ビットコインの採掘(マイニング)とは?その仕組みや方法を徹底解説
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ビットコインの「採掘(マイニング)」とは?
そもそもビットコインの「採掘」とは?
一般的にビットコインを新規発行するための一連の作業のことを「採掘(マイニング)」と呼びます。
ビットコインは、全取引データが記録された鎖状のブロックの繋がりである、ブロックチェーンと呼ばれるシステムに基づいて発行されています。
ブロックチェーンにおいて、ビットコインの採掘作業を行う人々は「マイナー(採掘者)」と呼ばれます。
マイナーは数多く存在しており、マイナー同士が競い合っています。
その競争における勝者がその報酬として、ビットコインを得ることができる、という仕組みになっているのです。
詳しいビットコインの採掘(マイニング)の仕組みに関しては、次の段落で詳しく説明していきます。
ビットコインの採掘量には上限がある
ビットコインの総発行総数の限界は2100万枚と定められており、それ以上は発行されません。
ビットコインは21万ブロックが生成されるごとに発行額が半減する仕組みとなっており、4年ごとに発行額が半減します。これを半減期と呼びます。
そのため、発行の過剰を防ぐことができ、インフレを起こさないように設計されているのです。
2018年現在、1回のマイニングあたりの報酬は12.5BTCです。次回の半減期は2020年に起こるとされており、1回のマイニングあたりの報酬は6.25BTC へと半減します。
ビットコインの採掘はいつまでできるの?
4年ごとに半減期が起こる、と聞くと、近いうちにビットコインの採掘が終わり、枯渇してしまうのではないか、と考える方もいるかもしれません。
しかし、半減期が繰り返され、実際に全ての発行が終了するのは2140年で、少なくとも私たちが生きている間は採掘を行うことができます。
半減期では、供給が減少することから通貨価格が上がる傾向があるため、半減期付近の時期にはビットコインの価格の値動きに注意する必要があります。
ビットコインの採掘(マイニング)の仕組みをわかりやすく解説
ビットコインの採掘(マイニング)の原理
ビットコインはブロックチェーン上で採掘(マイニング)作業が行われた際、その成功報酬としてマイナーに対し新規発行されるものです。
では、この採掘(マイニング)作業において、実際にどのような作業が行われているのでしょうか。
ビットコインの取引記録は全て正確に取引台帳(ブロックチェーン)に記録されます。
一定期間に行われた全ての取引は1ブロックの中にまとめて記録されていきます。
このブロックの生成、以前の全ての記録の集合体であるブロックチェーンと新たなブロックをつなぎ合わせる作業、そしてその結果の精査を行うためには、莫大な量のコンピューターによる計算が必要となります。
この計算作業が「採掘(マイニング)」と呼ばれる作業で、数多くのマイナーの中で最も早く正しい計算結果を出すことができたマイナーに対し、その情報処理の成功報酬として、ビットコインが与えられます。
この方式はPoW(プルーフオブワーク)と呼ばれています。
この一連の流れがビットコインの新規発行の仕組みなのです。
ブロックチェーンに関しては下記の記事で詳しく解説していますので、よろしければ合わせて参考にしてみてください。
ビットコインの「マイニング(採掘)工場」とは?
