニューヨーク証券取引所)を運営するICEが立ち上げた仮想通貨決済プラットフォームBakktは現物決済のビットコイン先物取引を2019年の1月24日に開始することを明らかにしています。
また米ナスダックもナスダック・フューチャーズ市場にビットコイン先物を上場する方針をたてており、ビットコイン先物が重要な投機商品とされる日も遠くはないでしょう。
ビットコイン先物についてまとめ
ビットコイン先物は多くの有名取引所が注目する投機商品の一つです。将来的に大きな可能性を孕んでいますが、現在はFXを行いながらその動向をチェックすることが妥当でしょう。