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仮想通貨はどのように開発されるのか~開発の流れを理解しよう~

2018.11.07
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2018年9月時点で世界中で取引されている仮想通貨は2000種類以上も存在しており、そのほとんどが今もなお開発中です。このように数々の仮想通貨の開発が行われていますが、仮想通貨の開発がどのように行われているのかはあまり知られていないのではないでしょうか。仮想通貨の開発現場の実情についてご紹介します。

仮想通貨開発の流れ

仮想通貨開発は、低い手数料、高速取引などを目的とした仮想通貨自体の開発が目的のプロジェクトもありますが、多くはこうした目的ではなく、あるプロジェクトの一環として行われることもあります。すなわち、プロジェクトで提供されるサービスを利用するために必要となったり、単に資金集めだけに発行されたりすることもあります。
では、そんな仮想通貨の開発の大まかな流れを見てみましょう。
簡単に仮想通貨開発の流れを図に示します。

仮想通貨開発の流れ

あくまでもざっくりとした流れであり、多少前後したり、並行して行われたりしています。
取引所への上場は、ICO後に実際の開発と並行して行われるため、仮想通貨の開発が完全に終了してから上場しているわけではないことにも注意してください。2018年9月時点でいうと、上場している仮想通貨でもほとんどのプロジェクトが進行中であり、まだ開発が完了していません。また、プロジェクトによってはエコシステム内部のみで使用するために上場する必要がない仮想通貨も存在します。

以降ではOmiseGOという仮想通貨を参考にして各ステップに関して仮想通貨開発の流れを見ていきましょう。OmiseGOについて詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。
OmiseGO(仮想通貨四季報)

OmiseGOの開発ロードマップは以下のようになっています。

OmiseGo-roadmap

プロジェクトのキックオフ

プロジェクトを始動させる上で構想は非常に大切です。
プロジェクトの最終目標、成長性、実現可能性はもちろんのこと、仮想通貨を発行するのであれば、プロジェクトと仮想通貨の関連性、仮想通貨に付加される価値、仮想通貨の価値の将来性といったことも考える必要があります。ここではそれらをまとめた、仕様書と計画書の作成を行います。

スタート

上で示したOmiseGOのロードマップ上にはプロジェクトのキックオフ部分については書かれていませんが、簡単にOmiseGOの始まりについて説明します。
2015年にOmiseの傘下として、ブロックチェーン技術により企業が持つ実世界の支払いのニーズを解決する方法を探るためにOmiseブロックチェーン研究所が作られました。その後、リアルタイムの取引と決済サービスを可能にする、アクセスが容易でインクルーシブな金融テクノロジープラットフォームを構築するという使命を持ち、OmiseGO Pte.Ltdが設立されました。

ICO

ICOを行わないプロジェクトも存在しますが、多くのプロジェクトでは上場前に、開発資金調達のためにICOを行っています。ICOとは簡単に言うとIPO(新規株公開)やクラウドファンディングのようなもので、開発のための資金集めや通貨を流通させることが主な目的です。
ICOの詳細や参加方法について知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

ICO の仕組みと参加(購入)方法

ICOの段階では、プロジェクトはまだ構想の段階であり、開発は全く進んでいないことがほとんどです。出資者は公式ウェブサイトやホワイトペーパーの情報をもとにICOに参加するか否かを決めることになります。したがって、ICOまでにホワイトペーパーと公式ウェブサイトを作成しておく必要があります。もちろん、ICOまでにトークンを発行し、トークンを保管するためのウォレットを開発しておかなければなりません。
ICOには購入条件などが異なるプレセールとクラウドセールの大きく2種類があります。
OmiseGOのロードマップでは一番上のOMG Token SaleがICOに当たります。

プレセール

構想をもとに、公式ホームページやホワイトペーパーを公開して、特定の人物や団体(一部の大口投資家やプロジェクトに近い人物など)に対して、提案を行います。プライベートセールと呼ばれることもあり、一般の方には公開されないことがほとんどで、非公開のトークン販売方式です。もっとも安くかつ早くトークンを入手できますが、情報がほとんど何もない段階なので、リスクも最も大きいです。有名なものに、Telegram(テレグラム)が行ったプレセールがあります。計2回行われたプレセールでは総額約1800億円(各回約850億円)の資金調達が行われたと言われています。テレグラムの場合、十分な資金が調達されたために、一般向けのICOであるクラウドセールは行われませんでした。

下図は2014年1月から2018年2月の間に行われたICOの調達資金を視覚的に表したものです。なお先ほど紹介したテレグラムの第二回のプライベートセール分は期間外なので含まれていません。
ICOの規模はプロジェクトによりまちまちです。ここでICOでの調達資金が多いほど優れたプロジェクトであるとは限らないことに注意してください。そのプロジェクトに必要なだけの資金を調達できれば、ICOは成功したということになります。

ICOの規模

“https://elementus.io/visualization-token-fest”

クラウドセール

クラウドセールとはプレセールの次に行われる販売方式です。ビットコインやイーサリアムでトークンを購入するのが一般的です。一週間や一カ月など特定期間での販売が行われます。プレセールに比べれば高い価格での購入になりますが、プレセール時よりもインターネット上に情報が充実しているためリスクは小さくなります。ただし、上場後に比べると安く購入することができたり、購入特典がついていたりすることが多いです。逆にまだ上場できるかどうかはわからないため、上場後に比べるとリスクは高いです。

OmiseGOの場合は2017年6月にICOを行いました。目標額2500万ドルの調達に成功しました。

取引所上場

取引所でトークンを上場させて取引ができるようにまでなるためには、その取引所での仕様に合わせた開発が必要となります。
また、仕様の開発の他に、ホワイトペーパーに特定の情報の掲載が必須であったり、その国々での法律上の問題をクリアしたりする必要があります。

