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ビットコインのボラティリティ(Volatility)とは?高い理由・メリットとデメリットについて解説

2018.07.25
ビットコインのボラティリティ(Volatility)とは?高い理由・メリットとデメリットについて解説

<この記事(ページ)は 7分で読めます>

ボラティリティ」という言葉を耳にしたことがありますか。

「ボラティリティ」とは、金融・投資業界において、ある資産の価値変動の激しさを表す指標のことです。

ビットコインは投資商品の一つとして、ボラティリティが高いと言われます。

今回は、ビットコインのボラティリティが高い理由とビットコインのボラティリティが高いことのメリット・デメリットについて、ビットコインの価格変動の歴史とともに、詳しく解説します。

ビットコインのボラティリティとは?

ビットコインのボラティリティとは?

ボラティリティ(Volatility)」とは価格変動の度合いです。

ビットコインのボラティリティとはビットコインの価格変動の大きさのことを示しています。

「ビットコインのボラティリティが高い」というのは、ビットコインの価格変動が大きいことを指し、反対に、「ビットコインのボラティリティが低い」という場合は、ビットコインの価格変動が小さいことを指します。

ビットコインはボラティリティが高い

2017年1月1日からのビットコインの価格変動チャート

(図1)

図1は2017年1月1日からのビットコインの価格変動チャートです。

図1から見ると、ビットコインの価格変動が大きいので、ボラティリティが高いと言えます。

例えば、2017年12月の1ヶ月間の最高値は¥2,214,558、最安値¥1,225,148(12/5)と大きな変動が見られます。

ボラティリティはどう計算する?

ビットコインのボラティリティは取引所によって異なっています。

例えば、図2から見ると、取引所bitFlyer とKrakenでのビットコインのボラティリティが違うことが分かります。

取引所bitFlyer とKrakenでのビットコインのボラティリティ

(図2 引用元:data.bitcoinity.org)

では、ビットコインのボラティリティはどう計算するでしょうか。

ボラティリティとは、ある資産の価格が幾何ブラウン運動モデルという式に従うと仮定したときに,その式の中に出てくるある定数σの名前のことです。

ビットコインのボラティリティの計算式

この式では、価格をS(t)、ブラウン運動と呼ばれるランダムな動きをB(t)、σ,μをある定数とします。

式から見ると、ボラティリティと呼ばれる「定数σ」のことはランダムな動きを表すB(t)の係数になります。

ボラティリティである定数σは求め方の違いにより、2種類があります。

1つ目は、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)です。

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは,過去の価格データから求めたボラティリティのことです。

2つ目は、インプライド・ボラティリティ(IV)です。

インプライド・ボラティリティ(IV)とは、将来どのくらい価格変動が激しくなるかを表した値です。

 