マイニングを通して報酬を得ることを事業としている会社も多く存在します。
そういった企業は「マイニング(採掘)工場」と呼ばれる、大量のコンピューターが置かれた施設を作り、マイニング作業を行なっています。
計算速度を競うビットコインのマイニングにおいて、コンピュータの処理速度は非常に重要です。
そのためビットコインのマイニングにはASICといったような、マイニングに特化した専用機械が利用されることが多いのです。
また、ビットコインの採掘には大量の電力を必要とするため、マイニング工場は電力が安い場所に作られる傾向があります。
マイニングシェア世界トップの中国のマイニング業者であるビットメインは、火力発電が盛んに行われており、年中電気が豊富かつ安価な内モンゴル自治区のオルドスに大規模な工場を構えています。
中国では盛んにマイニングが行われている一方で、徐々に中国政府によるマイニング規制は強まっています。
そのため、ミャンマー、マレーシア、カナダ、北欧、キルギスといったような電気代、冷却代を安く抑えることのできる他国への工場移転を検討している企業も多くあるようです。
ビットコインの世界のマイニング(採掘)シェア
マイニングシェアの半分以上を中国企業が占めている
2018年6月時点のビットコインの世界のマイニング(採掘)シェアを円グラフで表したものです。
出典: blockchain.info
上位4社のマイニング企業は全て中国の企業であり、マイニング事業の中国企業の占める割合がいかに大きいかということがわかります。
特に、1位のBTC.comと2位のAntPoolはどちらもJihan Wu(ジハン・ウー)氏が共同設立者である、マイニング機材およびマイニングプール会社、BITMAINの子会社です。
BITMAINはビットコインマイニング機器で圧倒的シェアを誇るASICの生産および販売を行う企業として知られています。
マイニングが中国企業に集中してしまうと、ビットコインの本来の意義である「分散型」というビットコインの特徴が失われてしまうのでは、と懸念する見方もあります。
日本国内でもマイニング(採掘)工場は存在する?
日本は仮想通貨取引量は多い一方で、マイニングに関してはあまり盛んでないような印象がありますが、最近では日本企業でもマイニングを行なっている企業が増えてきています。
最近ではGMO、DMM、SBIがマイニングへの参入を表明しました。
DMMはすでに金沢にマイニングファームを設立しています。
また、GMOは自社開発の仮想通貨マイニングマシンである「GMO miner B2」を発表しました。
今後日本でもマイニング産業が盛り上がっていくことが予想されます。
個人でもビットコインの採掘(マイニング)は可能なのか?
個人でビットコインのマイニング(採掘)をする方法
では、企業ではなく、ビットコインのマイニング(採掘)をすることはできるのでしょうか?
個人でマイニングすることは「ソロマイニング」と呼ばれ、これはASICや高性能のGPU(グラフィックボード)を駆使して個人でマイニングを行う方法です。
PCもしくはマイニング専用マシン、マイニングソフト、報酬を受け取るためのウォレットさえ準備すれば、理論上はマイニングに参加することが可能です。
実際に個人でのマイニングは儲かる?儲からない?
しかし実際は、ビットコインをソロマイニングすることは非常に難しいといえます。
ビットコインのマイナーの数は非常に多く、マイニングの競争率も高くなっています。
マイナーが多い分、ビットコインのアルゴリズムは非常に難易度が高くなっており、個人レベルの機器の規模、スペックでは成功率が非常に低いといえます。
家族でBitcoinの話になったから暗号通貨のマイニングちょっとだけやってみたけどこれはガチでチューニングしたマシンじゃないとまともにはやってられんってことがわかった
— 猫宮リンクス (@Lynx098) 2017年10月23日
一度でもマイニングに成功すれば報酬は大きいですが、確率は非常に低いです。
初期投資としてマイニング機器を購入するのにコストがかかる上に、電気代も高くなってしまうため、ビットコインでソロマイニングをするのはお勧め出来ません。
ソロマイニング以外に個人でもビットコインの採掘(マイニング)に参加できる方法がある!
ソロマイニングは難易度が高く、現実的ではありません。
しかし、マイニング事業者に契約料を支払うことでハッシュパワーの一部を購入し、その見返りに報酬を得るクラウドマイニングや、自分のパソコンのマシンパワーをネット経由で提供することで、そのマシンパワーの大きさに応じて報酬を受け取るサービスであるプールマイニングなどの方法を使えばマイニング報酬を受け取ることのできる可能性があります。
詳しくは以下の記事で解説していますので興味がある方は参考にしてみてくださいね。
ビットコインの採掘(マイニング)まとめ
中国のマイニング企業が占めるシェアが大きいものの、ビットコインの採掘(マイニング)は政府規制などに伴い徐々に地理的に分散してきています。
今後日本でもマイニング工場が増えてくる可能性も大いにありえます。
今後のマイニング企業の動向にも注目が集まりそうですね。
また、クラウドマイニングやプールマイニングなど、マイニングへの個人参加の方法も色々と存在しています。
初期投資にお金をかけず、マイニングをやってみたい、という方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事が皆さんのビットコインの採掘(マイニング)の理解に少しでもお役立ていただけましたら幸いです。