取引所に上場するためには上場の申請をして承認される必要があります。承認基準に関しては各々の取引所毎に異なりますし、明確に基準が公表されていないことが多いです。明らかにはされていないものの、例えばHitBTCの申請にはRedditとBitcointalkの公式スレッドの存在が必須です。Binanceの上場のためのヒントにはユーザーの数、開発チームの実績、プロジェクトの有益性といったものが示唆されています。
ただし、応募したとしてもBinanceの上場のためのヒントに、98%返信しないとも書かれているあたり、非常に審査は厳しいと思われます。また、具体的な費用についても明確にされていませんが、一般的に上場に必要な費用は巨額であるといわれています。

ブロックチェーン・アプリケーションの開発

プロジェクトの構想に従って仮想通貨の開発が進められていきます。公式ホームページやホワイトペーパーでロードマップを公開しているプロジェクトが多いです。
前述したとおりに、これらの開発は長期に恒久的に継続していく性質があります。厳密にはブロックチェーンを用いていない仮想通貨も存在しますが、多くの仮想通貨ではブロックチェーンを用いているため、ここからは開発をブロックチェーン開発とアプリケーション開発に分類して見ていきましょう。

プログラマー

ブロックチェーン開発

ブロックチェーンは仮想通貨の根幹ともいえる部分です。ブロックチェーンの性質の違いが仮想通貨の性質を決定するといっても過言ではないかもしれません。例としてBitcoinとEthereumのブロックチェーンを簡単に比べてみましょう。
詳しくはここでは触れませんが、図に示したようなブロックチェーンの違いが仮想通貨としての性質にも大きな影響を与えます。これらの違いによりブロックサイズ問題や送金速度、マイニング方式といった主要な機能に差が出ます。

Bitcoin Ethereum
ブロックサイズ 1MBが上限 Gasと呼ばれるものにより変動
ブロック生成時間 10分 15秒
承認方式 PoW PoS
スマートコントラクト なし あり

OmiseGOの場合は、スケーラブルブロックチェーン開発の中にある、Plasma技術が特徴的です。スケーラブルブロックチェーン開発の開発ステップとして、Plasma MVPの実装を行っています。MVP(minimum viable product)とは日本語では実用最小限の製品という意味で、事業における仮説検証を行うために用いられる手法です。最終的には合意形成アルゴリズムとしてPoSを採用する予定ですが、複雑さはリスクの増大に繋がるため、簡単なPoAで実装しています。ハイブリッドPoSを経て完全なPoSに移行する予定です。

また、ブロックチェーン開発では、ゼロから開発を行うのは大変であるため、まずはERC20を利用したり、他の既存仮想通貨をベースとしたりして仮想通貨を発行することがよくあります。その後、開発が進めば、独自のブロックチェーンへと移行する予定であるということが多いです。
このように、仮想通貨を始めとしたブロックチェーンプロジェクトでも、一般的なスタートアップ企業と同様に最低限の機能を持たせた製品をリリースして、順次機能を追加しいていき最終的に完成に至るという道をたどることが多いです。製品を順次リリースしていくことは、需要の確認やプロジェクトの進行状況や実現可能性を世間に示すのに役立ちます。

アプリケーション開発

プロジェクトのエコシステムを提供するためのインターフェースや機能開発です。
OmiseGOの場合、分散型取引所(DEX)機能、スケーラブルブロックチェーン、アプリケーションインターフェースの開発を行っています。アプリケーションインターフェース開発とはウォレットやエコシステムのサービスを利用するためのアプリケーション開発のことです。OmiseGOの場合、目標である決済サービス実現のために、Plasma技術をもとにした分散型取引所の開発も行っています。
ロードマップを見るとブロックチェーン開発同様に、ウォレットについてもアルファ版、ベータ版と順次リリースしていることがわかります。
上のOmiseGOのロードマップを見ると、Tendermint DExとCosmos DExがDEXのロードマップから外れていることがわかります。実は古いロードマップではこれらはロードマップの主流に含まれていました。このように開発を進めていくなかで、当初のロードマップが変更されていくことは多々あります。OmiseGOの場合は開発が大きく遅れているということはありませんが、予定より遅れが生じているプロジェクトも多く存在します。

コミュニティの活性化と流通の拡大化

多くの利用者に開発した仮想通貨を使ってもらうためにはコミュニティの存在が欠かせません。コミュニティが規模や活発さはそのプロジェクトや仮想通貨への期待の表れと言えます。開発と並行して、プロモーションを行い、通貨の流通拡大とコミュニティの発展を目指します。流通を拡大させるために、特定の条件を満たすウォレットに対して、無料でトークンを配布するエアドロップを行う仮想通貨も存在します。OmiseGOは、総OMG発行量の5%を、0.1ETH以上を保有するウォレットにエアドロップで配布しました。

まとめ

仮想通貨開発の流れについて見てみました。仮想通貨の値動きに比べると、あまり注目されることのない仮想通貨開発の流れですが、少しは理解が深まったのではないでしょうか。
まだまだ進行中のプロジェクトばかりなので、開発の進行具合はとても大事な判断材料にもなります。今回は仮想通貨開発の流れを見ていきましたが、実際に開発を行う場合には自社内だけでなく、外部の企業に依頼して開発を行う場合もあります。外部企業に依頼する場合、開発内容によって適切な開発方式を選ぶ必要があります。

NEXT 仮想通貨の開発ってどんな方法があるの?

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