ビットコインのボラティリティの値は取引所や計算の仕方によって異なります。

興味のある人は、ボラティリティについて気にしてみても面白いですね。

ビットコインの価格変動の歴史

ビットコインがリリースされてからの価格変動について紹介します。

時間 価格変動 背景
2009年 0円 ビットコインの運用が始まる
2010年7月 上昇 ¥o.7 アメリカの人気のあるコンピュータ系参加型ニュースサイトであるSlashdot(スラド)に、ビットコインが取り上げられため、多くの人々にビットコインが知られるようになる
2010年7月 上昇 ¥7 取引所Mt.Goxがサービス開始
2010年8月 下落 ¥6 1840億BTCが偽造されるビットコイン史上最悪のセキュリティ事件が発生
2011年4月 高騰 ¥87 アメリカの大手メデイア「Time」誌にビットコイン特集が掲載された
2011年6月 高騰 ¥1,489 メディアに注目され、知名度が上がる
2013年3月 上昇 ¥4,597 キプロスの金融危機により、キプロス国内の銀行が閉鎖されるなど法定通貨(ユーロ)への信用が低下し、ビットコインの人気が高まる
2013年12月 急騰 ¥127,800 ビットコインが史上最高値になった
2013年12月 下落 ¥110,000  中国政府は金融機関によるビットコインの取り扱いを禁止することを発表
2014年2月 下落 ¥18,280 世界の最大のビットコイン取引所であるMt.Goxが、約85万BTCと現金約28億円をハッカーに盗難され、倒産
2015年10月 上昇 ¥32,977 欧州司法裁判所がビットコインを課税対象外と判決
2016年12月 下落 ¥61,296 先月比−13% 香港の最大手のビットコイン取引所bitfinexがハッキングを受け、約12万BTC(約6347万ドル)が盗難される
2017年3月 高騰 ¥145,790 ビットコインが2013年以来の史上最高値になった
2017年8月 上昇 ¥463,318 SegWitが有効化されたため、処理能力が上昇
2017年9月 下落 ¥414,061 中国政府はICOを全面禁止
2017年12月 高騰 ¥2,227,388 ビットコイン先物上場が決定
2018年1月 下落 ¥1,154,260 日本の仮想通貨取引所であるcoincheckがハッキング被害を受け、約580億円が盗まれた史上最大級の仮想通貨盗難事件が発生

世界各国で仮想通貨の規制が始まる

2018年4月 上昇 ¥861,550 前日比+19% ヤフーの子会社ビットアルゴが2018年秋から仮想通貨取引所を開始するニュースが流れる

表から見ると、ビットコインのボラティリティが高く、特に近年、価格変動が激しいことが分かります。

ビットコインのボラティリティが高い理由

市場が不安定である

ビットコイン市場は誕生してからまだ歴史が浅く未成熟であり、小さな出来事でも価格変動に影響を与えます。

また、他の投資商品と同じ、ビットコインの需要と供給の変化により、ボラティリティも高くなります。

例えば、仮想通貨の人気が高まれば、購入する人が大勢集まると、需要が上がり、価格も増加します。

また、破産した取引所Mt.Goxの管財人が大量のビットコインを放出したように、供給が増えると、価格が下がります。

外部からの影響

仮想通貨業界における大きな影響力を持つ投資家は多くいます。

有名な投資家の言動により、ビットコインの価格に深刻な影響を及ぼす可能性があり、ビットコインのボラティリティが高くなりやすいです。

規制による影響

仮想通貨業界は規制がまだ成熟していません。

各国の政府による限定的な規制は、市場操作を招き、ボラティリティが高くなりやすいです。

例えば、中国政府がICOを全面禁止した際、ビットコインの価格が急落しました。

機関投資家の欠如

現在、ビットコインなどの仮想通貨に関心を持つのはベンチャー企業や個人であり、大手金融機関などの機関投資家はまだ参入していません。

機関投資資金は、投資市場のボラティリティを緩和させることができると思われます。

そのために、機関投資家が欠如することも、ビットコインのボラティリティが高くなる理由の1つです。

現在、ビットコインETF上場の申請がされていますが、ETFが承認された場合には多くの機関投資家の参入が予想されます。機関投資家の多額の資金が流入してくることでビットコインの信頼性が向上し、ボラティリティが小さくなることも考えられます。

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ビットコインのボラティリティが高いことのメリット・デメリット

メリット

ビットコインのボラティリティが高いほど投資のリスクは高いですが、同時に短期的に大きく利益を取る可能性も高いのです。

ハイリスク・ハイリターンというのは、ビットコインのボラティリティが高いメリットです。

デメリット

ビットコインのボラティリティが高いデメリットの1つとは、投資商品として安定性がないことです。

また、ビットコインのボラティリティが高いと、決済手段として使いづらくなるということもデメリットの1つとして取り上げられます。

まとめ

ビットコインのボラティリティが高いほど、投資のリスクが高くなりますが、短期には大きく利益を上げる可能性も高いです。

ビットコインの未来を自分で考え、判断・予測し、今後の発展を期待しましょう。

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参考サイト:

”https://www.cryptocompare.com/coins/guides/5-things-you-need-to-know-about-bitcoin-volatility/”

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