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時価総額ランキングトップ3には常に君臨する仮想通貨、リップル。
2018年の年明けの暴騰以来、目立った価格上昇は起こることなくそのままゆったりと低迷しながら2019年に突入してしまいました。
2019年は期待できるの?リップルは本当に実用性が見込めるのか、2019年は期待ができるのか?
そんな疑問に答えていきます。
さっそく価格予測をみる「リップル(Ripple,XRP)、どこまで上がる?」
そもそもリップル(Ripple,XRP)とは、どんなコイン?
リップルの価格予想をみる前に、まずはリップルについておさらいしましょう。
リップル(Ripple,XRP)の過去の値動きと現在の価格
こちらは、2017年11月からのチャートです。1年と数ヶ月分を俯瞰して見ると、やはり2018年1月の急騰が圧倒的に目立ちますね。
その後は緩やかに下降しました。2018年2月、5月、10月に入ったタイミングで少しの価格上昇もありましたが、2018年は概ね0.4ドル付近を推移し、2019年になると0.3ドル台で推移しています。
リップルの現在の価格はこちらです。
Ripple(リップル:XRP)とは
リップルとは、ブロックチェーン技術と銀行の送金システムを組み合わせた国際送金システムです。
シリコンバレーにあるリップル社が管理主体となって運営しており、彼らによって取引は承認されています(この仕組みはProof of Consensusと呼ばれます)。
ローンチと同時に全1000億XRPが発行されたので、マイニングは必要ありません。
xRapid / xCurrent / xViaといったシステムに加えて、モジャループやILPといった技術も注目されています。
こうした高度な技術や「国際送金」というその用途から、各金融機関における実用化を大いに期待されているのです。
リップルの国際送金ネットワークの仕組みや、モジャループやILPといった技術について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
加速する実用化:リップル(Ripple,XRP)の導入事例
リップルは様々な金融機関・企業との提携を発表しています。以下リップル公式サイトより一部を抜粋。
金融機関
イングランド銀行やタイ銀行などの各国中央銀行、メリルリンチやバークレイズ、クレディ・スイスなどのグローバル金融などです。
加えて、実は国内でもメガバンク3社を始めとし、ゆうちょ銀行や横浜銀行などの地方銀行、セブン銀行、イオン銀行といったあらゆる金融機関がリップルとの提携を推進しています。
日本国内の提携銀行だけでも、全てを列挙しようとすると収まりきらないほどで、なんと50近くあります。
IMFなどの国際金融体制がリップルを重視していることもあり、今後さらに利用機会が広がっていくと考えられますね。
企業
コンサルティング企業のアクセンチュア、会計事務所のデロイト・トウシュ・トーマツ、IT企業のIBMなど、グローバル企業も各社リップルとのパートナーシップを締結しています。
iPhoneでおなじみのアップルも、自社サービスのApple Pay(アップルペイ)にリップルのILPを導入すると発表しています。
NEXT ところでリップルの価格を予想する判断基準は何なのか?
リップル(Ripple,XRP)のプロジェクト
リップルは単にプラットフォームとして他企業と提携するのみならず、新しいプロジェクトを立ち上げることにも意欲的です。
SBI Ripple Asia プロジェクト
https://ripple.com/sbi-ripple-asia/
特に規模が大きいプロジェクトとしては、SBI Ripple Asiaが挙げられるでしょう。
SBIホールディングスとリップル社は合弁会社を日本に設立し、外国為替と内国為替を一元的に扱うような決済プラットフォームを構築しようとしています。
Xpring(スプリング) プロジェクト
https://ripple.com/insights/welcome-to-xpring/
Xpringプロジェクトでは、リップル社が起業家支援を行います。
ブロックチェーンを活用して起業したい人たちにネットワークやプロジェクト投資、インキュベーション支援を行い、フィンテックビジネスの発展に寄与します。
結果的に多様な方面でのビジネス展開を生み出すことになり、さらにリップルの勢力範囲を拡大することができるというものです。
2019年2月には、ジャスティン・ビーバー氏のマネージャーであるScooter Braun氏、大手レコード会社に在籍していたZach Katz氏がこのプロジェクトを活用して音楽業界に変革をもたらすブロックチェーンプロジェクトを立ち上げることが発表されました。
Hyperledger (ハイパーレッジャー)コンソーシアム
IBMやLinuxらが立ち上げたことで有名なブロックチェーンのコンソーシアム、Hyperledger(ハイパーレッジャー)。
リップル社はNTTデータとの協同により参入し、Hyperledger Quiltというプロジェクトを提出しました。
このプロジェクトは、Hyperledgerのブロックチェーンと他のブロックチェーンをつなぎ価値のインターネットのビジョンを実現するかもしれないと期待されています。
2019年のリップル(Ripple, XRP)は?
