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これからの「金融」の形?銀行と仮想通貨が手を組む最近の流れに迫る

2018.08.24

<この記事(ページ)は 10分で読めます>

目まぐるしい変化を見せる仮想通貨界ですが、最近既存の銀行や金融システムと取引所や仮想通貨がタッグを組む例が見受けられるようになりました。

例えば、Binance(バイナンス)が分散型銀行に出資を決める、ライトコインがドイツの銀行株を取得するといった例があります。

果たしてその意図は何なのでしょうか?
今回は、各ニュースの概要をおさらいしてその経緯や各取引所・コインの狙いを探理、今後の仮想通貨と既存システムとの関係について考えてみましょう。

Binance(バイナンス)が『分散型銀行』に出資

Binance(バイナンス)が「分散型銀行」に出資」というニュースが先月話題になりました。
24時間当たりの取引量がOKExに次いで第2位を誇る(2018/07/31現在)世界最大級の規模を誇るBinance(バイナンス)が、分散型銀行:Founders Bankの株式5%分(およそ1億5500万ドル相当)を出資したというのです。
まだローンチはされていませんが、「世界初の分散型銀行」というその目新しさから注目を集めました。

しかしそもそも、取引所であるBinance(バイナンス)がなぜ、分散型銀行への出資を決めたのでしょうか?
「分散型銀行」について調べると、その狙いが見えてくるかもしれません。

Binance(バイナンス)が出資した分散型銀行とは?

今回Binance(バイナンス)が出資した分散型銀行は、Founders Bank(ファウンダーズバンク)といいます。

Founders Bank HP

<基本情報>Founders Bank公式ホームページ、Mediumより

・拠点:マルタ島

・幹部:Michael Bianchi氏(Founders Bankのトップ兼共同創始者)

・ローンチ:2019年上半期

・公式スポンサー:Neufund, Binance

・ 補足:2018年中に、Neufund上のプラットフォームを通じてEquity Token Offering*を行う。
仮想通貨ビジネスに焦点を当て、一流の銀行サービスを提供。モバイル、デスクトップから口座にアクセスすることが可能で、クレジットカードとも連携させる予定。

スマートコントラクトに基づいたブロックチェーンスタイルの統治形式により、顧客がソリューション開発の決定を行うことができます。

*Equity Token Offering:

資金調達の新しい形。どんな企業でも、ブロックチェーン上にEquity Tokenを発行することができる。法律的には証券に該当し、KWGとVermAnIGに従って行う。但し、アメリカ合衆国の法律は不確実な箇所を一部含んでいるため、アメリカ合衆国の企業は、受け付けることができない。

スマートコントラクトに基づく運営スタイルが、とても革新的な銀行サービスに思えますね。
Founders Bank(ファウンダーズバンク)の最大の特徴は、何と言っても世界初となる「コミュニティー:foundersによって所有される「分散型銀行」である」という点です。
公式Mediumでは、「銀行業の未来の姿」とも言われており、マルタ当局に承認されれば、世界初の分散型銀行となります。

Neufundとは

ベルリンを拠点とした証券のトークン化に関わるプラットフォーム、プロトコルを提供している。いかなるタイプの証券や金融商品でも、トークンとして発行することができる。中でもEquity Token Offering (ETO)は先駆的であると話題になっている。

Binance(バイナンス)の狙い

承認されれば、世界初となる「分散型銀行」に出資をしたBinance(バイナンス)。その狙いは何でしょうか?
Binance(バイナンス)の最近の動向やCEOの発言を見ると、「従来の銀行とデジタルトークンをつなぐ」ということが鍵となりそうです。
なぜなら、「中央集権型の従来の金融システム」と「分散型ネットワークの仮想通貨」の統合は、今後浸透していくとBinance(バイナンス)は予想しているからです。

Founders Bankは、既存の銀行と仮想通貨産業を繋いで一流の銀行サービスを提供することを目指しています。
今回の出資は、そうした未来の姿を想定したものと捉えることができるのではないでしょうか。

と言うのも、Binance(バイナンス)は中央集権型取引所と分散型取引所は近い将来共存すると考えており、ここからBinance Chainと言うものを構想しました。

<Binance Chainとは>

Binance Chainはパブリックチェーンとなることを目指しています。
ブロックチェーンによる資産の新しい可能性を提供することに加えて、主にブロックチェーンによる資産の取引に焦点を当てるようです。
Binance Chainにおいては、BNBが基軸通貨となる予定です。
Founders Bankのような従来の金融システムと新しい技術を持つ仮想通貨の橋渡し役を担う存在は、珍しいものではありません。
仮想通貨や利用される技術をこれまでの体制に組み込み発展させていくことは、今後主流となり得ます。
「銀行の未来の姿」とも言われるFounders Bankに出資をすることで、従来の中央集権制に対抗するのではなく、相補う分散型×中央集権体制に備えようとしているのかもしれませんね。

