ブロックチェーンとは?
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「ブロックチェーン」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
おそらく、この言葉を耳にしたことのある人の多くが、「ビットコイン」や「仮想通貨」などという言葉とセットだったはずです。
https://cripcy.jp/first/kisochishiki/what-bitcoin
ここでは、
・ブロックチェーンとはどんなものなのか?
・なぜ仮想通貨にはブロックチェーンの技術が使われているのか?
という2つの視点を中心に、ブロックチェーンについて解説していきます。
仮想通貨とブロックチェーン
仮想通貨の取引は、「トランザクション(取引)」の「承認」を必要とします。
この承認のための方法として、ビットコインをはじめ現在流通している多くの仮想通貨はブロックチェーン技術を利用しています。
そのため、仮想通貨の仕組みの理解にブロックチェーンの知識は必要不可欠です。
ただし、ここで注意しておきたいのは、すべての仮想通貨がブロックチェーン技術を利用しているわけではないということです。
たとえば、バイトボールやIOTA(アイオータ)などの仮想通貨は、「DAG」というブロックチェーンとは異なる承認方式を採用しています。
そのため、以下のブロックチェーンの解説はすべての仮想通貨に当てはまるものではないということに留意して読み進めてください。
それでは、ブロックチェーンとは具体的にどのような技術なのかみていきましょう。
ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンとは、これまでの仮想通貨の全取引を記録したデータの総称です。
新たに発生した仮想通貨の取引情報は、一定数まとめて1個のブロックに記録されます。
そしてこのブロックは、これまでの情報が記録されているチェーンの一番後ろに追加されます。
こうしてデータを記録したブロックが次々と、まるで電車の車両同士のように鎖(くさり)状に連なっていくのです。
このブロックチェーンは、1本のチェーン状になっていて分岐することはありません。
ここで、具体例としてビットコインを使って取引をする場合を考えてみます。たとえば、
「AさんがBさんに1ビットコインを送った」
「CさんがDさんに10ビットコイン送った」
などの取引情報があるとします。
ビットコインでは、こうした取引情報は約10分ごとに1つのブロックにまとめられます。
そして、これまでのチェーンの一番後ろに追加されていきます。
このように、取引情報を記録したブロックがチェーンのようにつながっていくことから、ブロックチェーンと呼ばれています。
同じデータを分散して共有
これまでのすべての取引情報を記録したブロックチェーンのデータは、特定のコンピュータやサーバーで管理されているのではなく、世界中の複数台のコンピュータで分散して管理されています。同じデータを複数で同時に共有することによって、改ざんの危険を回避しているのです。
たとえば、どこか1カ所のデータが改ざんされても、その他複数で共有している(過半数を超える)データのほうを正しいとみなし、改ざんされたデータは無視されます。
また、分散されているデータの半数以上を改ざんしようとした場合、膨大な計算が必要となるため、データの改ざんはほぼ不可能とされています。
こうして改ざんが不可能だからこそ、仮想通貨は通貨として信用され、流通することができます。
マイナーとマイニング
一定時間ごとに新しく生成されて取引情報を記録するブロックですが、一体、誰が作っているのでしょうか?
発行主体が存在しない以上、常に同じ特定の人がブロックを作っているわけではありません。しかし、ブロックを作ることができる人は、1回につき1人と決まっています。
なぜなら、もし同時に誰でも新しいブロックを作ることができたら、ブロックチェーンは枝分かれしてしまい、どのチェーンが正しいものなのかわからなくなってしまうからです。
マイニング
では、ブロックを新しく作る人はどうやって選ばれるのでしょうか?