2019年、リップルにとってどのような動きがありそうなのか最近の流れとともに見てみましょう。
「Xrapid」の本格始動
「Xrapid」は、XRPを活用して国際送金をスムーズに行うプラットフォームのことです。
2018年5月に公開されたパイロットテストの結果によると、国際送金に「Xrapid」を用いることで、コストは従来の40~70%減少、送金時間は2分ほどでした。
一般的な国際送金は平均で2~3日を要するため、「Xrapid」の実用化が進めば、国際送金に革命が起きると言うこともできるでしょう。
2018年には、リップルのカンファレンス「SWELL」にて「Xrapid」の商用発表がなされました。
MercuryFX社、Cuallix社を始めとし、続々と複数のファイナンス関連企業が「Xrapid」の採用を発表しており、2019年1月にはEuro Exim Bankが銀行として初めて「Xrapid」の採用を発表しました。
さらに、2019年2月にバイナンスCEOのChangpeng Zhao氏が初めて行ったライブストリーミングで、「Xrapid」について「今後仲間に入れたいと思っている」(※1)と発言しており、「Xrapid」は2019年益々飛躍することになりそうです。
※1: “https://www.pscp.tv/w/1mrxmYRaXYnxy” (Periscope, Changpeng Zhao氏ライブストリーミングリプレイ放送URL)
SWELLに関しては、こちらの記事「リップラー必見!2018年SWELL特集&XRPへの価格影響は」で価格への影響なども含め解説しております。
対応通貨ペアの増加
XRPは国際送金に用いられることを想定しているため、将来的にはあらゆる法定通貨同士を繋ぐブリッジ通貨としての役目を担うことになります。
よって、リップルの国際送金にまつわる「Xrapid」「Xcurrent」などのプロジェクトが進むと、ブリッジ通貨としての需要が拡大し対応通貨ペアが更に増加することが考えられます。
既に近年、XRPとの法定通貨ペアを追加する海外取引所が増えているので、今年プロジェクトの進捗が加速すればこの流れはさらに拡大すると考えられます。
XRPとの通貨ペア、対応取引所の増加は、ビットコインの価格変動に左右されにくく、価格の安定化に繋がります。
NEXT 2018年リップルはいくらになる・・・?
リップル(Ripple,XRP)、どこまで上がる?
以上より、リップルは多くのプロジェクトを抱えていることが分かりました。
価格もプロジェクト進捗に伴って動いて欲しいところですが、ここで、専門家たちがリップルの今後の価格をどのように予想しているのか見てみましょう。
予想1: 1年後(2020年2月)には0.02ドルに5年後(2024年2月)には0.006ドルにまで下落
Wallet Investorというサイトは、かなりシビアな見方をしています。
1年後のみならず、長期的に見ても価格の上昇はあまり期待されていないようです。
しかし半年前の予想では、2023年8月には3.40ドルにまで上昇するという、かなりポジティブなものであったため、予想が今後大きく変動することも大いに考えられます。
予想2: 2019年末には0.12ドルにまで下落し、2020年いっぱいは下落傾向。2021年末までに0.24ドルまで微回復
The Economy Forecast Agencyというサイトは、リップルの価格に関してむこう2年間は厳しい見方をしています。
今年もさらに価格が下降すると見立てているようです。
ただ、2022年末には0.42ドルに上昇すると見られており、長期的には将来性があると見ることもできます。
The Economy Forecast Agencyは、法人向けに金融市場の長期予測を行うことを専門とする会社です。
資源価格やFXレート、利率、株式指標、マクロ経済指標などを対象に、実在する歴史データを基にして数学的・統計的な手法を使い分析しているようです。
予想3: 2019年末には0.10ドルにまで下落する
Finder.comというイギリスの比較サイトのパネリストであるケープタウン大学のCo-Pierre Georg氏は「仮想通貨の全体的な下降トレンドを予測する。特にXRPは、単なる決済システム以上の価値を提供する持続的なビジネスモデルを創造することに失敗している。」とリップルのプロジェクト自体に対して懐疑的な見方を示しています。
ここまで、XRPの価格、リップルの将来性について慎重な見方が並びましたね。
やはり、2019年の突然の上昇トレンド到来というシナリオは厳しいのでしょうか。
しかし、以下のように予想する専門家もいます。
予想4: 2019年末には0.5ドルまで上昇する
同じくFinder.comのパネリスト、WISHKNISHのAlisa Gus氏は「より多くの銀行が採用することで、価格も上昇するだろう。最近は下降トレンドが続いているものの、[リップルが]さらに前進するだけの燃料がタンクにはまだあると自信を持っている。そして、BTCの価格変動列車から分岐して進んでいくだろう。」としています。
「Xrapid」などリップルのプロジェクトの進捗と実用化が今後価格に反映されると見る意見ですね。
予想5:2019年末には0.6ドルまで上昇する
最後に、Finder.comから、Joetechnologist.comのJoe Raczynski氏の予想をご紹介します。
「リップルの下降トレンドには傷心していた。パイロットテストで確かな結果が発表されても価格には反映されなかった。コイントスのように、1度何かの刺激を受ければ簡単に価格の動きはバウンドするはずだが、何もなければこのままの状態が続くかもしれない。短期的には不確実性が高いが、長期で見れば利益は生まれるだろう。」
こちらも、進む実用化に未だ伴っていない価格変動も長期的にはついてくるだろうと見る意見でした。
以上2つは2019年中のXRPの価格上昇を支持する予想でした。
しかし、価格予想はあくまで予想です。予想ばかりにとらわれて、仮想通貨自体の概念、技術の素晴らしさを見失うことだけは避けたいものですね。
NEXT なぜ、世界の銀行はリップルを使うのか?
