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G20 Libraもステーブルコインも規制で各国の意識合わせ

2019.10.22
G20 Libraもステーブルコインも規制で各国の意識合わせ

<この記事(ページ)は 4分で読めます>

今月初め、脱退メンバーが相次いだリブラ(Libra)協会は、正式メンバーとなる20団体で改めてリブラプロジェクトの推進を発表したばかりでした。

この日曜日に報道されたところによると、プロジェクトのリーダーDavid Marcusは、リブラの準備金として数種類の法定通貨で構成される「バスケット」は、法定通貨でペッグされるいわゆるステーブルコインを使う可能性があってもいい、と発言しました。

一方、同時期にワシントンで開催されたG20では、「リブラおよびステーブルコインに対する国際的な規制の枠組みを作る」と総意が確認されました。

G20を前に、リブラ論争の影響で加速したFedCoinやフランスでの世界共通規制の枠組み提案など両極端な意見に対して、世界の経済首脳陣の間では、方向性がおちついた形ですが、実際は、どのように進展していくのでしょうか。

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暗号通貨に急ぎ足になる必要はない

IMFおよび世界銀行の年次総会でリブラのことが話題となり、インドのNirmala Shitharaman財務大臣は、多くの国が暗号通貨を取り入れることを警戒している、と述べました。

また、インド準備銀行のShantikanta Das総裁は、インドでは暗号通貨の使用を禁止しているとし、今年9月に就任したIMFマネージングディレクターのKristalina Georgievaは、リブラにも言及し、デジタル革命のなかでデジタルマネーの必然に注目しつつも、金融の安定性に留意する必要を主張しました。

その中で、リブラもグローバル・ステーブルコイン、と位置付けられ、各国の法規制が整う前にそれが運用開始されるべきではない、と日本の黒田総裁も言及しました。

ステーブルコインは各国ですでに概念実証もされているという、金融システムを確認する潜在力をもつもので、その存在は認められつつあります。

ビットコインを始めとする暗号通貨のような価格の変動がない分、安定しているという意味でのステーブルコインは、通貨がデジタル化される現代世界において、暗号通貨とステーブルコインの対比で考えられることが多くなります。

Facebookのリブラのように国の境を外したステーブルコインが意味するものは、G20でも規制の対象となる世界の脅威とみなされているようです。

しかし同時に、ステーブルコインを規制するといえば、ビットコイン始め暗号通貨に対する法整備を始めた2,3年前を思い出します。
各国が禁止しようという方向の中、日本は世界に先駆けて取引所のルールを整備し始めたのです。

昨年のG20でも日本がマネーロンダリングに対しての対策を呼びかけました。

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リブラのマーカス氏のステーブルコインをペッグする発言は、ひとつのオプションに過ぎず、協会がそう選択しているという訳ではない、と濁しています。

ステーブルコインVSクリプトコイン

これらの状況にある両側をざっくり見ると、

各国の法定通貨と、それをペッグした各国のステーブルコイン、さらにそれらを取り込む選択肢も考慮し始めたリブラというグローバル・ステーブルコイン、さらにそれらを規制しようとする世界の経済首脳陣の「ステーブルコイン」と、

国の枠を超えたところで需給バランスで成長しているビットコイン始めとする暗号通貨のマーケットの、「クリプトコイン」

という感じでしょうか。
今後の経済システムの枠組みがどう変化してくるのか無関心ではいられません。

参考サイト:
“https://www.reuters.com/article/us-imf-worldbank-facebook/facebook-open-to-currency-pegged-stablecoins-for-libra-project-idUSKBN1WZ0NX”
“https://cointelegraph.com/news/report-facebook-could-use-fiat-pegged-stablecoins-for-libra”
“https://techcrunch.com/2019/10/20/in-a-big-reversal-libra-reportedly-could-peg-its-cryptocurrencies-to-national-currencies/”
“https://www.sankei.com/economy/news/191019/ecn1910190014-n1.html”

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