始めに、「マイニング」というブロックを作る作業について説明します。
ブロックチェーンのブロックはマイナー(採掘者)と呼ばれる人たちによって作られます。
一定時間ごとに、マイナーはある特定のキーを競い合って探します。
一番速く正解のキーを見つけた人が、そのブロックを作る権利を得ることになります。
このキーを探す作業をマイニング(採掘)と呼びます。
残念ながら一番最初にキーを見つけられなかったマイナーたちは、そのキーが正解であることを確かめる役割を担うことになります。
複数人が正しいと確認したら、その新しいブロックは晴れてブロックチェーンの最後尾に追加されます。
この一連の流れが、ブロックチェーンにおけるトランザクションの承認作業です。
詳しいマイニングの仕組みについては下記の記事で解説しています。
マイニングの報酬
マイナーは、誰よりも先にキーを探し当てると、新たに発行された仮想通貨がもらえます。
これがマイニングの報酬で、現在のビットコインは12.5BTCと設定されています。
ビットコインは10分間隔でマイニングの競争が始まるので、現在10分間に12.5BTCのビットコインが新たに発行されています。
マイナーは世界中に存在します。彼らは報酬を得るために日夜マイニングを行っています。
仮想通貨のマイニングにはいくつかの形式がありますが、多くの仮想通貨のマイニングにはコンピュータによる膨大な計算が必要なため、大掛かりな設備と人件費、そしてなにより光熱費が必要です。
体育館いっぱいに並んだサーバーを想像してみてください。
マイニングの運営は、約80%が電気代、約20%が設備費なので、人件費はほとんどかかりません。
それらの費用をマイニングの報酬でまかなって運営しているのです。
ブロックチェーンに関わる人々
ここで、ブロックチェーンに関わる人たちを整理してみましょう。
まず、中核にはコアデベロッパーと呼ばれる、仮想通貨の仕組みを開発し、運営に関わっている人たちがいます。
その外側に、取引情報を処理するマイナーと呼ばれる人たちがいます。
彼らによって日々新たな仮想通貨が採掘されていきます。
その仮想通貨を取引する窓口になっているのが取引所です。
ここでは仮想通貨を売ったり買ったり、他の人に送ったり他の人から受け取ったり、日本円と交換したりすることができます。
そして取引所を通じて仮想通貨を取引するのが、われわれ利用者になるわけです。
マイニングが行われない通貨
ひとつ注意しておきたいのは、ブロックチェーンを用いている仮想通貨すべてにおいてマイニングが行われているわけではないということです。
たとえば、NEM(ネム)という仮想通貨は、マイニングではなく「ハーベスティング」という別の方法で承認作業を行います。
承認のやり方はひとつではないのです。
ハーベスティングに関しては、以下の記事で詳しく説明しています。ご参考までにどうぞ。
なぜブロックチェーンが使われるのか
暗号化の仕組み
ブロックチェーンを理解するために、ブロックチェーンに用いられている暗号化の仕組みも理解しておきましょう。
ここではビットコインを例にとって説明します。
ビットコインの1つのブロックは、「これまでの取引情報」と「今回追加される新しい取引情報」、そして32bitのキーを組み合わせた64桁の暗号です。
ブロックを作る際は、作成される64桁の暗号の最初の16桁ないし17桁がすべて「0」になるような32bitのキーを探します。これがマイニングの仕組みです。
「これまでの取引情報」と「今回追加される新しい取引情報」は、それぞれハッシュ関数と呼ばれる関数を使って暗号化されます。
この方法で暗号化された結果は元のデータが少しでも違えば決して同じになることはなく、暗号化された結果から元の情報を復元できない、不可逆的な性質を持ちます。
これにより、データの改ざんなどが実質的に不可能になり、安全に取引することができるのです。
この安全性が、ブロックチェーンが仮想通貨の取引に用いられる理由の1つになっています。
公開鍵暗号と電子署名
インターネットの弱点として常にあげられるのが、「ハッキングのリスク」です。
先ほど述べた通り、ブロックチェーンのデータはほとんどの場合、世界中の多くのコンピュータに保存されています。
まったく同じデータがあちこちに共有されているということです。
データが世界中の複数のコンピュータで共有されているということは、インターネットがつながれば世界中どこでも仮想通貨が使えたり、好きなときに送金したりということを可能にする一方で、そこでやり取りされる取引情報が改ざんされたり、仮想通貨が盗まれるというリスクを生みます。
このリスクを防ぐためにブロックチェーンで使われている技術が「公開鍵暗号」と「電子署名」というものです。
一言でいうと、公開鍵暗号は自分以外の人に自分が受け取るデータの内容が分からないようにする技術で、電子署名は自分以外の人が自分になりすますことができないようにする技術です。
この技術を使って、取引データの改ざん防止と取引データが正しいことの確認が行われています。
実際にビットコインなどの仮想通貨を売買したり、送金したりする際に意識することはありませんが、このような仕組みが働いているのです。
ブロックチェーンは仮想通貨の基幹システム
ブロックチェーンは、ビットコインやイーサリアムなどの代表的な仮想通貨の基幹システムとして採用されています。
ブロックチェーンには他にも、さまざまな仕組みや特徴があります。
もっと理解を深めて、安心して仮想通貨を利用していきたいですね!
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