リップル(Ripple,XRP) の有用性を改めて考える
では、ここからはリップルのプロジェクトに本当に有用性があるのかを分析してみましょう。
リップルの価格予想に共通している要素
紹介した予想の根拠として、「国際送金」とリップルの「技術面」に期待をしているということが共通点として挙げられます。
確かに、リップルのサービスが各金融機関に採用されて実用化されれば、国際送金はグッと便利になり世界の金融システムは大きく変化します。リップルのサービスはそれだけ規模の大きいものなのです。
だからこそ、リップルのサービスの実現によって価格がこれだけ上がるだろうと予想しているのです。
銀行はリップルのサービスを利用するのか
銀行が実際、リップルのサービスを採用するのかどうか、そこが鍵ですね。
未来のことを予想することは難しいですが、以下のデータは考える上で大いに参考になり得ます。
こちらはイギリスのケンブリッジ大学のチームが発表した調査結果です。
データによれば、調査に回答した銀行の5行に1行が2年以内にブロックチェーン技術を利用すると回答しています。
さらには、全体の約40%が今後10年の間にブロックチェーン技術を利用すると回答しています。
リップルの価格予想では、銀行を初めとした金融機関が実際にリップルのサービスを採用するのか否かが焦点となっている訳ですから、このデータ通りに各金融機関が利用すれば、実用化へ大きな1歩となります。
SBIグループの動き
SBIホールディングスの取締役社長である北尾吉孝氏は2018年10月30日、決算説明会にてリップルの今後を考える上で大変参考になる意見を述べました。
・SBIとしては、リップルの技術を使って国際送金を効率化する方針であること
・リップルとR3が和解したことを通じて、本格的にR3にXRPを使わせるプロジェクトを作る方針であること
・リップルとR3が手を組めば、国際送金以外にもほぼ全フィールドをカバーできるようになること
・これによりXRPが広範囲で使われるようになる可能性があること
こうした点について、現在議論を進めているとのことです。
冒頭でも紹介した通り、SBIグループはリップルの活用にとても意欲的で、急速にサービスや開発を進めています。
このように実用化が進めば進むほど、リップルは単なる短期的な投機対象ではなく今後も発展していく仮想通貨となるのかもしれません。
世界の現状とも併せて考えてみる
もう少し現実的なデータや数字と併せてリップルの実用化をイメージしてみましょう。
皆さんは「国際送金」において、どれくらいの金額が実際取引されているかご存知でしょうか?
データによれば、2016年の国際送金取引金額は、総額5750億ドルに及ぶそうです。
発展途上国への支援金・企業間のやり取り・個人の送金などなど、確かにボーダーレスに動く今の世の中、国際送金には大変な需要があります。
リップルは各銀行はもちろんのこと、カード会社のような決済サービス関連会社とも提携していましたよね。
カード会社との提携も、リップルの普及・拡大には大きな要素です。
各クレジットカード会社の売上データを見てみましょう。
カード会社名 | 顧客購入額 |
Visa | 約1.2兆ドル |
American Express | 約6680億ドル |
MasterCard | 約6070億ドル |
カードを利用して莫大な量のお金が動いていることがわかります。
こうしたカードの利用は先進国だけの問題ではありません。インドを例にとって考えてみましょう。
実はインドのカード決済率は約34.5%です。
世界で2番目の人口の多さを誇るインドですが、国民が利用するカードにリップルのサービスが適用されたら、どうなるでしょう。
このように具体的なデータを踏まえて分析すると、リップルの実用化がいかに大きな問題かが推測できます。
リップル(Ripple,XRP)はどこで買えるの?
リップルを買うなら、取引手数料・出金手数料無料のGMOコインがおすすめです。
東証一部上場のGMOインターネットグループが運営しているため、セキュリティ面や管理体制で安心して取引することができます。
GMOコインでリップルを購入するときに知っておきたいポイントも、以下の記事でご紹介しています。
リップル(Ripple,XRP)の価格予想について、まとめ
いかがでしたか?
ビットコイン同様、リップルにもこうしてたくさんの価格予想がありました。
予想価格は様々でしたが、共通していたのはリップルのサービス実用化への期待でした。
言い換えれば、リップルの技術開発や各金融機関との開発が順調に進んで実用化されれば、これらの予想は現実となるということです。
紹介したデータや最新情報からご自身でもリップルの今後の価格を予想してみてはいかがでしょうか。
リップルの価格変動は、技術開発・実用化の進捗と密に関係しています。
常にアンテナを張って、リップルの今後の動向に注目しましょう!