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テレグラム(Telegram)が一般向けICOを中止?

2018.04.12
テレグラム(telegram)がICOを禁止?

<この記事(ページ)は 6分で読めます>

以前、「テレグラムがICOを実施、既に8億ドル以上を集める」で、テレグラムのICOは3月にパブリックセールを行う予定だとお伝えしました。
過去最大のICOと評されることもあり、購入を心待ちにしている一般投資家の方も多いプロジェクトです。

しかしコインデスクの記事によると、SECに提出された資料や有識者の意見から、パブリックセールが中止される可能性が考えられるということなのです。

テレグラム(Telegram)のICOはすでに目標金額を調達済み

テレグラムは、当初の予定では目標金額である12億ドルのうち6億ドルを一般投資家向けのパブリックセールで調達する予定でした。

しかし、SECの資料によると2つの先行プライベートセールですでに17億ドルが調達されているということです。

そのため、パブリックセールを行わないのではないかと考えている人もいるというわけなのです。

その理由は、一般投資家から資金を調達することに非常に労力がかかるからです。

テレグラムのブロックチェーンであるテレグラム・オープン・ネットワーク(TON)はまだ完成しておらず、トークンであるgramを誰も受け取っていません。

そのため、テレグラムはSAFT(Simple Agreement for Future Tokens)の元に、将来のgramの受け取りを約束するIOUを発行しているに過ぎません。

つまり、テレグラム社は証券を販売しているということになります。(例外もありますが、基本的に適格投資家以外の人に証券を販売することはできません)。

Morgan Creek Capital BlockchainのジェネラルパートナーであるAnthony Pompliano氏は、「規制が曖昧である以上、プライベートセールだけで資金が調達できるとしたら、そのようにし続けるでしょう」と言うことです。

テレグラムのメンバーはICOやTONについて発言していませんが、このように考えている可能性は高いでしょう。

ホワイトペーパーによれば、ICOとTONはファスターペイメント、ファイル共有、分散型プライバシー、ドメイン登録などのネットワークを促進していくものだということです。

Pompliano氏は、「資金調達のゴールはチームが製品と会社を作るための資金を手に入れることですが、テレグラムはすでにこの目標を達成しているのでパブリックセールを行う理由はないでしょう」と述べています。

技術開発が最優先課題

法律に準拠したパブリックセールにかかる労力を考えると、パブリックセールを行わないという仮説は理にかなったものに思えます。

投資経験が豊富な有名投資家であれば、投資家としての資格を判断するのにあまり労力はかかりませんが、初めて投資をするような(アマの)投資家に関しては、投資するのにふさわしい人物であるか判断するのは大変です。

すでに目標金額を調達している企業なら、わざわざこのような労力をかけることはないでしょう。

さらに、Alexander Borodichによれば、プライベートセールでgramを購入した大口投資家からgramを小口購入できる第二市場があるということです。

このような状況下で、労力のかかる、法律に準拠したパブリックセールが行われるかは不明です。

TONの技術書によると、現在行われているトークンセールは不定期に続いていくことが予定されており、その中にパブリックセールも含まれると考えられます。

しかし、パブリックセールはプロトコルがローンチしないと始まらないことになっています。

Turning Advisory GroupのSid Kallaによれば、パブリックセールの前にプロダクトを作ってしまう方が得策だと言います。

「プライベートセールは仮想通貨やICO市場が最も良かった時期に行われました。具体的なプロダクトを提示しないと、世論をその(ICOが良いものだと感じる)レベルまで引き戻すことは難しいでしょう」

世論や投資家との複雑な関係

テレグラムがICOを行う際には、世間との関係性という複雑な問題も起こります。

Anderson Kill法律事務所のStephen Palleyは、「投資家と良い関係を築いていくことは非常に難しいため、大手の証券会社が投資家との関係づくりのために部署を1つ作りるほどです。
そのため、「新しいスタートアップにとってはカバーしきれない分野かもしれない」と言います。

「できたばかりのスタートアップが何万ドルものお金を手に入れるんです。そしてそのお金を投資する人たちは、自分たちはステークホルダーだと思っています。このような投資家たちとの関係を管理したいと思いますか?」

テレグラムは5年前に設立された会社ですが、設立メンバーたちの少額のポケットマネーでメッセージングプラットフォームを開発しているような比較的小さい会社です。ですから、投資家との関係という点では経験がないと考えられます。

Kallaは「テレグラムはシェアリングなどの技術的にハードルの高い課題を解決しようとしているため、開発に遅れや後戻りが生じることは避けられません。投資経験の豊富な投資家ならそのようなことに慣れていますが、アマの投資家はそうしたことに慣れていません」とも言います。

テレグラム(Telegram)はできるだけ多くの資金を調達する?

誰もがテレグラムのICOが行われないと思っているわけではありません。

「パブリックセールを中止する動機がわかりません。テレグラムはできるだけ多くのお金を集めようとしていると思います。また、世間に広く使っていることを目標にしていますから、パブリックセールを中止して人々の期待を裏切るようなことをするとは考えられません」とBitBull Capital CEOのJoe DiPasqualeは言います。

テレグラムのICOを名乗ったフィッシング被害が多いことから、パブリックセールがいつどのように行われるかを示してくれることが望まれますが、テレグラムはこうしたコメントを一切していません。

しかし、テレグラムがパブリックセールを行うだろう、というDsPasqualeの考えは少数派です。

もしテレグラムが開発のためにもっと資金が必要だとしても、プライベートセールで経験豊富な投資家から資金を調達するのはそこまで大変ではないからです。

Borodichの予想としては、テレグラムは今年中に行われる他のプライベートセールで、総額25億ドルまで資金を集めるつもりだろうということであり、他の情報ソースも同じ意見を口にします。

また彼は、仮想通貨の熱狂が冷めてきているため、投資家たちはgramをより安い価格で購入することを望みそうだということと、パブリックセールを行うただ一つの理由は、投資家の需要・圧力、または流動性に対する契約上の義務だけである、という発言もしています。

参考サイト:https://www.coindesk.com/wait-grams-telegram-might-just-cancel-public-ico/

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