ライトコインが銀行を買収

Binance(バイナンス)が分散型銀行に出資をするニュースの傍、似たような動きがありました。
2018年7月、ライトコイン(LTC)を開発するLitecoin Foundationが、TokenPayと提携してドイツの銀行(WEG Bank AG)株を9.9%取得しました。
今回の提携により、WEG Bank AG*の株9.9%の所有権がTokenPayからLitecoin Foundationに移ったかたちとなります。
したがって、Litecoin Foundationが資金を出して株を買収した訳ではありません。

ライトコインの特徴・将来性については、こちらで詳しく取り上げています。

仮想通貨のライトコイン(litecoin,LTC)とは?その価格、特徴、将来性について

*WEG Bank AG:2015年設立 CEO Matthias von Hauff氏が2つ目に設立した銀行

チャーリー・リーのコメント

ライトコインのこのニュース後、ライトコイン創始者チャーリー・リー氏はRedditにて今回の提携の経緯や自身の立場、今後の計画について明らかにしました。

「今回買収した銀行と共同で取り組めば、我々はデビットカードや商取引、その他の革新的な仮想通貨によるソリューションを生み出し、提供することができるようになる。」

リー氏は今回の提携で、銀行とタッグを組んだ新しい仮想通貨サービスの提供が実現することを期待しているようです。
また、「この提携はライトコインとTokenPayの両方がウィンウィンになれるものだ。私はライトコインがWEG Bank AGに導入され、ライトコインを誰でも簡単に売買できるようなサービスが提供できることを楽しみしている。」とも述べています。

リー氏の描くベストなシナリオは、自身が発言権を持つWEG Bank AGが、仮想通貨サービスに乗り出すことです。
ちなみにWEG Bank AGのCEOであるMatthias von Hauff氏は、「銀行は将来的に、現代的な決済手段を取り入れることは避けられない」と述べています。

ライトコインが銀行を買収、その意図とは

TokenPayとの提携やドイツの銀行株買収ニュースには、どうやらそれぞれの思惑が合致した結果であったようです。
なぜなら、TokenPayはWEG Bank AGの株と引き換えに、ライトコインからブロックチェーンに関する技術的サポートなどを受けることができますし、
ライトコインはTokenPayと提携することでTokenPayが持つドイツのWEG Bank AGの株を得ることができます。
その上銀行株の所有により、銀行の運営に発言権を得ることもできます。
結果、銀行が仮想通貨サービスを導入する際に有利に運ぶことができるようになります。

仮想通貨に関連している疑いがあった場合、その口座を閉じてしまう銀行もあります。
そこで、銀行株を買収し銀行の運営において発言権を持てるようになれば、状況が変わるのではないかという狙いがあるとも推察できます。
果たしてシナリオ通り、既存の金融システムとタッグを組むことで新たな仮想通貨サービスを生み出すことはできるのでしょうか。

これからの「金融」の形?銀行と仮想通貨が手を組む最近の流れに迫る、まとめ

先月あった大手仮想通貨業者による既存の金融システムとの関わりをおさらいし、その背景について考えました。
2017年に仮想通貨が世界的に大きく注目を集めて以来、各金融機関や従来の金融システムは対応を求められており、大きな転換点に来ていると言えます。
しかし柔軟な対応を求められているのは仮想通貨業界も同様です。
既存のシステムや体制とどのように向き合っていくのか、
どのように新しいサービスを生み出すのか、それぞれの動きに注目が集まっています。

今はまさに、「銀行」・金融システムの過渡期にあるのかもしれません。
今後もこうしたニュースから目が離せません。

参考サイト:
“https://globenewswire.com/news-release/2018/07/10/1535672/0/en/TokenPay-and-Litecoin-Announce-an-Extensive-Crypto-Strategic-Partnership.html“
“https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-03-13/crypto-exchange-binance-launches-decentralized-trading-network“
“https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-07-12/binance-backs-plan-for-bank-in-malta-with-digital-coin-investors“
“https://neufund.org/fundraise-with-equity-token“
“https://medium.com/@foundersbank/founders-bank-first-decentralized-community-owned-and-blockchain-friendly-banking-solution-c2da8a4034f2“
“https://www.tokenpay.com/litecoin“
“https://www.coindesk.com/litecoin-creator-charlie-lee-explains-role-in-bank-stake-purchase/“
“https://globenewswire.com/news-release/2018/07/10/1535672/0/en/TokenPay-and-Litecoin-Announce-an-Extensive-Crypto-Strategic-Partnership.html“
“https://www.coindesk.com/binance-exchange-backs-first-ever-decentralized-bank-in-malta/“
“https://support.binance.com/hc/en-us/articles/360001668872-Binance-Chain“

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